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四葉のクローバー
第五話 進路変更
著 : キノコ13
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そうしてこうして僕たちは早速シンオウへと旅立った。問題なのはどうやってシンオウへ行くかだが、顔が広いメタ具にとっては屁でもなかった。知り合いの中にクレベースがいるらしく、彼にシンオウまで運んでもらおう、と言うことらしい。事前に連絡は取ってあるので、あと一日たてばここへ来るらしい。
しかし、一日待っても全然来る気配はしない。昼まで待ってみたものの、本当に来ない。
「どうする?」
僕はメタグロスにしか聞こえないように言った。
「俺もわからん。いざとなったら人が使う船とかにでも乗って行くしかない。」
いつもはゴリ押しでなんとかするメタ具も、今回ばかりは顔をしかめた。
結局、ポケモンも乗っていいフェリーかなんかに野生のポケモンだと気づかれないように乗った。
「そういえば」
船酔いのせいか、顔色がとんでもなく悪いライが口を開いた
「この船は、ちゃんと、シンオウへ、行くんか?」
するとメタグロスが口を割った。
「正直、わからんが多分ホウエン地方行きだと思う。」
僕含め、みんながっかりした顔をしたが、リアだけは違った。リアはというと、海の景色を単純に楽しんでいて、メタ具の話なんかは、もはや彼の耳には届かなかった。
そうして、船の旅が終わると、ライはもう船なんて一生乗りたくないとでも言うかのように、真っ先に降りた。それに続いてメタ具が降り、僕とジラーチはもしかしたらシンオウ行きのフェリーかもしれないという希望を打ち砕かれながら降り、最後にリアはハッともう付いたことに気付き、海の景色を惜しむようにして降りた。
「ようし、先へ進もう!」
やる気満々の状態でメタ具は言った。メタ具もリアと同じようにホウエンに付いてしまったことについてはあまり気にしていないように見えた。
しかし反対にジラーチは不安そうな表情をしていた。
大丈夫かと聞こうとも思ったが、聞く前に理由がわかった。
その夜、夜中に起きるとなにやらメタ具が何かを作っているのが見えた。
「何作ってるの?」
僕はまだ開けたばかりの目をこすりながら言った。
「あれは覚えてるか? あの異世界へ移動できるやつ。あれを小型化してるんだ。ほら」
とメタ具は僕の手ぐらいの大きさのものをドヤ顔で見せた。
「1号の仕組みは、俺もよくわからねぇけど、特殊な金属の輪の間に時空を歪ませるんだけど、これは特殊金属の代わりに地面に含まれる物質を吸い上げてそれを輪にしてるってわけだ。まだ完成はしてないけど。」
まだ眠かった僕だが、それでもすごいというのはわかった。
改めてメタ具の技術力の凄さを思い知らされた。
2024.3.12 00:48:04 公開
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