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四葉のクローバー

著編者 : キノコ13

第七話 暗闇

著 : キノコ13

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僕は目を覚ますと薄暗い部屋にいた。
隣にはまだ寝ている何かがいた。でも、僕にはそれが何かを確認しに行く勇気はなかった。
僕は何回か寝ようと目をつぶり、横になったが恐怖のせいか、さっき十分寝たせいか、全く眠れなかった。
しばらく横になって自分が今どんな状態にあるのかを考えた。でも、いくら頭をひねってもわからない。最後に覚えてるのは確か、メタグロスがなんかを戦ってたら、急に意識がなくなったというか、なんというかそれで、気づいたらここ。
僕はまるで誰かに説明するかのように考えた。別に誰かに説明するわけでもないのに。
そしてもうしばらくすると隣の何かが起きた。僕は驚きとか恐怖とかで無視を続けた。
それでも気になるものは気になる。僕はそれに見ていることがバレないように横目でそれを見ていた。
彼は背筋を伸ばしたあと、ようやく僕の存在に気がついた。
「あぁ、おはよう…」
僕はその瞬間まるで金縛りにあったかのように動けなかった。ついでに頭も凍ったかのように働かない。
助けを求めるために叫ぶのを必死に押さえてので精一杯だったせいか、一言も喋れなかった。ありがたいことに、彼はその後静かに、そして気長に待ってくれた。
長い時間がたった頃、僕はようやく喋る勇気が出た。
「ここ…どこですか…?」
「地獄だよ」
彼はまたかと言うような感じで言った。
「まぁ、真面目に言うと研究所だね。ポケモンの」
研究所? 何するの? と聞く前にまるで予測してたかのように少し早口に言った。
「なんの研究をやってるのかは僕にもわからないから聞かないでね」
少しの時間が立ち、僕は気になったことを次々と彼に質問した。すると少しずつ、状況を理解することができた。
まず、ここへ捕らわれるポケモンは僕みたいなイーブイの進化系のみ。本当になんの研究してるのかな?
それと彼は元々ここにいる唯一の研究者の手持ちの一匹だったらしい。
中でも一番気になるはここからどうにか脱出したポケモンが数人いるらしい。今ではセキュリティも強化されてるから外部からの助けがない限りは脱出はほぼ不可能らしい。
「そういえば、その研究者って君以外にも手持ちのポケモン持ってた?」
そう聞くとそもそも暗い表情をしていた彼の表情はさらに暗くなったような気がした。
少しの間沈黙が続いたから聞いてはいけないことを聞いてしまったかと少し心配になったが、ようやく彼の口が開いた。
「僕の他に3人いた」
彼はゆっくりと言葉を口から出した。
「最初の一人は研究が始まって少ししたあとに逃げ出した。その少しあとにもう一人脱走を試みたのがいたけど最初の脱走から学んだのかセキュリティはもっと厳しくなったから…
それと最後の一人は……」
彼は大きく息を吸ったあとに言った。

「つい先日、彼は…病気で死んだ」

彼はそれ以上何も言わなかった。それでも、目を閉じれば亡くなってしまったポケモンと彼との仲を想像することができた。

長い時間が立ち、この暗さに僕の目が少しずつ順応してきた。おかげで、彼のことが、前よりもよく見えた。
彼…つまりブースターは身体のあちこちに大きな傷があり、怪我しているのか、片目だけ、目をつぶっていた。
そして偶然、部屋の隅の方に目をやると誰かが一人寂しそうに座っているのが見えた。
「あれ、誰?」
とブースターにしか聞こえないように言うと、彼は
「君よりも少し前にここへやってきたグレイシアだよ。」
ひたすらと僕とブースター…そういえばブースターの名前はなんだろう。まぁいっか。僕とブースターの話を聞いてたのかな?

それにしても眠い。ここへ来て一体どれぐらいが経ったのだろう?
ひとまず、一回寝よう…僕の本能がそう言っている。寝よう…寝…よう……

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2024.5.31  03:26:52    公開


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