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「……」

夜中、俺はなかなか眠れずにいた。

　　　　　　　　　　　　　　　　　『友達のためか？』

ソウトの言葉が引っかかって眠れなかった。

「……港にでも行くか…」

俺は部屋から出て、港に向かった。
…昼とは違って誰も居ず、ただ海の音だけが聞こえた。

「……」

あー…あの事も思い出してしまった…

　　　　　　　　　　　　　　　　　『夢がないね。』

…１０年前、幻影をやめた奴に言われた言葉。
…夢なんて見てどうする。

　　　　夢なんて弱い奴が逃げる理想の現実逃避の世界なんだよ…

…友達の事や夢が無用だという事は父親から言われ続けられていた。…だけど

「…別に尊敬なんてしない。…戻れって言われて戻らねぇよ。」
「へー。」
「お前か…」

後ろからそんな声が聞こえ、振り返る。そこにはすみれが居た。

「なんか、全部声に出てた。」
「マジか……というか、何で居るんだ。」
「なんか、物音がしたから。」

すみれは一言で終わらせる。
…面倒なこと訊かれたな…

「…ま、別にそんな追究しないし。人それぞれだし。…困ってる様子ないし。じゃ。…求めてるものが分かればいいと思う。」
「は？」

それだけかよ…すみれはそのまま立ち去った。
俺は海のほうを眺める。

「…俺が求めているモノ…」

…それは、ゼクロムとレシラムの謎・・・…

…それ以外に何かあるのか…？

「…俺の…答えか……？」

……父親に言われた事が正しいのか……俺が見てきた奴等は…それがすべての人間と一緒なのか…
…この旅のついでに探してみるか…
俺はポケモンセンターの部屋に戻り、眠りについた。
その後の明け方の特訓。そして朝食。
何もかもが意味ありげに思えてきて、３人との会話もまともに頭に入らない。
・・・いつも通りだ。いつも通りにやっていけば…
俺はそう自分に言い聞かせながら３人と４番道路を歩きだした―