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「今日は何処に行くの？」
「うーん…何処に行こうか…」

翌朝、家にあった『お出かけスポット！』…という本を見て何処に行こうか私は考えていた。
利明はワクワクしたように尋ねてくる。

「うーん…あ、ここは？」
「ダイソンタウン？」

ぺらぺらとページをめくり、ふと目に入ったページを指差した。
利明はそのページを見て街の名前を呟く。

「ケケッ！良いじゃねぇか！」
「お前にしては随分乗り気だな」

ゲンガーの反応にフーディンは珍しげに言う。・・・確かに…今までは面白おかしげって感じだけど…
今回は本当に楽しみにしてそうだなぁ…

「ケケッ！フーディン君、この間言わなかったかな？ダイソンシティの島の１つに、この俺、ゲンガー様の元住処があるのさぁ！」
「あ、そうですか。はいはい」

自慢げに言うゲンガーに対し、ルイは興味なさげに言う。
…何だか、日に日に喧嘩が多くなっているような…

「で、どんな場所？」
「えっとね…海があって、ビーチもあり…観光客などでにぎわってる場所なんだって！」

利明に尋ねられ、そのページの文章の一部を読む。その瞬間、利明は眼を輝かせた。
海って楽しいもんね！

「フーディン、今日もよろしく！」
「あぁ、分かってる」

私の言葉にフーディンは頷く。そして、テレポートを繰り出した。
気づけばそこは浜辺だった。

「すっごい人ねー！」
「うん。海も綺麗だし…いい天気だし！」

利明の言葉に私は海に目をやりながら言う。
そこには青い澄んだ色の海が広がり、それを真っ青な空と白い入道雲がかざどっている。
うーん…潮風が気持ちい！

「ケケッ！んじゃー、俺はちょっくら出かけてくるわー」
「え？あ、うん」

ゲンガーはそう言いながらフワフワと浮いて何処かへと行ってしまった。
…ま、いっか！

「僕はそこら辺を周っていましょうかねぇ」
「あんたって何気にノリ悪いわよね」

ルイは利明のそんな言葉も気にせずどこかへと行ってしまった。
…自由人だなぁ…

「私は日陰に居るとしよう。…暑いからな」
「あぁ、そう。じゃ、私は潮風なんかを楽しもうかしら」

フーディンは一言いい、建物の日陰に入った。利明はその宙に浮いた状態のまま、向こうの海面の上に行く。
利明はそこから少し海面に足をつける。気持ちがよいと言わんばかりの満面の笑みを見せた。
…楽しんでくれてよかったなぁ…やっぱ、夏と言えば海よね！
…あー、水着持ってくればよかったなぁ…泳げたのに。

「…ソフトクリームでも買おっかな」

私は近くにあったソフトクリーム屋に行き、バニラ味を買う。
ほのかな甘さが口の中に広がり、ひんやりとした冷たさがサッパリとする。
うーん！ソフトクリームはやっぱり良いよね！シャーベットとか棒アイスとか、かき氷なんかよりも美味しい！
いつかはイッシュのヒウンアイスを口にしたいと夢見ている私である。

「ルッちゃんはソフトクリームマニアですかねぇ」
「ふぁふぃふぉ！ふぃふぃふぁふぃ！（何よ！いきなり！）」

突然近くのベンチに座っていたルイがニヤニヤしながら言って来た。
私は言葉を放つが、ソフトクリームが口に入っていたので上手く話せない。

「いや？知り合いでシャーベットマニアがいた事を思い出しましてねぇ？」
「へぇ…」

ルイの話に私は頷く。シャーベットマニアって…

「で？ちなみにあんたは何か好きなお菓子でもある訳？」
「いえ？菓子は嫌いですからねぇ。しかも、丁寧に菓子如きに「お」をつける必要性は無いと思うし」

ルイはそうきっぱり言い放った。…口調が…というか、菓子如きって…というか、紅茶と言えばお菓子じゃないの？
…個人の意見だけど
それをわたしは口に出さず、黙っていた。…下手に言ったら呪われるかもだし…
その後、私は浜辺を歩いていた。…向こう側から利明がやって来る。

「夏と言えば海よね。やっぱり。暑いのも忘れちゃうわ」
「分かる！それ！つい暑いの忘れちゃって、夢中になっちゃうんだよね！」

利明の言葉に私も同意する。…何だか、話が合うなぁ…
その後、私は時間が過ぎるのもを忘れ、利明と夢中になって話していた。
そして、気づけば夕方になっていた。ゲンガーも戻ってきて、私達はフーディンで神社に戻った。
私達はこうしてその日を終えた―