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ポケモン不思議のダンジョン 革命隊

第9話 立ちはだかるギガス

著 : ハルナツ・シュートウ

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ブラン達とエンテイ一行は、政府のポリゴン軍団の追跡を振り切るべく宛てもなく必死に走っていた。

「し、諸君。一先ずアロスへと非難しよう」

 するとエンテイはアロスへと非難するように提案をする。途端にエンテイの隣にネイティオ隊長が駆け寄ってきた。

「え、エンテイ伯爵ー! それではすぐに場所を感づかれてしまいます。ワッフルへ非難しましょう」

 隊長は息切れた声でエンテイにそう言った。避難場所をわざわざ遠いワッフルに選んだのは何かわけがあるんだろう。

「ウム、分かった。諸君、今からワッフルへと避難場所をシフトする。敵の追跡から逃れる為全力疾走でいくぞ!」

 エンテイ伯爵は頷き、反政府運動の皆に全力でワッフルまで走るように叫んだ。ブラン達と皆は走る速度を上げる。ミルヒライ付近からワッフルまでかなり距離がある。その距離を全力疾走するのは結構ハードだが、皆は政府に捕まれば殺されることを自覚している為必死に走った。

 約数十分後、皆はようやくワッフルへと到着した。全力疾走での逃亡だったからか、皆は横になりながら息を切らしている。

「ハーハー、ワッフルか……。とても懐かしく思えるわ……」

 息を切らし横になっているマリルリがワッフルを見てそう呟いた。

「あれ、隊長。ネイティオ隊長じゃないですか。アロスから戻ってきたんですね」

 街の中にいたレジスタンスメンバーが隊長に駆け寄ってきた。近くにいたレジスタンスではない普通の住民たちも隊長の帰還に喜び駆け寄ってくる。すると、

「皆、大変な事態に巻き込まれた。皆に重大な話がある。レジスタンスじゃない住民も我らの基地に集合してほしい。事は一刻を争うッ!!」

 隊長の一言に住民たちはピタっと止まった。それもそのハズ。隊長が出したのは普通の住民を巻き込んでの集合命令だ。これはきっと何かあるに違いない。そう察した住民達は急いでレジスタンス基地へと押し寄せた。

「ウム、全員基地へと向かったな。我々も基地へと行くとしよう」

 街の皆が基地へと集まったことを確認して、エンテイ達も基地へと向かう。レジスタンス基地の中は、住民達も詰め掛けているからか、広いロビーがとても狭く感じる。

「……こんなに多ければ全員会議室へは入れないな。皆、ここで話すからよく聞いてくれ」

 あまりのポケモンの多さに隊長はすこし困り気味の表情でそう言った。

「これからクルミの森付近の砂浜の隠しアジトに非難する。レジスタンスメンバー全員には既に場所を伝えてあるから、メンバーは住民達やエンテイ伯爵を隠しアジトまで誘導しろよ。急ぎで頼む」

 隊長はロビーに詰め掛けているメンバーや住民を見渡しながら早口で喋った。話し終えるとネイティオは走りで外へと掛けていく。それを一匹のレジスタンスメンバーが呼び止めた。

「さっきから思ったんですが、何で急いでいるんですか?」

 隊長は入り口付近で足を止め、声がした方を向いた。

「政府は……真実を知ってしまった私たちを殺そうとしている。急がなければここも感づかれてしま……」

 すると隊長が言い終わる前に、基地の外でドカンと爆発音のような音が響いた。ロビーにいた皆は慌てて外へと出て爆発音が聞こえた方向を向いた。するとそこにはワッフルの住宅を破壊している政府のレジギガスがいたのだ。もう此処が感づかれたのか……。

「レジスタンスノ セイメイハンノウヲカクニン。コレヨリ マッサツヲカイシスル」

 レジギガスはこちらに気付くなり、ブラン達に駆け寄り襲い掛かってきた。このままでは全滅してしまう。レジスタンスメンバーの皆は慌てている住民や反政府運動の皆を砂浜の隠しアジトまで誘導するため、皆に呼びかけた。

「みなさーん! 我々についてきてくださーい」

 住民や反政府運動の皆はレジスタンスメンバーの指示に従ってついていった。だが、それではレジギガスまでついてきてしまう……。そこでブラン達は決心した。

「自分達が何とかします。皆さんは早く逃げてください」

「ボク達がレジギガスを食い止めるよ」

「勝てるかどうか分からないけど、時間稼ぎくらいはできるわ」

「私もブランさん達に力を貸します」

「死にはしない。皆、先に行け」

 ブラン、サブレ、マリルリ、ユクシー、隊長の五匹は、ワッフルに残ってレジギガスを食い止めるつもりらしい。五匹であの巨体なレジギガスにに立ち向かうのは正直無謀だが……

「ネイティオ、大丈夫なのかね。私も手を貸そうか?」

 ワッフルに残る隊長達を心配してエンテイ伯爵が駆け寄ってきた。

「大丈夫です。伯爵はいそいでレジスタンスのメンバーに隠しアジトまで誘導してもらって下さい」

 隊長はエンテイ伯爵の言葉にそう答えた。心配する必要がないと分かった以上、エンテイ伯爵はここにいても無駄だろうと思い黙ってレジスタンスメンバーの後についていった。

 皆が隠しアジトへと非難を始めると、五匹はレジギガスと対面した。改めて見るとレジギガスはとてもでかい。その巨大さに五匹は圧倒されてしまいそうだった。

「皆、相手は巨大なだけかもしれん! 五匹で一斉攻撃をするぞッ!」

 隊長はレジギガスを指差し一斉攻撃するようブラン等四匹に命令を下した。五匹によるレジギガスへの集中攻撃。激しい攻撃の連続によりレジギガスのあたりに砂埃が上がる。

「……やったか」

 頬の汗をぬぐいながら隊長はそう呟いた。すると次の瞬間――

(……殺気ッ)

 隊長は砂埃の中から殺気を感じ、急いでブラン達に地に伏せるように指示するが……

「しまッ……」

 隊長が言い終わる前に砂埃の中からレジギガスが勢いをつけ、『思念の頭突き』を繰り出してきた。レジギガスの巨体による『思念の頭突き』の攻撃範囲はすさまじく広い。ブラン等五匹は避けることも出来ず、レジギガスの『思念の頭突き』を諸にくらいその場に沈んでしまった。

「モクヒョウノ マッサツカンリョウ。コレヨリ ミルヒライ城ヘキカンスル」

 ピクリとも動かない五匹。レジギガスは五匹が死んだと思ったのか、生死を確認せずそのままその場から去っていった。

 それから数分経ち、マリルリが目を覚まし立ち上がった。レジギガス戦でうけたダメージが響くのか、体中に痛みが走る。その痛みに耐えながらマリルリは、周りで気を失っているブラン達を起こし始める。

「……マリルリ。ボク達……生きているんだね。よかったぁ」

 サブレは自分達がまだ生きていることを喜んだ。すると、

「……まだレジギガスが近くに潜んでいるかもしれないぞ。早めに隠しアジトへ非難したほうが良いな」

 隊長はレジギガスを警戒し、急いで砂浜の隠しアジトへと向かうことを推奨した。五匹はクルミの森経由で隠しアジトがあるという砂浜まで歩いた。するとその砂浜に一石のモーターボートが……ブランはそのボートが気になったが、足を止めるわけにも行かずそのまま隠しアジトへと向かった。

 隠しアジトに着くと、五匹は会議室にいるエンテイ伯爵に自分達の生存確認の報告をする。それと同時にレジギガスの圧倒的な強さの事も報告した。突然の強敵の出現にエンテイ伯爵は悩んだ。

「どうするかね。レジギガス……今の我々の戦力では到底勝ち目がないだろう」

 エンテイ伯爵が五匹にしみじみと話しているときだった。

「ウグッ……」

 突然ブランに頭が割れるくらいの頭痛が襲い掛かってきた。サブレは心配していつから頭痛が始まったのかを聞いた。

「……砂浜で……モーターボートを見てから……」

 頭痛が始まったのはモーターボートを見てからだった。その時サブレに疑問が浮かんだ。

(あのボート、人間だった頃のブランと何か関係あるのかなぁ?)

 あのモーターボート、人間の乗り物のようだし、ブランが倒れていたクルミの森からボートのあった砂浜は近い。きっと何か関係があるんだろう。そう考えていると、

「ブラン君が心配だ。サブレ君、医務室に連れてってあげなさい」

 エンテイ伯爵にブランを医務室まで運ぶように言われた。サブレは頭痛で苦しんでいるブランに付き添い医務室へ歩いていった。医務室に入ると、ブランをベッドに寝かせ医務室担当のラッキーさんに看病を頼んだ。

「ラッキーさん、あとは頼んだよ」

「ハイ、任せてください」

 ブランの看病をラッキーさんに任せたサブレは、走って会議室に戻った。そこではエンテイ伯爵達が話を進めていた。どうやら次なる作戦を話し合っているようだ。

「サブレ、戻ってきたか。次の作戦の発表するから席に座ってくれ」

 会議室にいるのは、エンテイ伯爵とブラン、マリルリ、ユクシー。そして最後に隊長の計四匹だけだ。次の作戦は少人数で行うのだろうか? そう思っているうちに作戦の発表は始まった。

「政府は私達の命を狙っている。それ故大勢で行動するのは無謀だと私は思う。よって今回はサブレ、マリルリ、ユクシー伯爵の三匹で行動してもらいたい」

 隊長の口から出たのは少数行動。サブレが予想していた通りだ。

「これから君達に行ってもらいたいのは、メレンゲという街まで言ってエムリット伯爵率いる革命隊の協力を得てほしいんだ。レジギガスを倒すには戦力を上げるしか方法がない」

 メレンゲ――議会でデオキシス公爵がそんな名前を挙げていたが、そう言うことだったのか。革命隊がワッフルのほかにも存在するなんて……サブレは正直驚いた。しかしメレンゲといえばミルヒライ周辺では二番目に栄えている街。それだけあってエムリット革命隊の勢力も大きいんだろうな。それじゃワッフルは何でいままでエムリットに協力を求めなかったんだろう。サブレは思わず隊長にこの事を問いかけた。

「……エムリット伯爵には過去に協力を求めた事はあったが、断られてしまったんだ」

 サブレはそれを聞いて驚いた。一度断られているのに今更ワッフルに協力してくれるのだろうか。サブレは不安な表情で隊長を見つめた。

「……ま、まァ今は政府の弱みを握っている訳なんだし、エムリット伯爵もこの事を知ればきっと協力してくれるハズだ」

 確かにそうだ。こちらは政府の弱みを握っているんだ。恐れることはない。

「分かりました。絶対にエムリット伯爵の協力を得て帰ってきます!」

 サブレは隊長に作戦を成功させると宣言するとマリルリ、ユクシーを連れて早速出かけていった。アジトの外へ出るとサブレは振り向き静かに呟いた。

「……ブラン。エムリット達を連れて帰ってくるからね」

 レジスタンスと反政府運動の皆の希望を託された三匹は、メレンゲを目指し砂浜を掛ける……

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2007.10.27  14:00:47    公開


■  コメント (2)

※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。

コメントありがとう。頑張ります
のこり約6話のポケレジですが最後まで応援してください

07.10.30  17:49  -  ハルナツ・シュートウ  (9521)

ガンバw

07.10.27  15:07  -  通りすがり  (ゲスト)

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