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電氷念の闘い〜3分野のくに語り
【history_2】グレイシアの過去
著 : じおぐら4891
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崩れたキュレム達の像の前で、グレイシアは語り出した。
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私、元々は一回り程小さかったんです。父親のブースターさんも、母親のリーフィアさんも、「こんな筈では無かったのに…くそっ…」と。イーブイ一族の一家の中でも私が最も小さいので、それなりにからかわれまして。リーフィアは私が視界に入るその度に「チビ。」と悪意10000%で声を荒らげる。
それは、妹のシャワーズでさえ同じ。「グレちゃーん?後輩ですかー??あっはははははは!!」と。そのシャワーズとは年の差6。私の方がかなり先輩なのに、小ささのお陰でこうです。本当に許せません。
それは、学校でも同じでした。義務教育の9年間、いじめが絶えることはありませんでした。一刻たりとも。
「グレイシアのチビ。」「どう戦うのかしらー。実技の評価はC…否、Dだよねー。落第ですー。」
そういった心ない言葉を日々聞かされ続けて生きていました。
それは、先生からもかけられまして。言葉ではなく、評価で。毎学期ごとに配布される通信簿。通知表とか言う所もあるかしら。そこの各教科の評定がオールC。成績は誰よりも良い筈なのにですよ。テスト後に配布される成績票では常に1位でして。これは先生、問題になるでしょ…という位ですわよね。
そんな、信じられない状況に陥っていた時のこと。何か、冷たい風に呼ばれていた気がして。半信半疑でそっちの方向に進みまして。それで辿り着いたのが、ここ【ヒストリー遺跡】だったのですわ。それでも未だ、呼ばれている感満載のオーラは絶えない。だから、下に下に下に下に…と進んでいったのです。すると、キュレム様の氷の像が、微かに輝いた…眼が、眩しく輝いたのです。すると、私の小さかった体が、見る見る大きくなっていきました。
これを運命と呼ぶのでしょうか。これ以降、私の事をチビと呼んでいた輩は、私を恐れ、「(こ、、こいついじめたら絶対10倍返しされるのだろうな…いじめてなければ良かったな…後悔。)」と、いじめは0になりました。
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話の後半では、グレイシアは半泣き状態だった。この過去を語る事自体初めてであるが故。そして、この話を聞いたことでグレイシア直属の手下が何を言い出すか…といった恐怖が故。しかし、手下の者は違っていた。
「グレイシア様…!頑張って、生きていって下さいね。ヒストリー遺跡の命運はグレイシア様に懸かっておりまし。宜しくお願いします!」
フリージオは、喜んでいた。
グレイシアは、この過去を語って良かったと思っている。何故なら、手下の者達は私の事を大切にしてくれているのだな、と改め
「あのー…グレイシアさん。それなら、戦場に行くより先に、キュレム像を可能な限り修繕してみませんか?直せたら、グレイシアさんの大きさも少しは恥の無い程度になるのでは…と。」
モスノウの提案に、グレイシアは頷いた。勝つ為には大きさは最低限でも必要だと。とりあえず、出来る所までやってみよう…か。
グレイシアは笑顔だった。
2021.7.12 19:11:47 公開
■ コメント (2)
※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。
21.7.13 19:30 - じおぐら4891 (geograr) |
グレイシアちゃん…成績はずば抜けて良いのに、体が小さいというだけの理由でいじめられるなんて…!!つらかったでしょうね(T_T) “冷たい風に呼ばれた気がして”ヒストリー遺跡にたどり着くというのは素敵な描写ですね!^ω^キュレム像の眼が輝いて体が大きくなるシーンも素敵でした。 シビルドンが部下たちの離反に苦しんでいたのに比べると、こちらのメンバーはあたたかいですね(T_T) 氷の遺跡なのに心あたたまるお話でした。 そして今回のお話でグレイシアちゃんがますます好きになりました!!(*^^*) 21.7.13 01:05 - せせらぎ (Seseragi) |
コメントありがとうございます!
素敵な描写というコメントを頂けて、自分の成績を忘れて、近所迷惑レベルで大喜びしている(ぇ)私です((
確かにシビルドンの苦しみとグレイシアの苦しみを比べると、グレイシアの方がまだ大丈夫って感じですね…像が戻ればサイズも戻る筈なので。(「筈」ここ大事です )
グレイシアが好きになって頂けて幸いです。(だからといって話がグレイシアの一人勝ちになったり私が推しているシビルドンが一人勝ちしたりしないのでご安心を!!)
応援コメントありがとうございました!ではではまた次回~・・*←謎の返し方