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闇夜に届く声

著編者 : 窮爽

第九夜 天に上がる花

著 : 窮爽

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「ねぇねぇ!今日は何処行くの?」
「な、なんかテンション高いね…」
「そうなんですよねぇ。朝っぱなから五月蝿いったらありゃしない」

翌朝、利明は凄く楽しげに尋ねて来た。私は資料を手に少し驚いていた。
ルイはやれやれとため息交じりで言った。
…楽しいって事だよね。…そう言えば…満足したら利明は逝くっちゃうんだよね…
ちょっと寂しいかな…

「?瑠歌ー」
「あ、ゴメンゴメン!今日はリキアスタウンの花火大会!」
「ケケッ!そりゃあ祭り騒ぎって事だなぁ?」
「花火か…」

ボーっとしていると利明に話しかけられ、ハッとし、今日の予定を言う。
ゲンガーとフーディンは懐かしそうに言う。
…街が壊れてから約一年。すぐに…早く元のリキアスタウンに戻せるように全国から協力があって、復旧は無事成功。
今日はその復旧を祝して花火大会をするそうだ。

「へ〜、花火かぁ…それは楽しみね!」
「久しぶりですねぇ。花火だなんて。何年か見てませんでしたしねぇ」

利明は目を輝かせて言う。ルイは微笑むようにしていった。

「夜からだけどそれまでどうする?場所は近くの草原なんだけど…」
「リキアスタウンに行っておいて、ぐるっと周ってみてはどうだ?それに、草原は中々居ていて楽しいぞ」

フーディンは自信ありげに言う。へぇ〜…そうなんだ…

「じゃ、そうしよう!利明もそれでいい?」
「えぇ」

利明も頷き、OK!
フーディンのテレポートでリキアスタウンに向かう。
そこはニュースで見たときとは全く別の風景だった。
人が賑わい、立派な建物も建ち、公園では楽しげな声が聞こえてくる。

「死ぬ間際に来た時よりも賑わってるような気がするわ。花火も期待できそうね!」
「そうだよね!」

利明の言葉に私も同意する。
やっぱり今日花火があるから色んな人が集まってるんだね…

「ケケッ!こりゃあ盛り上がるぜ!」
「そうだな。…さて、周るか」
「貴方が一番楽しみにしているんでしょうに?」

ゲンガーの言葉にフーディンも同意する。ルイはニヤニヤ笑いながら言った。
ハハ…
私達は予定の時間まで街を周った。草原も風が心地よく、気分がすっきりスッキリするようだった。
そして予定時間―

ヒュ〜……ドン!

「た〜まやぁ〜!」

花火大会が始まった。大きな花火が夜空をかざどる。
私は大きな声で叫んだ。声は人々の歓喜によってかき消される。凄い熱気だなぁ…

「凄いわね!大声で話さないと会話できないわね!」
「そりゃあこれだけの人だもん!花火も凄いしね!」

利明と私はそう楽しげに会話する。やっぱり花火は誰でも楽しみだよね!

「ほぉ…良い花火だ」
「ケケッ!こりゃあ楽しいじゃねぇか!さて?人混み嫌いのルイ君はどうかねぇ?」
「ウザったいですねぇ?…まぁ、良いと思いますよ?」

フーディンが放心したように呟く。ゲンガーは楽しげに言い、ルイは表情を変えずに言った。
…何だかんだ言っても楽しそうじゃん!
そんな感じで花火大会は盛り上がり、最後は巨大花火で幕を閉じた。
神社に戻った後―

「楽しかったわ!満足!」
「よかったぁ!」

利明は今までにない満面の笑みで言った。私は笑顔で返す。
…と、窓際に巨大なろうそくが!

「あの、どうもー…」
「?ヒトモシ…?」

…ろうそくじゃなかった・・でもある意味ろうそくだよね…
そこに現れたのはヒトモシだった。私たちが気付くと、ヒトモシはちょこちょことはいって来る。

「ケケッ?どうしたんだぁ?見かけねぇ顔だが」
「あの、迎えに来たのですが…」
「ん?迎えに来た?誰を?」

ゲンガーが尋ねるとヒトモシはそう答えた。
私が首をかしげるとヒトモシは利明の方に目をやった。
…え!?

「もう、未練が消えていらっしゃったので…」
「あぁ、聞いた事がある。ヒトモシは魂を天に送り届けるという話」

ヒトモシの言葉にフーディンは思い出したかのように言った―

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2011.7.13  23:02:31    公開


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