はじめに
無人発電所に巣食う雷のカース初投稿です。
- 指定のない限りすべてのポケモンは理想個体を想定します
- HP、攻撃、防御、特攻、特防、素早さをH、A、B、C、D、Sの略称で表記します
- ダメージ計算はトレーナー天国様のツールをもとに計算させていただきましたが、(ルールがルールなので具体的な計算は載せて)ないです。
バトルロイヤル布教活動再開します。
ルールがよくわからない方は、私が最初に書いた育成論サンムーン/1112にある程度まとめてあるのでよかったら参照してみてください。
エレザードについて
6世代出身のはつでんポケモン。でんきタイプの中でも珍しく太陽光発電してるらしい。ちなみにエリマキトカゲがブームになったのは初代ポケットモンスター発売から12年前だとか。そこからさらに17年経ってポケモンのモチーフデビューということになりますね。
能力としてはC・D・Sが高くてH・A・Bが低いという、でんきタイプのお手本のようなステータスをしています。あと、でんき/ノーマルという固有の複合タイプの持ち主。7世代からはカプ・コケコやデンジュモクなどの強力なでんきタイプの登場でブームの去ったエリマキトカゲよろしく若干影が薄めですが、独自の長所はちゃんと持ってます。
そんなエレザードくんのバトルロイヤルにおける考察を今回はしてみたいと思います。
強み
- 固有の耐性+特性による一部の相手への強さ
でんき/ノーマルという耐性に加えて特性の1つにかんそうはだを持つため、みずタイプにかなり強い上に現在唯一ゴースト耐性を持つでんきタイプです。みずタイプもゴーストタイプも猛者が多いのでそいつらに対して強めなのは利点ですね。サブウェポンも揃ってます。
- パラボラチャージを習得可能
「何だこの技?」って思う人が多いと思うのでまず説明文を貼りますと…
威力65 命中100 PP20 でんき 特殊
自分以外全員が対象。与えたダメージの半分自分のHPが回復する。
世にも珍しい全体攻撃の吸収回復技です。
追加効果はいいんですが、威力がたった65とひかえめ(これでも50だった6世代よりはマシ)なのでメインウェポンとしては扱いづらく、ダブルではあまつさえ味方を巻き込みます。隣にちくでん・ひらいしん・でんきエンジンのポケモンを置けばコンボとして使えなくもないですが、「それならほうでんでいいじゃん」って感じですね。
このように一見するとクソ技扱いづらさが目立ちますが、バトルロイヤルでは敵3体に当たる吸収回復攻撃となります。このルールでは全体攻撃になると技の威力が半減されるため、相手1体にかかる負荷こそ低いですが、全員に通ればいつもの1.5倍(0.5×3)の回復効率、最悪1体がじめんタイプとかで無効にされても他2体に等倍で通ればシングルで撃った場合とほぼ同じ回復効率になります。(ガバガバ計算)
さらに「全員が対象のしょっぱい攻撃」であるため、特定の相手からのヘイトも比較的もらいづらい攻撃技となっています。
中々どうして使いやすくなってるではありませんか。
ただ、この技を普通に使うにはいささか問題が。
それはエレザードの耐久が紙なことです。
というかこの技、現在習得者がエレザードとデデンネの2体という紙耐久なやつらしかいません。
冒頭でチラッと触れましたが、エレザードの種族値は典型的な速攻アタッカーのそれであり、基本的に得意な相手以外と対峙すると長持ちしません。特殊耐久はまだ並程度にはあるのですが、物理耐久はウツロイドがだいぶマシに見えるほどの貧弱ぶり。こんな耐久力では回復技を持っていても焼け石に水、宝の持ち腐れと言われても仕方ありません。
しかし、ここで閃きました。単に耐久を上げるためだけが回復技の目的ではないと。エレザードが速攻アタッカーだというのなら、速攻アタッカーにはおなじみのアレがあったではありませんか。
そう、きあいのタスキです。
使い勝手の増したパラボラチャージでHPが削れた(=タスキが潰れた)場合でもタスキを腐らせないようにしようというのが今回のエレザードのコンセプトです。
「そんなに都合よくうまくいくのか?」と思われるかもしれませんが、電気弱点のみずタイプ・ひこうタイプはその安定性から場に苦手なタイプがいても居座ることが多くエレザードのCそんな高くないからナメられやすいですし、特にバトルスポットではギャラドスやミロカロスが多いのでパラボラチャージによる回復チャンスは結構あります。カプ・コケコもよく見かけるので、エレキフィールドに便乗できればダメージ&回復量も上がります。ガブリアスも多いのはナイショです
また、特性すながくれの場合は砂ダメージを無効に、特性かんそうはだの場合は水吸収+雨で回復でき、タイプ上かげうちを無効にできたりといった具合にエレザード自体タスキとの親和性があります。サンパワー?珠で使ってください
さらにHPが少ないエレザードはこういった吸収回復における効率が良く、状況にも依りますが3分の1ぐらい削れててもパラボラチャージを撃てばみるみる傷が埋まりタスキが機能を取り戻します。ちなみに極端な話ですが、場の相手3体が全員Dに振ってないギャラドスでそこにH無振りC252エレザードがパラボラチャージを撃った場合、最低でもエレザード約1.1体分、最高で約1.56体分HPが回復します。全☆快。
まとめると、「独特のタイプ・特性・技によるきあいのタスキへのケアで行動保証を得やすい」と言えるでしょう。撃破点を稼ぎやすいが倒されやすいという速攻アタッカーの弱点をきあいのタスキ+パラボラチャージ搭載で緩和し、バトルロイヤルへの適性を高めたのが今回のエレザードとなります。1ターンに複数回攻撃されるリスクこそありますが、その場だけでもしのげる場合があるということは生存能力も重要視されるバトルロイヤルでは見逃せないポイントです。
持ち物
というわけできあいのタスキで確定とします。
特性
どれも天候に関するものとなっています。
バトルロイヤルでは4人が1体ずつポケモンを出すため天候がコロコロ変わりやすいです。
- かんそうはだ
水技吸収が便利すぎる上にタイプとのシナジーもあるので確定欄はこちら。晴れや炎技には注意。
- すながくれ
結構な頻度で砂が舞うので、それでタスキを潰さないようにしたいなら。ついでに回避が上がるのも悪くないです。ただし、特性すなおこしの連中には電気技だけだと不利なので、これを採用するならサブウェポンとしてくさむすびやきあいだまは欲しいところ。
- サンパワー
メガリザードンYも多いので連中が起こした晴れ状態に便乗できます。ただ、タスキ前提な今回のコンセプトには合わないですかね。
性格・努力値
おくびょう・C252 S252 D4
Cは相手を落とせる範囲をできるだけ広げるためとパラボラチャージでできるだけ吸えるようにするためぶっぱ。
Sも最速にした方が行動しやすくなるためぶっぱ。
HPの値は8n+1でちょっときたないですが、耐久はタスキでカバーするので気にしないことにしました。
普通だな!
技構成
- 確定技
パラボラチャージ
コンセプトの軸となる技なので確定。むしろバトルロイヤルでもないと使ってもらえないと思います
特に狙いたい相手がいない場合はこれで削り+回復+タスキ復活を図ってください。ちなみにこの技があるからなのかほうでんは覚えません。
- 選択技
10まんボルト
威力・命中ともに安定なメインウェポン。
迷ったらこれを搭載しておけば大丈夫かと思います。
かみなり
普段の命中はアレですが、威力・追加効果はともに申し分ないです。かんそうはだの場合、雨との相性も良いのでこっちもあり。
ボルトチェンジ
殴りつつ逃げることで点稼ぎとタスキの温存の両方が可能です。小回りが利くようになるのはやはり便利。
ハイパーボイス
タイプ一致の全体攻撃その2ですが、パラボラチャージの解説でも言ったように威力が半減するのであまりオススメできません。みがわり張って安心してるようなやつには一応刺さりますが。
はかいこうせん
タイプ一致なのでカミツルギ程度なら吹き飛せる程の火力が出ますが、1ターン棒立ちになるのはかなりよろしくないです。あと命中90なのでたまに外したり。意地でも撃破点を稼ぎたい人向け。
めざめるパワー(氷)
でんきタイプご用達のサブウェポン。ガブリアスやボーマンダはこのルールでも人気なので刺さります。
くさむすび
くさタイプやドラゴンタイプには電気技とともに半減されますが、じめんタイプや先述のすなおこしポケモン対策に。ヘビー級の連中同士が顔を合わせることが多いので使いやすさはまあまあ。
きあいだま
命中がアレですが、バンギラスやツンデツンデなんかにブッ刺さります。電気技との相性補完はぼちぼち。
あくのはどう
タイプ的にある程度ゴーストに強いので悪くない感じです。ひらいしんアローラガラガラにも刺さる。
まもる
その場しのぎに。これがあるのとないのとで生存能力がかなり違ってくるのでとりあえず搭載しても損はしないでしょう。
みがわり
きあいのタスキ自体とはアンチシナジーですが、低HPとパラボラチャージにより効率良く回復ができるため、隙を見て使えばタスキ持ちミミッキュと似たような気持ちが味わえます。
相性の良いポケモン
- ミミッキュ
ばけのかわによる行動保証および狙われにくさ、カエンジシ以外に安定した殴りを入れられるタイプ一致技、撃破点を掠め取れるかげうち…などなど、案の定ルールを問わずクソ強い。お互い物理耐久は乏しいものの、受けるときの相性補完もそれなり。
- ペリッパー
あめふらしによる他の天候の上書き、かんそうはだやかみなりの補助、対ほのおタイプ・じめんタイプ・くさタイプといった具合です。ただの雨パだこれ。 Dの低いペリッパーは相手のみずタイプからのごり押しに弱いので、そこをエレザードが補う形になります。
- カプ・ブルル
グラスメイカーによりエレザードのHP回復ソースを増やしてくれる他、電気技の効かないじめんタイプの大半をブルルが叩き潰せます。フィールド効果によりじしんも半減されますが、ガブリアスクラスからはそれでも半分以上エレザードのHPがえぐられます。欠点は炎技が一貫すること。
おわりに
ここまでご覧いただきありがとうございます。
次世代あたりでジバコイルやロトムあたりのタフなでんきタイプがパラボラチャージを覚えてくれれば、もうちょっとこの技見かけるようになるとは思うんですけど、多分配られないと思うので現状一番活かせるであろうエレザードについて考察してみました。それ以前にバトルロイヤルが続投するか怪しいですけど
ともあれ、こういったバトルロイヤル特有の面白さ・戦術を知っていただけることでこのルールをプレイしてくれる方が増えればそれで幸いです。