注意
- この育成論はSMシングルレートを想定し、登場するすべてのポケモンは理想個体を前提とします。
- HABCDS等の略称を用いております。
- ダメージ計算は、実数値にて表記を行っております。
- この育成論は、ポケモンバンク解禁前を前提としております。
- この型の考察を始めた経緯が「今まで酷過ぎる環境に置かれていたギギギアルを、何とかして活かしやりたい!」というものであることから、「採用理由は哀」のタグを付けております。
はじめに
どうも皆さんおはこんばんちは、竜巻というものです。
今回はギギギアルについて考察していきたいと思います。
ギギギアル
H60 A100 B115 C70 D85 S90
第5世代に登場した、単鋼タイプのポケモン。
インフレの波に埋もれたAとS、そこそこ高いBとDを無駄にした低いH、無駄に若干高いCという、若干残念な種族値を持っています。
特性は夢特性でクリアボディを手に入れ、威嚇等の技に対して耐性を得ましたが、サンムーンの第七世代となった現在、入手不可となっています。(ポケモンバンクの互換対応待ち)
なので現在手に入る個体は、通常特性のプラスorマイナス。元々物理メインのギギギアルでは活かし辛い上、主戦場のシングルでは完全に死に特性となっています。
技は鋼技であるギアソーサー(50×2回攻撃)と、積み技のギアチェンジ(A↑S↑↑)という2つの優秀な固有技を持っており、決して他に埋もれない個性を持っています。
が、その他の物理サブウェポンが、ワイルドボルトと、からげんきや恩返しなどのノーマル技しかないという悲惨な有様。
第5世代(BW・BW2)では、狭い技範囲に加え、雨砂等の天候パや先制技持ちの格闘(ローブシンやキノガッサ)等々の凶悪なポケモンが氾濫していた環境に太刀打ち出来るわけもなく。
第6世代(XY・ORAS)では、フェアリータイプの登場もあってメイン技の通りは良くなったが、新たなサブウェポンは追加されず、加速バシャーモや悪戯心電磁波、気合の襷を貫通してくるメガガルーラ、半減でも大きい火力を先制で押し付けて来るファイアローの登場、等々の大きい壁がいくつも存在していた為、やはりギギギアルは太刀打ち出来ず。
そんな悲壮感溢れ続ける境遇を送っていたギギギアル。とっても悲しい。
ですが、サンムーンの環境となってから、フェアリータイプが更に増加した(特にミミッキュ)ことから鋼技の需要が高まった等、いくつかの環境に刺さる要素が出てきました。
今回はそんなギギギアルの育成論を紹介していきます。
第7世代の環境(バンク解禁前)について
環境解禁から1ヶ月も経っていない黎明期な上、現状PGLがまともに機能してない状態ではありますが、第6世代から変化した点などを含め、私見を含みつつ幾つか羅列していきます。
☆
・おやこあいの弱体化(2撃目の火力補正減少。1/2→1/4)
・ふいうちの火力低下(80→70)
・疾風の翼の弱体化(飛行技が先制可能→HPがMAXの時のみ、飛行技が先制可能)
・先制技メタ特性の登場(サイコフィールド等)
・上記4点の影響により、高火力先生技を用いるポケモンが減少(メガガルーラ、ファイアロー等)
・強力な先制技を持つポケモンが、バンク対応まで未解禁(マッハパンチローブシン、神速カイリュー等)
・電磁波およびマヒの弱体化(命中100→90、S低下率1/4→1/2)
・悪戯心の弱体化(悪タイプ相手の場合、技が失敗)
・上記2点の影響により電磁波持ちの悪戯心ポケモンが減少
これらの影響もあって、元からSが高いポケモンや竜舞等の積みエースや雨パのすいすいエースが止まりにくい環境に。
特にメガギャラドス、メガボーマンダ、キングドラが増加傾向にある為、それらのメタとして最速スカーフカプ・コケコも増加傾向。
また、高いSからの高火力を放つカプ・コケコは元々環境に多く存在し、それらのメタとしてガラガラ(R)が増加、そしてこの2体に有効打を持つ地面タイプとして特にガブリアスが多く採用された為、タイプ等で優位に立てるテッカグヤやバルジーナやマッシブーンやポリゴン2も増加傾向。
そして、あらゆる攻撃を1回無効化出来る強特性ばけのかわを用い、妖霊の広い技範囲と先制技を用いた剣舞エース、敵の積みアタッカーのストッパー役、このどちらとしても運用可能なミミッキュは、可愛い見た目も相まって、特に個体が多い印象でした。
(他には、起点作りを含めたサポートのエキスパートと言える雪キュウコン、鋼複合で耐性が優秀であるギルガルド(キングシールドの強化、メタグロス(鋼需要の増加に加えてメガシンカのS変更による恩恵を大きく受けた)、多くのポケモンの上から高火力を放つフェローチェ、貴重な高速AT兼ステロ撒き要員のウツロイド等々、多くのポケモンが環境には存在しておりますが、今回の環境考察では割愛させて頂きます。)
☆
今回は、特にS1環境に多いと感じたミミッキュへ比較的強く出れる事を主眼とした鋼枠として、ギギギアルを考察していきます。
また、アイテムによって、新たに持てる役割がガラリと変わって来るので、そちらも合わせて考察していきます。
採用理由
- 採用理由は哀(冒頭の注意を参照)
- 補完枠(主に対ミミッキュ等への目的を中心とした鋼枠)
- 鋼枠の中で、唯一化けの皮&タスキ潰しが可能なギアソーサー持ちであるため
調整
努力値 A:252 D:4 S:252
実数値 H:135 A:152 B:135 C:x D:106 S:156
H:奇数調整(対怒りの前歯、対自然の怒り)
A:極振り(1積みギアソーサーでH131B100ミミッキュ確1 ※化けの皮込)
S:極振り(一応準速102族抜き抜き)
Sは、準速ミミッキュ抜きのS149(S204振り)、最速スカーフS130族抜きおよびすいすい下最速85族抜きとなる実数151(S220振り)に留めても良いですが、余りを耐久に振っても大きい差が生まれなかったので極振りに。
残りの努力値はどこに振っても大きい差はありませんが、今回は唯一被ダメ時の乱数が1つ動いたDへ割り振りました。
確定技
ギアソーサー
ギアチェンジ
ギギギアルを採用する理由の技。確定。
・ギアチェンジ0積み時
H145B106カプ・コケコ 確2 28.9%〜33.7%×2
H131B100ミミッキュ 確2 65.6〜79.3%×2
H145B136カプ・ブルル 低乱1 45.5%〜53.7%×2
H145B96カプ・テテフ 確1 62.0%〜74.4%×2
H185B67ウツロイド 確1 69.1%〜82.1%×2
H149B95雪キュウコン 確1 123.4%〜147.6%×2
・ギアチェンジ1積み時
H145B106カプ・コケコ 低乱1 42.0%〜50.3%×2
H131B100ミミッキュ 確1 100.7%〜119.0%×2
H145B136カプ・ブルル 確1 66.2%〜78.6%×2
持ち物および技候補
以下より選択とします。
きあいのタスキ
タスキで強引に耐えて電磁波を当てる等、ストッパーとして機能することも可能になる。
ギギギアル単体で動ける範囲が増えることから、確定欄はこちら。
残り2枠の技は、電磁波と毒々がオススメ。
電磁波は命中率が90に下がったものの、前述の通り相手の高速アタッカーの機能を低下させられる優秀な技。
毒々は、ギギギアルが物理アタッカーと読んで、受け出てくる物理受けポケモン(特にポリゴン2やバルジーナ)に刺さる技である為。
その他としては、対天候パ対策および襷潰しとしても用いれる、すなあらしも候補となり得ます。
ワイルドボルトは、襷との相性が悪いことから候補外としましたが、起点防止の退場技としても機能出来る為、一考の価値はあります。
デンキZ
主にテッカグヤが重いパーティに採用する場合にオススメ。
ギアチェンジを1回積む必要はあるものの、環境に多くいるHBに特化させていないテッカグヤや、H4メガギャラドスを威嚇が入った状態でも4割強で突破できる可能性を残す等、非常に強力な電気タイプの役割破壊技を放てるようになります。
また、デンキZを採用した際に性格をいじっぱりにした場合、準速ミミッキュや最速スカーフカプ・コケコや最速すいすいキングドラは抜けなくなりますが、ようき時と比較してダメージがおおよそ9%強増える為、H4キングドラが低乱1から中乱1、H4メガギャラドス相手に確1が取れるようになるので、特にメガギャラドスが重いパーティでは一考の価値があります。
単体では積むことが難しい為、壁貼りなどのサポートが出来るパーティであれば、より活躍し易くなります。
確定技以外の1枠目の技は、ワイルドボルト。
残り1枠は、対物理受け用の毒々、交代読みおよび状態異常対策のみがわり、どちらかを選択。
・ギアチェンジ0積み時 ワイルドボルト
H135B121ペリッパー 確1 127.4%〜151.1%
H165B96ニョロトノ 確2 65.4%〜77.5%
H171B99ギャラドス 確2 81.8%〜98.2% ※威嚇込
・ギアチェンジ1積み時 ワイルドボルト
H165B96ニョロトノ 高乱1 98.1%〜116.3%
H171B99ギャラドス 確1 121.6%〜145.0% ※威嚇込
H171B129メガギャラドス 高乱2 46.7%〜56.1%
・ギアチェンジ1積み時 スパーキングギガボルト(Z技ワイルドボルト)
H204B123テッカグヤ 確1 119.6%〜141.1%
H197B142テッカグヤ 確1 107.6%〜126.9% ※育成論サンムーン/44
H203B168テッカグヤ 低乱1 88.6%〜104.4% ※育成論サンムーン/6
H171B129メガギャラドス 中乱1 91.2%〜107.6% ※威嚇込
H151B115キングドラ 低乱1 86.0%〜101.9%
こうてつプレート(メタルコート)
通常では確定に持っていけなかったB4カプ・ブルルを最初から確1に出来る他、ギアチェンジ1積みの状態で、B4カプ・コケコを確1に出来るようになる。
この2体を相手により火力的に安定感を持たせたい場合には、一考の価値有り。
デンキZと同じく、壁貼りなどのサポートが出来るパーティであれば尚可。
残り2枠の技は、毒々とみがわりがオススメ。その他は電磁波や砂嵐。
・ギアチェンジ0積み時 ギアソーサー
H145B106カプ・コケコ 確2 33.7%〜40.0%×2
H145B136カプ・ブルル 確1 53.7%〜63.4%×2
・ギアチェンジ1積み時 ギアソーサー
H145B106カプ・コケコ 確1 50.3%〜60.0%×2
被ダメ計算
最低限のもののみ記載。
珠ミミッキュのシャドークロー+影うちをある程度余裕を持って耐えれる程度の耐久はありますが、耐久にほぼ振っていないこともあるので、変に過信せず、繊細な運用をお願いします。
被ダメ計算の要望があれば、検討の後、追記します。
・A156珠ミミッキュ
シャドークロー 乱2 44.4%〜52.5%
影うち 確4 25.9%〜31.8%
・A156ミミッキュ(剣舞1積み)
シャドークロー 確2 68.8%〜80.7%
かげうち 確3 38.5%〜46.6%
・A200カプ・ブルル
ウッドハンマー 確2 56.2%〜66.6%
・C133キュウコン
ふぶき 低乱3 28.8%〜34.0%
・C147カプ・コケコ
10まんボルト 確2 78.5%〜93.3%
・C200カプ・テテフ
サイコキネシス 確2 53.3%〜62.9%
シャドーボール 低乱2 42.2%〜50.3%
繰り出すタイミング
- 先発(気合の襷時)
- 死に出し、毒技読みの繰り出し
- 壁貼りやアンコール等で起点を作り、繰り出す。
基本的に上記いずれかのタイミングで繰り出します。
起点を作っている際は、ギアチェンジを行い決定力を高めるのが有効ですが、相手は起点を回避しつつギギギアルに有効なポケモンに変えてくる等のさまざまな行動を取ってくると思われるので、パーティ編成などから行動を予測し、臨機応変に立ち回っていくと良いでしょう。
苦手なポケモン
・ガラガラ(R)
・トゲデマル
・ジバコイル
・クワガノン
これらのポケモンには、ギギギアルからの有効打はありません。
そもそもの選出を控えるか、どうしてもギギギアルを出す場合は、後続のポケモンで対策を取るようにしましょう。
相性が良いポケモン
・キュウコン(R)
今作で新たに登場した、起点作りのエキスパート。
特性雪降らしからのオーロラベール(物理特殊の両方を半減(リフレクターと光の壁を同時に貼るようなこと))をすることが出来る以外にも、あられによる襷頑丈潰しなどの確定数変化、相手の積み技に対してのアンコール、S操作技の凍える風と、至れり尽くせり。
あられでギギギアル自身の体力が減ってしまう、という欠点はあるが、キュウコンが苦手な毒・鋼・岩の3タイプをギギギアルは半減で受けられることから、タイプ的にも相性が良い。きあいのタスキ以外のアイテムを採用する際は、非常にオススメ。
・オノノクス
ギギギアルが苦手とするポケモンとして挙げたポケモンに対して有効である地震を用いれるポケモンは数多くいるが、その中でも頑丈や浮遊を貫通できるオノノクスは特に優秀。
ギギギアルが弱点としている炎技、等倍で通る電気技を、半減で受けれる部分も高ポイント。
・カプ・ブルル
ブルルが苦手とする毒技と鋼技を、ギギギアルは半減以下に出来る。
また、ギギギアルが苦手な地震を、ブルルが展開するグラスフィールドが事実上の等倍に抑えてくれる点も優秀。
私的には、ブルルが突破し辛いテッカグヤに負荷が掛けれるよう、ギギギアルの持ち物はデンキZがオススメ。
ブルルと組ませた場合、現環境に少ないとはいえ炎技が一貫してしまうので、後続でのケアがあると、より良し。
※1コメ アストレアさんより提案。
最後に
1月以降に待ち構えているポケモンバンク開放以後は、ギギギアルが苦手なマッハパンチローブシンや、苦手な上にギギギアルがメタる相手に対して更に有利なドリュウズ等々nadoが環境に乗り込んでくることから、再びギギギアルは淘汰されていく運命にあります。悲しい。
このポケモンが輝ける可能性があるのは、間違いなくサンムーン環境のシーズン1、おおよそ12月までです。
是非この機会にギギギアルという不遇不遇アンド不遇ポケモンを、皆さんの手で活躍させてあげてください。
その他指摘や、ダメ計および相性の良いポケモンへの追加要望などがありましたら、コメントまでお願いします。
ここまで閲覧して頂き、ありがとうございました。
☆
こーしんりれき
2016/12/10 02:29:28
育成論投稿。
2016/12/11 15:22:49
相性の良い味方に「カプ・ブルル」を追加。
被ダメに「カプ・コケコからの10万ボルト」を追加。
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