はじめに
はじめまして、くんと申します。育成論初投稿です。よろしくお願いします。
この育成論では各能力値をHABCDSと表記する等の一般的な略称・用語を用います。また、特に指定がない限りすべてのポケモンは理想個体を想定しています。ダメージ計算はトレーナー天国様のものを使用しています。
イーブイバトンとは
全能力を2段階上昇させるイーブイ専用Z技「ナインエボルブースト」をバトンタッチで後続の抜きエースに繋ぐ戦術。イーブイは積むときとバトンをするときの最低2ターンの行動が必要となるが、素の能力値が低いのでこれを安定して成功させるためには耐久を上げる起点作りがほぼ必須となる。
主な起点の作り方
- 攻撃される前に耐久を積むために、おいかぜやでんじは等でSを操作する
- 先制で攻撃されても耐えられるように、おにびやおきみやげ等で相手の火力を下げる
- 両壁やオーロラベールで耐久を上げる
以下一般的なイーブイバトンパーティとして起点作り要員2体、イーブイ、抜きエース3体(うち1体はマジックミラーエーフィ)という構築を仮定して考察していく。
採用理由
- 先制でおいかぜを発動できる
特性によってスカーフや130族、いたずらごころ持ちより先に行動できる。ただ、メガミミロップやガルーラ等のねこだましには弱いため、選出時注意する必要がある。
- 起点作りポケモンでは最速に近いこと
特性が機能しなくても高いSからおにびやちょうはつが撃てるため、安定して役割を遂行できる。現環境でファイアローより先にちょうはつしてくる可能性があるポケモンはカプ・コケコといたずらごころ持ちくらいしかいないが、これらに対しても最低限おいかぜだけは発動することができる。また、メガメタグロスのアイアンヘッドやしねんのずつき、ゲッコウガのあくのはどうなどでひるんで詰むということがないのも評価点。
- ジャローダやバシャーモ等を選出抑制できる
こちらの起点作り要員を逆に起点にしてくるあまのじゃくジャローダや火傷にならず高いSとつるぎのまいでイーブイを攻撃してくるバシャーモ、その他かくとうくさを選出抑制することができる。特にバシャーモは今の環境に多い上に対処が難しいため先制ブレイブバードによって強い圧力をかけられることは大きな意味を持つ。
持ち物
基本的にはだっしゅつボタン一択。とんぼがえりによる退場だとSが高いのでイーブイに余計なダメージが入ってしまう可能性が高い。イーブイへのダメージを減らすための起点作りなのにそれでは本末転倒である。そもそも技スペに余裕がないし、それらのデメリットを覚悟してまで持たせたい道具は思いつかない。相手の攻撃+ブレバorフレドラの反動で退場を狙うなら仮想敵の半減実やきあいのタスキなども考えられるが安定しない上にちょうはつのターンを無駄に消費する可能性があるため優先度は低い。
また、他の起点作り要員だとおきみやげで退場することが多いが、タイミングが読まれやすく、そこにクリアボディのメタグロス等を投げられると詰んでしまうことがある。だっしゅつボタンによる退場だとその事故の心配がないということで差別化にもなる。
性格 努力値
高いSから放つ補助技とバシャーモ等への圧力が重要なためようきAS極振り。残りは大差ないのでHBDにお好みで。
技構成
- 確定技
ちょうはつ
くろいきりやふきとばし、ほえる、ほろびのうた、ちょうはつ等を妨害し、安定してバトンをつなげるようにするために重要。
おいかぜ
ひこうタイプの技なので先制で発動できる。この型のアイデンティティともいえる技なので確定。
ブレイブバード
タイプ一致のひこう技。イーブイが苦手なかくとうタイプへ圧力をかけられる。ファイアローを採用するコンセプトの一つでもあるため確定。
- 候補技
おにび
ほのおタイプ以外の物理アタッカーを機能停止させる。やや命中不安だが相手の火力を削るために入れておきたい。基本的にはこちらを採用。
フレアドライブ
先制技にはならないがカプ・テテフを強く意識するのであれば。
まもる
かなりピンポイントだが、だっしゅつボタン持ちが苦手なねこだましをすかせる。メガミミロップやガルーラ、エテボース、マニューラ等と対面しても起点が作れるようになる。
- 自己退場技
とんぼがえり
持ち物の項目でも書いたが優先度は非常に低い。どうしてもだっしゅつボタン以外の道具を持たせたいなら。
立ち回り
起点作り要員なので基本は先発。相手にカプ・コケコやバシャーモ、ジャローダ、ジャラランガ、メタグロスがいる場合は積極的に選出していきたい。逆に先制技を封じられてしまうカプ・テテフやねこだましを撃ってきそうなポケモンがいた場合は他の起点作り要員に任せた方がよい。
初手対面の基本は相手がイーブイのSより早い場合はおいかぜかおにび、遅い場合はちょうはつかおにびを撃つ。相手から一撃食らうと退場してしまうため、後続に繋ぐまでに出来る最低限の仕事をイメージしておくこと。
- 仮想敵
カプ・コケコ
こちらの方が遅いため初手はおいかぜが安定する。ただしとんボルチェンからのフェローチェやメガルカリオには注意。
バシャーモ
安定択ならブレバだが、初手ではほとんどまもるか交代してくるためおいかぜもあり。
カバルドン
初手で出てくるカバはステロ・あくびの可能性が非常に高いためちょうはつが安定。一定数いるふきとばしやほえる持ちへの対策にもなる。
ドヒドイデ
イーブイバトンパーティに対して出てくるドヒドイデはほぼくろいきり持ちなので初手ちょうはつがよい。可能であれば2ターン目におにびを撃っておくと臆病C4振りイーブイでも強化後のアシストパワーで超高乱数1で倒せる。
ミミッキュ
環境にいるミミッキュの持ち物はほとんどがZストーンかきあいのタスキ、いのちのたまなので、初手はおにびが最も有効。レートに潜った感覚ではつるぎのまいされたらだいたいはタスキ持ちなので2ターン目はちょうはつが安定。↑↑+やけど+珠のじゃれつく程度ならばテンプレのイーブイは耐られる。のろいとトリルを強く意識するならばファイアローで完全に対策することはできないため、他の起点作り要員に頼るかマジックガードのピクシーorシンボラーを抜きエースに入れるしかない。
その他の起点作り要員考察
- この型のファイアローが苦手な相手・状況
サイコフィールドを展開してくるカプ・テテフ、ねこだましをしてくるメガミミロップやメガガルーラ等、とんボルチェンで後出ししてくる格闘技持ち(フェローチェ、メガミミロップ・メガルカリオ等)、アクジェかはらだいこか読めないマリルリ、りゅうのまいを使ってくるメガギャラドス・メガボーマンダ・メガリザードンX等
上記したようにイーブイバトンパーティでは起点作り要員を2体入れて、片方が対応しきれない相手をもう1体でカバーするのが一般的なので、相方候補を考察していく。
エルフーン
いたずらごころによって補助技を先制技として使うことができるのが最大の魅力。おいかぜやちょうはつを先制で使えるところはファイアローと同じだが、それ以外にもあまえるやおきみやげ、ひかりのかべで相手の火力下げたりアンコールによる流しなどできることはかなり多い。ファイアローと共通してテテフに弱い。このポケモンを使うリスクとしては悪タイプに弱いこと、バシャーモが重いこと、不意に挑発されると悪あがきしかできないこと、おきみやげのタイミングを間違えると詰むことなどがある。きあいのタスキを持たせることが多い。環境を見てすりぬけ型にすることでテテフ対策するというのも一考の余地はある。
ラティオス
中速帯を超えるSからの両壁が張れる。技候補としては他にでんじは、おきみやげ、サイコキネシスなどがある。型はそれほど多くないが両壁は張れさえすれば絶大な安定感を持つ。またバシャーモやテテフにも強く、ファイアローのカバーはおおむねできている(はらだいこ→ばかぢからのマリルリの対処はできない)。しかし、ちょうはつが使えないこと、相手のコケコやアロー等に上からちょうはつされてしまうこと、壁を張るのに時間がかかること、ゲッコウガのあくのはどうでひるむと詰む可能性があることなど、役割ががバレること前提のイーブイバトンでは動きにくいと感じることも多い。
ムウマージ
Sが105となかなか速く、おにび、でんじは、ちょうはつ、おきみやげなど便利で扱いやすい補助技を多く覚えるため、ファイアローより広い範囲の相手ができる、技候補として他にあまえるやほろびのうた、トリックルームなどがある。しかしメガミミロップに弱く、ねこだまし→おんがえしで何もできずに倒れてしまうので、ファイアローと組ませる場合はまもるを搭載するか割り切るか裏選出を考えなければならない。その他リスクとして上からちょうはつされることがある、上からひるまされると詰む、みがわりされると技構成によっては何もできない等がある。きあいのタスキを持たせることが多い。きせきムウマという選択肢もないわけではない。
ニャオニクス
エルフーンと同じくいたずらごころ持ち。上から両壁やあくびが使える。しかしテテフやコケコの多い現環境ではかなり動きにくい。ファイアローの補完には向かないかも。
ユクシー
高い耐久を持った起点作りポケモン。両壁、おきみやげ、ステロ、あくび、とんぼ返りなどの技を持っている。あくびによる流し性能が高く、おきみやげを無効化されにくいのが魅力。しかしちょうはつを覚えなかったりS95とかなり微妙な数値なのでサザンドラにまでちょうはつを撃たれる可能性が出てくる等の欠点も目立つ。一応ファイアローやエルフーンの補完には向いている。
どの起点作り要員も長所短所があり対応できない相手はいる。正直2体だけですべてのポケモンに対応するのは不可能だし、選出時に相手の1体目が読めずじゃんけんのようになってしまうこともあるが、それはどのようなパーティでも同じなはず。ある程度しょうがないと割り切ったうえで読みを磨くなど、ポケモンバトルを楽しんでほしい。
最後に
ここまでご覧いただきありがとうございました。大好きなイーブイが活躍できる環境になったのがうれしくて投稿しました。初投稿で至らないこともあると思いますが、改善点ありましたらコメント欄までお願いします。