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白き闇・黒き光〜殺し屋物語〜

著編者 : 窮爽

第十二章  天気

著 : 窮爽

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バン!
「ふぅ〜。危なかったね…よっぽど悪戯好きなポケモンだね。」
「…いたずらにしては度が違いすぎないか…?」

朝日の言葉に有氷はため息交じりに言った。そして、手にある銃を腰に戻した。目の前には花瓶の破片が散らばっている。突然花瓶がこちらに向かってきたのだ。これだけではない。何度もこんなことが起きている。

「早く見つけないと〜…」
「こんなにも見つからないとはな…」
「広いからねー…」

2人はうんざりするように言った。すると、目の前にゲンガーが現れた。

「ケケケッ!見つけたぜぇ。」
「どこだ。」
「え?見つかったの?」

ゲンガーは笑いながら言った。有氷は居場所を尋ねた。朝日はゲンガーの声こそわからなかったが、有氷の発言からなんとなく言葉を理解する。

「ケケケッ!付いてきなぁ。」

ゲンガーはそういうと、ふわふわと浮きながら進んでいく。2人はゲンガーの後をついて行った。ゲンガーが止まったのは1つの部屋だった。すると、ゲンガーは言った。

「結構やばいかもしれないぜぇ?」
「…どういうことだ。」

ゲンガーの言葉に有氷は尋ねた。

「ヒトモシとランプラーとシャンデラがいるんだよなぁ。」
「…それは少しまずいな。」
「え?え?何?」

ゲンガーの発言に有氷は呟く。それに朝日は有氷に訊いた。

「…ヒトモシ、ランプラー、シャンデラって言うポケモンは人間やポケモンの生命エネルギーを吸い取っていく。」
「生命…エネルギー…?」
「まあ、簡単に言えば寿命って所だな。そのポケモンたちは生き物の寿命を吸い取っている。その証にそれぞれついている炎が大きくなる。さらに、霊界への案内人とも言われている。」
「えぇ!?うーん…で、でも…ポケモンってことには変わりはないんだよね?だったらお仕置きして、脱出しなきゃ!私も行く!」

有氷の話に少しおびえた様子だったが、朝日は意気込むようにして言った。そして、2人は部屋の中に入る。しかし、そこには誰もいない。すると、ゲンガーは部屋の中心に行く。

「ケケッ!ここは俺に任せなぁ。」
「…分かった。」

ゲンガーはそういうと、構えた。

「ケケッ!さっさと出てきなぁ!悪の波動!」

ゲンガーは悪の波動を繰り出した。悪のリングはあたりに飛び散った。すると―

「ヒットト!(うわわ!)」
「ランプー!?(何だ!?)」
「シャンシャー!(誰だ!)」

ポケモンの鳴き声と共にヒトモシ6体、ランプラー3体、シャンデラが現れた。

「ケケケッ!こいつらさぁ。いっちょ、暴れるかぁ。」
「…朝日。」
「わかってる!出てきて!オノノクス!」

朝日はオノノクスを繰り出した。

「ゲンガー、催眠術。」

ゲンガーは催眠術を繰り出した。ヒトモシ達、ランプラーたち、シャンデラは眠りにつく。

「オノノクス、竜の舞から逆鱗!」

オノノクスは竜の舞から逆鱗を繰り出した。それは見事にヒットする。それと共に眠りから覚めた。そして、10体はシャドーボールを繰り出した。それは壁に当たる。すると、そこから靄のかかった空間が現れる。そして、強烈の風がそこに吸い込まれていく。2人と2匹は飛ばされぬよう構える。すると―

「ひゃあ!」

そんな力の抜けるような声と共に男性が現れた。男性はやつれており、元気がなさげだ。有氷は男の腕をつかむ。

「朝日、同時に攻撃だ。ゲンガー、シャドーボール。」
「オノノクス、逆鱗!」

2匹は同時にシャドーボール、逆鱗を繰り出した。2つの技は10体にヒットする。そして、シャンデラだけが残った。シャンデラはシャドーボールを繰り出した。

「ゲンガー、こちらもシャドーボールで向かいうて。」

ゲンガーもシャドーボールを繰り出した。2つのシャドーボールはぶつかり、ゲンガーのシャドーボールが圧倒的な威力で押し、シャンデラにヒットする。シャンデラは戦闘不能状態になった。ランプラー達がシャンデラを担ぎ、ヒトモシはそのままどこかへと消えさってしまった。すると、穴の開いていたところもふさがり、もとに戻る。

「ふぅ〜。何とかお仕置きで来たね。その人、顔色良くなったね。」
「この人はシャンデラ達に生命エネルギーを吸い取られていたらしいな。その証に顔色も良くなっている。…ロビーに戻るか。」

有氷の言葉に朝日は頷く。男性は気を失ったままだった。有氷は男性を背負い、2人は入口へと戻る。そしてしばらくして―

「…う、うわあぁぁ!ヒトモシ達!やめろぉ!…って、あれ?」
「大丈夫。ヒトモシ達は私たちがお仕置きしたから!」
「……」

男性はうなされるように目覚めた。朝日は励ますかのように元気よく言った。有氷は先ほどの出来事を話した。それを聞いた男性は嬉しそうにしていた。

「そうだったのですか…あ、私はここの元研究員の梁川 博昭と申します。」
「私は朝日。この人が―」
「有光氷殺。有氷でかまわない。」

朝日はついでに有氷の名前も言おうとしたが、有氷は先に名前を名乗った。

「で、なぜこんな所に。」
「えー、それはですね…この研究所を使わなくなって、トクサネシティで宇宙と共に気象の研究をしていたんです。その時に気象についての資料がここにあることを思い出し、ここまで取りに来たのですが…」
「ヒトモシ達に襲われた。」
「そうです。それはもう3日前でしたよ…」
「えぇ!?3日も前も!?」

梁川の発言に朝日は驚いた。どうりであんなにやつれているはずだと感じた。

「あなた方は?」
「レインコートで行こうにも危ないから雨宿りをしていたの。」
「あぁ。それだったら、こいつに任せてください。出て来い、ソルロック!」

梁川はそういいながらモンスターボールを投げた。そこからソルロックが現れた。梁川とソルロックは外に出た。2人も外に出る。

「よし!ソルロック、日本晴れだ!」

ソルロックは日本晴れを繰り出した。すると、雨はやみ、代わりに暖かい太陽が顔を出した。

「うわ〜!さっきまでの大雨が嘘みたい!ありがとう!」
「…助かった。」
「いえ。これがお礼になるのであれば。戻れ、ソルロック。」

梁川はそういい、ソルロックをモンスターボールに戻した。すると、ハッとした顔をした。

「そうだ!お2人にもう一つお礼を!まずは朝日さんから。」
「なんだろう?」

梁川は懐をごそごそとしている。朝日はわくわくしながら待っていた。そして取り出したのは―

「モンスターボール?」
「はい。この中にいるポケモンは卵から生まれたばかりなんです。あなたならこの子を上手に育てられそうですから。出してみてください。」
「ありがとう!誰だろう?よ〜し!それっ!」

朝日はモンスターボールを受け取り、高く投げた。そこから現れたのはポワルンだった。ポワルンは外に出ると、白いテルテル坊主のような姿から晴れの姿と変わった。

「ポワルンは天気によって姿が代わるポケモンなんです。晴れ、雨、雪の姿に変わるんです。この姿は晴れの姿ですね。」
「ありがとう!大事に育てるよ!ポワルン、よろしくね!」
「ポワー。(うん。)」

朝日はそういうと、ポワルンをモンスターボールに戻した。そして、梁川は懐から何かリモコンのようなものを取りだした。

「有氷さんにはこの天気予想装置。日付と場所を検索して、その日の天気の様子を調べることができます。」
「ありがとう。」

有氷は一言いい、装置を受け取った。そうして、梁川と別れ、2人はヒワマキタウンへと歩き出した。そして―

「あ!見えたよ!どうするの今日は?雨が降ってきても困るし…」
「・・・今日はポケモンセンターでいいか。職業が気づかれないように慎重にな。」
「うん。」

2人はヒワマキタウンにたどり着いた。有氷はバッチを取り、2人はポケモンセンターへと向かった。そして、その日を終えたのだった―

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2011.4.11  19:45:46    公開


■  コメント (5)

※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。

ユランさんへ
そんな体験をしたんですか!?怖い…><
有氷はもう朝日の言うことがなんとなくわかっちゃったようです^^
朝日「何で〜?」
有氷「…まあ…いろいろと…」
あー、有氷、お前そんなに嫌なのか…ちゃん付け…
ポワルンってかわいいですよね!ほのぼのって言うか…!
コメありがとうございました!それでは!

11.4.11  23:19  -  窮爽  (monoraru)

こんばんは〜
怖いですね(。_。;)勝手に物が動くとは
私も停電中にマッサージ椅子が動いたりとか、そういう恐ろしい事を経験しました((ぉぃぉぃ;
おぉお!?私のゲームの主人公は寿命が縮むな・・・シャンデラいるし((そういう意味かいっ
そして有光氷闇はありかが言うことを察して、先に名前を名乗るとは・・・素早い判断!!((感心(泥爆弾よけ
トリトドン「ちっ外れたか」
おぃ!!卑怯だぞ、そういう意味の判断力じゃねぇし^^;
そしてポワルン良いですねぇ><
私は晴れの時の姿が可愛いと思います!((ぇ;
それでは、続き読みますね〜

11.4.11  21:21  -  papiko  (papiko)

そよかぜさんへ
ジュペッタかヨノワール…うーん…
シュカイン「そこで悩んでたらシャドーパンチ来るぞ。」(汗
へ?大じょ―(シャドーパンチ
ポワルンはほんと懐かしいですよね!なんだか、天気研究所だったらポワルン!ってイメージが付いちゃってww
増えていきます!(多分
コメ&応援ありがとうございます!それでは!

11.4.11  20:16  -  窮爽  (monoraru)

風鈴さんこんばんはwまたきました
瑠璃「シャンデラって怖いな・・ダクレスはまだかわいいがな」
望雅「ダクレス?ジュペッタのことですか?ヨノワールのほうが前々いいですネェ?」
何けんかしてるんだ!?
ポワルン懐かしいですねww 朝日の二体目ですね^^
これからどんどん増えていくんでしょうねきっと・・
頑張ってくださいね!!でわノシ

11.4.11  20:09  -  harumi  (34sykm)

さあて、久々の部屋です!ホント久々ですね〜。
えー、それでは!

11.4.11  19:46  -  窮爽  (monoraru)

 

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