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ポケモン不思議のダンジョン 革命隊
第10話 VS侯爵ルギア
著 : ハルナツ・シュートウ
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サブレ達が隠しアジトを出てから数十分……そのころミルヒライ城の会議室にはデオキシス公爵に召集された六匹の侯爵が集まっていた。なぜか七匹の侯爵のうちの一匹、ルギア侯爵の姿は見られない。そしてこの沈黙に包まれた空気の中、デオキシス公爵の声により会議は始まった。
「では皆さん始めましょう。今回はワッフルのレジスタンスと反政府運動の者達について話があります」
会議が始まると六匹の侯爵は一斉に真剣な表情になり、デオキシス公爵の方を向いた。
「レジギガス子爵の報告によれば、レジスタンス達を取り逃がしてしまったようですね。五匹程始末したようですが……」
デオキシス公爵はレジギガスが報告したことをありのままに侯爵達に伝えた。ちなみに五匹とはブラン達の事だろう。デオキシス公爵が『五匹程始末した』と言っている所から、レジギガスはブラン達の生死を確認せず帰還した為、誤った報告をしてしまったと見られる。現にブラン達は生きているのだから。しかし政府はブラン達の生存になんの疑いも持たず会議を進めた。たった五匹が生きていようが死んでいようが政府には関係ないからである。
「それにしても公爵、残りのレジスタンスの方の始末は大丈夫なんでしょうね?」
「私は心配だぞ。奴らが勢力を広げれば、我々では手の打ちようがなくなってしまう」
徐々に動揺を見せ始める侯爵達。そんな侯爵達とは対象的にデオキシス公爵は冷静な様子である。
「心配は要らない。既に手は打ってあるよ」
そう応えデオキシス公爵はある場所を指差した。ルギアのいない空席である。
「ルギアの席? と、ところで本日はルギア侯爵の姿が見えませんが、どうしたんですか」
「彼には私から仕事を与えたのだよ。彼が今日姿を現さないのはその為さ」
疑問を持っているホウオウ侯爵にデオキシス公爵は解説した。ホウオウ侯爵とそのほか五匹の侯爵が納得した表情を見せると、デオキシス公爵は不気味に微笑んだ。
「フフ、頼みましたよ。ルギア……」
同時刻――サブレ達三匹は一刻も早くエムリットの協力を得るためメレンゲを目指しひたすら歩いていた。
「結構遠いわねえ。ユクシー伯爵、メレンゲはまだでしょうか」
「出発してからかなり歩いていますし、もう少しだと思いますよ」
ユクシーはマリルリの問い掛けに答えた。するとマリルリは『もう少し』と聞いて安心したのか、歩く速度をあげユクシー達の先頭に立った。すると前方に丘が見えてきた。すると、
「ほらほら、皆急いで!」
マリルリは二匹を急かし、一人走って丘を越えていった。ユクシー達二匹もマリルリの後を追って丘を駆け上がった。すると丘を越えるとそこにはマリルリが立っていた。
「どうしたの、マリルリ。急いでいるんじゃなかったの?」
サブレ達は疑問にマリルリの近くまで駆けて行った。
「見つけたぞ、レジスタンス」
するとそこには侯爵の一匹であるルギアが待ち伏せしていたのだ。マリルリが先に進まなかったのはルギアが行く手を阻んでいたからだ。
「お前らは俺ら政府に脅威的存在だ……早めに始末しなければならない。残りのレジスタンス共の居場所を吐け」
ルギアはサブレ達に会うなりほかのレジスタンスの居場所を聞き出すが、サブレは口を開かない。サブレじゃ駄目だと思い、残りの二匹に問いかけるルギアだが、マリルリ達も当然口を開かない。
「グッ、テメェ等……うぜェーんだよ!!」
ルギアはサブレ達の小さな反抗に腹が立ち、三匹に対し攻撃を仕掛けてきた。次の瞬間ルギアの周りに星型の浮遊物体が出現し、サブレ達に襲い掛かった。今のはスピードスターだろう。必中技故に三匹は回避できず攻撃を喰らった。だが、スピードスターの威力は大して高くはないのか、三匹は何とか持ちこたえることに成功した。
「行き成り攻撃を仕掛けるなんて……今度はこっちの番だ!!」
サブレは体勢を立て直すと、ルギアの左手に飛び乗り『ドリルくちばし』を打ち込んだ。ルギアは苦痛に顔を歪ませる。その隙に、ユクシー達も続くように攻撃を繰り出した。マリルリはサブレの反対側からアクアテールを繰り出し、ユクシーはルギアの真正面から神通力を繰り出した。
「やりました。これならルギアに大ダメージを与えた筈です」
一気に三方向から攻撃され、ルギアも大ダメージを受けただろうと安心してルギアから離れた三匹だったが、次の瞬間状況は一変。突如ルギアは目の色を変え、口からエアロブラストを放った。その威力は高く、三匹を軽く吹っ飛ばすほどの威力だった。
「あじな真似してくれるじゃねェか! こうなりゃ俺も本気でやらせてもらうぜ」
ルギアは仁王立ちしながらそう威張り散らした。そして倒れている三匹に対し、『原始の力』を発動。周りの岩が三匹に襲い掛かる。
「サブレさん、マリルリさん。避けてください」
三匹は体勢を立て直し、ギリギリで原始の力を回避する。
「避けたか。だがまだ終わりじゃねェぜ」
ルギアは追い討ちをかけるように再び原始の力を発動し、岩をサブレ達に投げ飛ばした。三匹はもう一度回避しようと射程範囲外へと非難するが、焦っていたからかサブレは躓いて転んでしまったのだ。岩がサブレの目の前まで襲い掛かってくる……
「クソッここまできたのに……」
もう駄目かと諦めていると、突然マリルリがサブレの前に立ち襲い掛かる岩をアクアテールで破壊していった。余りの出来事にサブレは驚くばかりだ。
「何諦めてるの! 貴方の力いっぱいのドリルくちばしを叩き込んでやりなさい!!」
マリルリは振り向いて驚いているサブレを一喝。サブレは立ち上がりルギアにドリルくちばしを叩き込むために接近するが……
「またドリルくちばしかァ!? そいつはゴメンだぜェェ!!」
先ほどのドリルくちばしが余程痛かったのか、ドリルくちばしを喰らわせまいと必死に『原始の力』でサブレの接近の妨害をする。サブレは力いっぱいのドリルくちばしを使いたいが、ルギアに近づけば原始の力の餌食になってしまう……サブレが悩んでいると、後ろからユクシーがサブレの肩をポンと叩いた。
「私がサポートします。念力でサブレさんをルギアの顔面まで運びますから、後はサブレさん自身が止めを刺してください」
「……わかったよ。ユクシー伯爵、ボクの援護頼みます」
サブレは頷くと、ユクシーの前に立った。
「ん? 何をするつもりだ」
ルギアが不思議そうにサブレ達を見てそう言った。
「……ユクシー伯爵、頼みます」
サブレは静かにユクシーに合図を出した。ユクシーは先ほどの説明どおり、念力でサブレを空中へと浮かせルギアの顔面まで接近させた。
「お前らまさかッ……く、くるなァァァ!!!」
嫌な予感がしたのか、ルギアは焦って『原始の力』を発動し、空中のサブレに対し岩を投げつけた。するとユクシーはラジコンを操作するように空中のサブレを動かし、襲い来る岩から回避させた。そして遂にサブレはルギアの顔面まで辿り着いた。
「うわァァ、やめろォォ!!」
ルギアはサブレに顔面まで接近され焦りだすが既に遅し。サブレは力いっぱいのドリルくちばしをルギアの顔面に叩き込んだ。抵抗する間もなく、ルギアは攻撃を喰らいその場に沈んだ……
「た、倒したぁ……」
「す、凄いよサブレ。流石ね」
「どうやらこの勝負、私達の勝ちのようです」
決着がつき三匹が勝利に喜んでいる。すると喜んだのもつかの間、ルギアは立ち上がりすぐさま三匹の行く手を塞いだ。
「ググ、てめェ等……このままじゃ終われ……ハァ、ねェぜ」
ルギアは既にボロボロだというのにまだ戦うつもりなのか。そんなルギアにユクシーは静かに声をかけた。
「本当は殺したくはありませんが、行く手を阻むというなら仕方ありません……。サブレさん、マリルリさん。行きますよ」
ユクシーの合図で構えを取る二匹。すると、
「いっけぇぇぇ!!」
突然、ルギアの背後から何者かがエアロブラストを放ち、ルギアを打ち倒した。もはや肉体的にボロボロだったルギアはこの攻撃を受け倒れてしまった。
「い、今の攻撃は一体……?」
サブレ達三匹が動揺していると、ルギアの背後から小さいポケモンが姿を現した。
「ハイハーイ。自分達の利益しか望まない貴族はアタシが倒しちゃうよ」
サブレ達の目の前に現われたのはユクシーのような姿をした幼い少女だった。サブレは突然謎のポケモンが現われ動揺を見せる。
「あ、あのー何方でしょうか?」
サブレは恐る恐るその少女に尋ねた。するとその少女は不機嫌そうな表情でこちらを向いた。
「失礼ねー。メレンゲを治める貴族、エムリットとはアタシのことよ」
「な、なんだってー!!」
なんと突然現われた少女の正体は、サブレ達が会いたがっているというエムリット本人だったのだ。サブレ達も余りの事に驚いてしまったようだ。
2007.10.30 21:06:09 公開
2007.10.31 07:39:15 修正
■ コメント (1)
※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。
07.10.30 21:10 - ハルナツ・シュートウ (9521) |
でも何とか今日中に投稿できました。どうぞ呼んでみてください