わにと申します。14回目の投稿です。よろしくお願いします。
以下の内容に必ず目を通してください。
- 指定のない限りすべてのポケモンは理想個体を想定します
- HP、攻撃、防御、特攻、特防、素早さをH、A、B、C、D、Sの略称で表記します
- その他わかる範囲の略称を用います
- ダメージ計算はトレーナー天国様のツールをもとに計算しています
- ご質問、ご指摘はコメントにて受け付けます
- 育成論に関係のないコメント、無益だと判断したコメントは予告なく削除します
- 本論はすでに広く認知されている型の補完であることをご了承ください
それでは考察に移ります。
型概要
特殊耐久、流し性能に優れるウツロイドに黒いヘドロを持たせることで居座り性能を底上げし、毒毒、身代わり、守るを併用することで、相手の耐久ポケモンおよびサイクルを崩すことを目的とした型です。所謂、毒みが、毒まも戦術ですね。
毒みが(まも)戦術とは
相手(A※)対面から流し際に身代わりを残し、出てきた相手(B※)に対して身代わりを盾に毒毒を撒きます。
※Aはウツロイドが有利な相手、Bはウツロイドが不利な相手を想定します。
その後、Bに対して有利な味方に交代し、サイクルを1回分回して再びAとウツロイドの対面をつくり、再度身代わりを残します。あとは、再び出てきた毒状態のBの前で身代わり守るを交互に繰り返すだけで、急所などの運要素を排除しつつ突破することができ、Aに対してはもともとウツロイドが有利なので相手のサイクルが崩壊します。
これがサイクル戦における基本的な毒みが(まも)戦術の流れになります。ヒードランに代表される強力な嵌め戦術ですね。被役割対象に対する崩し、耐久ポケモンに対する解答と成り得る戦術です。
この戦術を取る上で重要なのは、サイクルに複数回参加できる耐久と高い流し性能、嵌め性能を維持するための素早さと言えるでしょう。さらにサイクルを回すための味方選びも重要です。
ウツロイドの強みと毒みが戦術との親和性
- 激戦区100族近辺を抜き去る高い素早さ
- 高い特殊耐久と優秀な耐性による流し性能
- 特性ビーストブースト(以下BB)による嵌め範囲拡大
- 高いH種族値(=身代わりが50固定ダメージを耐えることが可能)
- 音技耐性(無妖飛半減)
- 毒状態無効かつ毒毒必中
かわいい
1、2は、毒みが戦術を取るにあたって非常に重要な要素であることは先述した通りですが、ウツロイドと同戦術との親和性はそれだけにとどまりません。
特性BBによりSを上昇させることができれば、身代わり+守るで嵌めることができる範囲がさらに拡大し、また、Hに努力値を割くことで身代わりが地球投げなどのタイプ相性を無視した固定ダメージを耐えることができるため、ラッキー入り受けループなどに対しても力を発揮します。さらに、身代わりを貫通する多くの音技に対しても耐性を持ち、自身は毒状態にならず、こちらの毒毒は必中になる等、毒みが戦術との親和性がとても高いことがわかります。
反面、鋼タイプには手も足も出ないため、鋼タイプへの受け出しが安定するポケモンとサイクルを形成することが重要になってきます。
以上を踏まえ、次項より実際の型考察に移ります。
採用理由・差別化
- 採用理由
- サイクル崩し、対耐久ポケモン
- 対特殊炎、電、草、飛、虫
- 一部積みエース(ウルガモス、霊獣ボルトロス等)ストッパー
主な役割対象は、メガリザードンY、ウルガモス、ヒートロトム、カプ・コケコ、霊獣ボルトロス、サンダー、メガフシギバナ、ポリゴン2、ラッキーなど。
その他、地震を搭載していないオニゴーリに対しても有利に立ち回ることができます。これらが重いサイクル構築の補完、もしくはサイクルの軸として主に採用されます。
毒岩複合という固有タイプと高い特殊耐久、激戦区を抜き去る素早さで他との棲み分けは十分できていると判断したため差別化に関する考察は省略します。
持ち物
- 黒いヘドロ
居座り性能を高め、身代わりを張る回数を増やすために必須。
食べ残しでも同じ効果を得られますが、役割対象であるヒートロトム等にトリックをされることを考慮すると、毒タイプ以外にデメリットを押し付けられる黒いヘドロ推奨です。
味方に食べ残しを譲れることも大きなメリットです。
特性
- ビーストブースト
この特性のみです。
毒ダメージで相手が倒れても発動しないので注意
性格
臆病
仮想敵が100族近辺に集中しており、嵌め範囲を極力広げるためにもS補正推奨。
特性でSを上昇させる目的もあります。
(個人的には控え目や穏やか個体も考察価値があると思っていますが今回は省略)
調整
- 努力値
H164/C92/S252
- 実数値
H205/A52/B67/C159/D151/S170
※イカサマを考慮しA個体値は0〜1推奨
- 調整意図
A:身代わりが一致イカサマ最高乱数以外耐え
H:4n+1かつ身代わりが50固定ダメージ耐え
HD:C143メガフシギバナのギガドレインを身代わりが耐え程度
S:最速(最速102族抜き)
C:余り
H、Sはこの数値にするメリットがたくさんあるので調整の余地はほぼありません。ウルガモスや霊獣ボルトロスへの乱数を少しでも良くするために確定欄は余りを全てCに回しています。
ちなみに余りを全てBに振り切るとA182メガリザードンXのニトロチャージを身代わりが耐え、A166メガボーマンダの捨て身タックルを2耐えします。また、Dに振り切るとC172FCロトムのボルトチェンジを身代わりが超高乱数で耐え、C182カプ・テテフのPF下サイコキネシスを耐えることができます。
この他にも、H実数値を209に引き上げることで、HP満タンの状態から身代わりを連続で張ることができる回数が1回増えるなど、それぞれ恩恵があるので確定欄をベースに各自調整していただければ幸いです。
技構成
- 確定技
パワージェム
ビーストブーストのトリガーとして攻撃技は必須であり、毒技よりも範囲が広いためこの技で確定。炎や飛複合への遂行技としても必須。
H161D125(D+1)ウルガモス:96.8%〜 乱1(62.5%)
H185D135メガリザードンY:116.7%〜 確1
H153D105メガリザードンX:90.1%〜 乱1(37.5%)
H155D100霊獣ボルトロス:92.9%〜 乱1(56.3%)
H197D156サンダー:46.7〜55.8% 乱2(71.5%)
H145D95カプ・コケコ:52.4〜62% 確2
毒毒
耐久ポケモンや呼ぶ地面枠に刺す技。必中なのでとても扱いやすいです。
コンセプト上必須です。
身代わり
ウツロイドの流し性能、特殊耐久が相まって容易に身代わりを残すことができます。
こちらもコンセプト上必須です。
守る
こちらもコンセプト上必須。身代わりと併用することで、毒が有効かつウツロイドより遅いすべてのポケモンを運に左右されることなく倒すことができます。また、対HCメガフシギバナにおいて、光合成とギガドレインのPPを枯らすために必要になります。
ただ、実際は身代わりのみでこと足りる場合も多く、ウツロイド単体の嵌め性能、詰め性能をそこまで重視しないのであれば、この枠を他の技に変更しても良いと思います。
- USM追加要素
イカサマ
USMで新規習得した技。苦手な鋼タイプにも一貫する攻撃手段を得ました。特にギルガルドに対抗する手段を得たことは大きな強化ですね。身代わり→イカサマと動くことでギルガルドを突破できます。
採用する場合はパワージェムもしくは守ると選択で。
H167A70B170ギルガルド:19.1〜22.7% 乱5
H167A170B70ギルガルド:104.1〜123.3% 確1
H181A116B201ナットレイ:11.6〜13.8% 乱8
H183A182B115ガブリアス:31.1〜37.1% 乱3(79%)
論が冗長になることを防ぐため他の技に関する詳しい言及は避けますが、妖や草への崩し速度が速くなるヘドロ爆弾やアシッドボム、味方の補助にもなるリフレクターや毒菱、ステロ、目の前の敵に応じて耐久値を操作できるワンダールームあたりは実際に使ってみて有用性があると感じました。特にワンダールームは身代わりを残すことができる相手がガラッと変わるので使っていてとても面白かったです。
パワージェムorイカサマ/毒毒/身代わり/守るの構成でほぼ確定になると思いますが、コンセプトや構築に合わせて選択してください。
ダメージ計算
論が煩雑になるのを防ぐためダメ計の追加は基本的にしません。
記載のないものは各自計算してください。
身代りが耐える攻撃は太字で記載してあります
- 被ダメ
(特殊)
C147カプ・コケコのEF下Z10万ボルト
70.2〜83.4%
同10万ボルト
36.5〜42.9% 確3
C216霊獣ボルトロスのサイコキネシス
47.8〜56.5% 乱2(82.4%)
※黒いヘドロ回復込み乱2(38.2%)
C222メガゲンガーのシャドーボール
32.6〜38.5% 乱3(98.6%)
※黒いヘドロ回復込み確4
C95クレセリアのサイコキネシス
32.1〜38% 乱3
※黒いヘドロ回復込み確4
同サイコショック
62.4〜74.1% 確2
C172ポリゴン2の冷凍ビーム
19〜22.9% 確5
C205ウルガモスの大文字
20.4〜24.3% 確5
C100オニゴーリの氷の息吹
16.5〜20.4% 乱5
C172ヒートロトムのボルトチェンジ
22.4〜26.8% 乱4
同Zオーバーヒート
30.7〜36%
C232メガリザードンYの晴れ下オーバーヒート
40.9〜48.2% 確3
C143メガフシギバナのギガドレイン
20.4〜23.9% 確5
C195アシレーヌの泡沫のアリア
65.3〜77% 確2
C200カプ・テテフのサイコキネシス(PF下)
99.5%〜 乱1(87.5%)
(物理)
タイプ一致イカサマ(A52で計算)
20.4〜24.8% 確5
A156ミミッキュの影討ち
25.4〜30.7% 確4
同Zじゃれつく
55.6〜65.8%
A222メガハッサムのバレットパンチ
109.2%〜 確1
A200メガリザードンXのフレアドライブ
63.9〜75.1% 確2
A112マリルリのアクアジェット
74.1〜87.8% 確2
A216霊獣ランドロスの蜻蛉返り
20.4〜24.3% 確5
同地震
353.1%〜確1(笑)
立ち回り
仮想敵に対して繰り出し身代わりを展開。上手く流すことができれば後続に毒を撒いてサイクルを回します。このとき相手の後続とのS関係を把握できるので見逃さないようにしましょう。
2回目以降のサイクルは毒が入った相手の前で身代わり+守るを交互に使い、タイプ相性を度返しして相手を一方的に疲弊させていきます。毒で倒し切っても良いですが、余裕があればパワージェムでとどめを刺し、BBを発動させ抜き態勢を整えましょう。
無理にパワージェムを使って狩り損ねると形勢が一気に逆転するので扱いは慎重に。
相性の良い味方
- カバルドン
特殊をウツロイドで受け、物理をカバルドンで受ける並び。水や草が一貫するものの、特性砂起こしによってウツロイドの特殊耐久が1.5倍になるため中火力程度なら余裕で受け出しが成立します。(ちなみに砂下のウツロイドはC特化カプ・レヒレのZハイドロポンプを最大85%に抑え込むほどの超耐久になります)
ウツロイドが苦手とする鋼にカバルドンが強いため非常に強力なサイクルを形成できます。
- テッカグヤ
こちらもウツロイドの相方としてお馴染みのポケモン。相性補完が美しく、上述のカバルドンを含めたカバウツロカグヤの並びが有名ですね。カバルドン、ウツロイド双方が不利を取るポケモン(ナットレイ、カプ・テテフなど)を軒並み相手にでき、宿り木の種によるサイクル補助も強力。
- メガボーマンダ
威嚇によるサイクル補助や羽休めを絡めた持久戦、終盤の抜きエースとしての仕事までこなす超万能メガ枠。低火力水、草、物理炎、闘を受けることができます。メガボーマンダが呼ぶポリゴン2や電気タイプをウツロイドが起点にでき、逆にウツロイドを処理しに来たスカーフ地面枠をボーマンダが起点にできるため相性が良いです。
- ブラッキー
超霊の一貫を切ることができ、物理、特殊耐久ともに高水準。ウツロイドが苦手とするギルガルドやメタグロスにも強いため相性が良いです。願い事によるサイクル補助も可能です。上述のメガボーマンダとの相性も◎
あとがたり
ここまでご覧いただきありがとうございました。
ヘドロウツロイドの育成論はすでに投稿されていたのですが、残念ながら消されてしまったので今回補完として投稿させていただきました。
(ジュナイパー論とドデカバシ論は現在暗礁に乗り上げています。すみません。)
あくまで補完論であるため、今回は少し短くまとめてみましたが、いかがだったでしょうか。この育成論が何かの参考になれば嬉しいです。