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闇夜に届く声

著編者 : 窮爽

第ニ夜 突如の朝

著 : 窮爽

イラスト : 窮爽

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ジリリリリリリ…ピッ
「ふぁ〜…良く寝たぁ…」

朝―
私は鳴り響く目覚まし時計を止め、眠い目をこすり、むくりと起き上った。
…今日もお父さんの手伝いしないと…
私はふすまを開け、巫女用の服を取りだした。
私はいつも神主の御父さんの手伝いをしている。
手慣れた手つきでサッと着替え、髪を整える。
よしっ、完璧!

「おつですねぇ」
「ありがとー!」

…ん?
私はその声に返事するが、その後すぐに疑問が浮上した。
…この部屋、私だけだよね…?私は後ろを振り返った。

「ん?なんですかねぇ?」
「………」

…………んん??

「あ!居た!!あんた!!何で神社!?厄払いのつもり!?はめたの!?」
「朝から騒がしいですねぇ。失礼な。はめたわけではなくて、本当になんとかなると思って連れて来てあげたんですよ?」

男の人とキレた様子で来た女の人は平然と話している。
……えっと?この人達は…どっかで見た事ある様な…
…あ…向こうが透けて庭が見える…という事は幽霊だよね。うん。

「…何方様で??」
「貴方が名乗る前に行ってしまったんですがねぇ。僕はルイ。そして、こちらが利明さんなんですねぇ通称、リっちゃんでよろしいですので?貴方はどうなんですかねぇ?」
「だーかーら!!私はリっちゃんじゃないって!!」
「えっと、瑠夏(ルカ)です」

ほぼ放心状態の私が尋ねるとルイさんって言う人が紹介して、利明さんはキレた。
私も自己紹介する。
?何処かで会ったっけ・…?みた事はあるような気がするんだけど…

「どっかで会いましたっけ?」
「おや?もう忘れてしまったんですかねぇ?昨夜、言ったでしょう?リっちゃんが未練があってあの世にいけないので見える貴方が手を貸してくれって。貴方はそれを了承してくれましたけどねぇ?」

私が尋ねるとルイさんはそう答えた。利明さんはため息をついてみていた。
……あ。

「あのですね…私はあの時寝ぼけてて…しかも、そう言う幽霊の手助けとかやった事が無いわけなんですよ。はい…だからー…」
「無かった事にしてくださいと?」
「は、はい…」

ルイさんが私の言おうとした事を見抜き、私は頷いた。
だって…手助けなんてできないって…

「別にいいんじゃない?私、別に手助けしてくれなくて『出来ませんねぇ?』」

利明さんの言葉を遮り、ルイさんはニッコリ笑って断言した。
えぇ!?

「無理無理無理無理無理無理!!!!絶対無理!!」
「あんた何勝手な事言ってんの!?」
「だって、僕はそれでは気がすみませんからねぇ?」

私が断り、利明さんは怒鳴る。ルイさんは何か企んでいる様な笑みで言った。
正直寒気がし、背筋がゾクリとする。

「それともなんです?このままお払いしてもらいますか?リっちゃん」
「うっ…」

利明さんは言葉を詰まらせた。いや、いっそして貰おうよ!?

「…よし!じゃ、あんたに頼むから!!」
「えぇ!?」

利明さんまでもが私に頼ってきた。ちょ、さっきまで断ってたじゃん!?
何か…ムカついてきた…

「どうするんですかねぇ?ルッちゃん?」
「ル!?……」

ブチッ
私の中で何かが切れた。

「私はルッちゃんじゃない!!というか、無理だって言ってるじゃん!!」

私はそう怒鳴った。無理だっての!!しつこい!!

「瑠歌、朝から騒がしいぞ…ん?」
「あ、えっとー…」

そこにタイミング悪くお父さんが来てしまった。
御父さんは2人に気付く。ど、どうしよー…



「…そう言う事なら瑠歌、手助けしなさい」
「はぁ!?御父さんまで何言って!?」

お父さんにもう事情を話すしか選択肢が無かった。
御父さんは手伝う様に言って来た。何故!?

「瑠歌、もうお前が昨夜寝ぼけていようがハイと答えてしまっのなら仕方ない。それが礼儀というものだ」
「うっ…それはぁ…」
「心がお広い方ですねぇー?」

御父さんの説得に私は言葉を詰まらせた。
ルイは私を見ながら言ってくる。いつの間にか呼び捨てだけど、別に構わないと思う。
…だってイラつくし。

「うわー…なんか、嫌味ったらしいわね…」
「そうですかねぇ?」
「そうだって!」

利明さんの言葉に私は同意した。この人、友達いなかったでしょ!?絶対!!
と、感じている所に巫女のお姉さんがやってきた。

「未弩(ミド)さん、お客様がお出でです」
「ん?安藤さんかな?私は部屋に戻っているから、部屋に来てくれと言っておいてくれ」
「分かりました」

巫女の人はそう頭を下げると、戻って行った。御父さんは立ちあがって行った。

「度が必要なのであればお父さんが許可する。だから、未練を果たしてあげなさい」
「うぅ…分かったわよ…」

御父さんの言葉に私は頷く事しか出来なかった。御父さんはそれを確認すると、部屋に戻って行った。
…はぁ…

「安藤さん、確かここ、リンキョウシティ出身でしたねぇ。未弩さんと知り合いなんですかねぇ?」
「え?ルイ、安藤さんと知り合いなの!?」
「そうですが?」

ルイの言葉に私は意外性を感じた。
ホントに!?友達いなさそうなのに!?
安藤さんというのは子供のころから御父さんがいるこの神社によく来ていたらしい。
…一回、見た事はあるけど直接話した事はない。

「じゃ、よろしく頼むわよ?」
「え?」
「そうですねぇ?」
「…あんた達のせいだからね!?」

私はそう言って2人に怒鳴った。
あぁ…どうなるんだろ…これから…

第ニ夜 突如の朝

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2011.7.10  22:31:32    公開
2011.7.11  22:16:52    修正


■  コメント (2)

※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。

ユランさんへ
え!?そうなんですか!!きっと仲良く出来ますよ^^
コイツ…本当に何考えてるのやら…(汗
ルイ「そう怯えなくてもねぇ?」
利明「いやいや、幽霊の私でも怖いわ(汗」
うんうん!!
まさかの安藤ですよww
瑠歌「会った事無いんだよねー」
いつかね…
コメありがあとうございました!それでは!

11.7.11  18:51  -  窮爽  (monoraru)

こんにちはw
巫女さんだって!?((((汗
わたしもHPで連載している作品が巫女さん主人公なんですよ!仲良くできるかなッ……((まだこっちで連載してないけど!?
ルイさんww
いったい何を考えているのやらとかってハラハラしてます^^;安藤さんか……よく神社に……((想像中
うーんこれからさきも期待ですね!
それではノシ

11.7.11  14:29  -  harumi  (34sykm)

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