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白き闇・黒き光〜殺し屋物語〜

著編者 : 窮爽

番外章  君

著 : 窮爽

イラスト : 窮爽

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「……」

俺は墓の前で手を合わせる。・・・今日はあいつが亡くなった日だから。俺は静かにあの謎に満ちた出来事を頭によぎらせる。

「…またな。」

俺は微笑みながら墓に話しかけた。そして、真っ青な空を見上げる。…あいつは空からいつもの元気な笑顔で俺のことを見ていてくれているのだろうか…

…また来るからな。


「……」

俺は墓の前で手を合わせる。…今日はお盆の日だから。俺はあの時の悲しみや絶望を頭によぎらせる。

「…大丈夫だ。うん。」

俺はさみしげにそうつぶやく。そして、真っ青な空を見上げる。…あいつは空から情けない俺をいつものように男らしくないって指摘しているのだろうか…

…ほんとだよな。


「……」

俺は墓の前で手を合わせる。…今日はあいつの誕生日だから。おれはあいつとの思い出を頭によぎらせる。

「…誕生日おめでとう。…誕生日プレゼントな。」

俺は微笑みながらそういい、あいつが好きだった欄の花を墓に添えた。そして、真っ青な空を見上げる。…あいつは空から俺の誕生日を祝ってくれているのだろうか…

…おめでとう。


「……」

俺は墓の前で手を合わせる。…今日はクリスマスだから。俺はあいつと過ごしたクリスマスの思い出を頭によぎらせる。

「…メリークリスマス。…プレゼントだ。」

俺は微笑みながらそういい、箱の中からオルゴールを取り出して、墓に添えた。俺はオルゴールを動かした。美しい音色が墓地に響き渡る。そして、俺は雪の降る空を見上げる。…あいつは空からクリスマスを眺めて楽しんでいるのだろうか…

…メリークリスマス。


「……」

俺は墓の前で手を合わせる。…今日は大晦日だから。俺はあいつと幼いころ一緒に見た朝日の出を頭によぎらせる。

「…もうすぐ新年。来年もよろしくな。」

俺はそういい、もう一度手を合わせる。そして、満月を見上げる。…あいつは空から年明けのカウントダウンをしているのだろうか…

…新年もよろしくお願いします。


「……」

俺は墓の前で手を合わせる。・・・今日は正月だから。俺はあいつとの正月での思い出を頭によぎらせる。

「…明けましておめでとう。…今年もよろしく。」

俺はそういい、あいつ宛への年賀状を墓に添える。そして、朝日の光を浴びた空を見上げる。…あいつは空から新年を祝っているのだろうか…

…明けましておめでとうございます。


「……」

俺は墓の前で手を合わせる。…相談したいことがあったから。俺は今回の事件の数々を頭によぎらせる。

「…一昨日、チャンピオンが勝手に逃げ出したんだ。いつものように早く帰ってこない。しかも、部屋の荷物も残さずに。困ったもんだよ。…あの人がいないと、俺の立場がわかんなくなるよ…俺の仕事なんだよ・・・」

俺はそういい、顔をうつ向かせる。すると、風が吹いてきた。強くて、痛かった。でも…どこか懐かしい感じがした。…あいつ、俺に怒ってんのかな…俺はそう感じた。すると、風は弱まった。それと同時にクリスマスで添えたオルゴールが流れ始めた。まるで、音が風に乗って俺の周りを走っていくように。優しい、また懐かしい感じがした。…あいつ、俺のこと励ましてくれてんのかな…俺はそう感じた。そして、立ち上がって真っ青な空を見上げる。…あいつは空から俺のことを見てんのかな。…いや、見てる。…そう信じたい。

俺は墓から出ようとした。すると―

…諦めないで…

「…!」

俺はとっさにあいつの墓を見た。でも、そこには誰もいない。
…あの声はどこか優しくて、でも勇ましくて…
一瞬空耳かと思ったけど…

あいつがお得意の笑顔で元気づけてくれてる…そう信じたい…

俺はそうそう感じた。歩きだすと、風が吹き、まるで俺の背中を押しているような、そんな感覚だった。


…菜穂、ありがとう…
俺は…今こうして生きている。今、こうして動ける。変えられる。…だから…約束する。

…この事件を解決する一人として、絶対役に立ってみせる!解決してみせる!あの人がいなくても…自分がいる限り!

俺はそう心に誓った―

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「…?…夢か…」

目が覚めると、そこはベットだった。
確か、ありかさんに寝ろって言われたんだよな…
俺は思い出すと、ベットから降りて、机の上にあるあいつとの写真を手に取った。

「…よーし…今日も仕事に行くか…約束…守るからな…」

俺はそういい、写真を机の上に戻す。そして、部屋を出た―


綾太はこの時気付いていなかった。カーテンを閉めたその先の窓に―

頑張れ〜!\(^o^)/

と、手でなぞって、書かれていたことに…その文字は薄れていき、消えていった。

…これは彼女が書いたものなのか…それは自分の胸にそっとしまっておくことにしておこう…

番外章  君

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2011.4.8  14:28:46    公開
2011.4.8  14:46:33    修正


■  コメント (3)

※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。

菜穂については「恨み、穴二つ」を読めばわかります!
安藤「そちらもよろしくお願いします。」
そうそう。
コメ&応援ありがとうございます!それでは!

11.4.8  18:26  -  窮爽  (monoraru)

こんばんは〜
菜、菜穂!?まさか、安藤さんは彼女が居たんですか!超驚いてますっっ((ぇ;
ん〜。頑張れに絵文字つき・・・一体誰が
書いたのやら・・・もしかして寝ている間に寝ぼけて書いたとか!?((ないない
それでは、風鈴さん・すみれさんも頑張ってください!!!

11.4.8  18:21  -  papiko  (papiko)

番外編です。
安藤さん視線です^^
それでは!

11.4.8  14:29  -  窮爽  (monoraru)

 

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