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ポケモン不思議のダンジョン 革命隊

第6話 反政府運動

著 : ハルナツ・シュートウ

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 ユクシーを仲間しに、無事ワッフルへ帰還した三匹は隊長にユクシーの件を報告し、各部屋に戻り休暇をとっていた。ユクシー伯爵が仲間になったと聞いてレジスタンスメンバーは、どんな奴だろうと空想しユクシーの到着を心待ちにしていた。

 三匹が帰還して数時間後、ワッフルのレジスタンス基地のロビーにユクシーが姿を現した。最初はメンバーの皆は、ユクシーの事を迷い込んできた子供かと思っていたが、部屋から出てきたサブレ達に「ユクシー」と言われ始めてその子供がユクシーだと気がついた。まさかユクシーがこんな幼い子だなんて誰も想像してなかったのでとても驚いたようだ。

「始めまして、レジスタンスの皆さん。マドレーを治めるユクシー・ガレットと申します。どうぞよろしくお願いします」

 ……。 さすが街を治めるだけの貴族、といわんばかりのユクシーの礼儀正しさに驚く皆。そして皆は改めて貴族を仲間に出来たことに驚いて騒ぎ始めた。

「本当に貴族を仲間にしたのかよ。凄い手柄だな」

「しかも伯爵クラスじゃねェか」

 貴族が仲間になり、後々有利になるとはしゃいでいる皆。すると突然レジスタンス達の中にネイティオ隊長は割って入ってきた。何やらユクシーと話をしたいとの事だ。隊長はユクシーを連れ、自分の部屋へと案内した。ユクシーがいなくなり寂しくなったメンバー達は、いつもどおり自分の持ち場に戻っていく。ブラン、サブレも自分達の部屋へと戻り再び休暇をとることにした。部屋で横になりながらブラン達二匹は、隊長とユクシーが何を話しているんだろうと、考え合っていた。

「隊長、ユクシーと何話してるんだろうね?」

「さァな。ユクシーさんと今後の計画でも話し合っているんじゃないか」

 そんな会話をしなが数十分の時が過ぎた……そしてその頃、一匹のレジスタンスメンバーが大急ぎでブラン達の部屋へと駆けつけてきた。なにやら緊急会議が行われるようだ。ブラン、サブレは支度をし、会議室へと向かった。会議室にはメンバー全員が召集され、隊長とユクシーが机に向かっていた。

「来たなお前達。開いている席に座りなさい」

 隊長はキョロリと二匹を睨み、席へ座るように進める。二匹は言われるままに、開いている席を見つけるとそこに腰を掛けた。全員集合したことを確認すると、隊長は椅子から立ち上がり、ドンとテーブルに拳をたたきつける。

「諸君、いまから新しい指令を与えるから良く聞くんだ」

ネイティオが隊長らしい一面を見せ、皆興奮している。隊長はミルヒライ周辺の地図をテーブル一面に広げ、ある街を示した。その街の名は、『アロス』。エンテイ伯爵が治めているというミルヒライ周辺では三番目に栄えている街だ。皆は『アロス』がどうしたんだという表情で隊長に尋ねる。

「その位、察しろ!!次はこの街の貴族を仲間にする。これが次の指令の内容だ」

 皆の察しが悪い為、隊長はわざわざ分かるように皆に説明をしてくれた。皆は成るほどといわんばかりの表情で納得する。ユクシーに聞いた話によればエンテイは密かに反政府運動を始めている唯一の貴族なんだそうだ。目的が一緒な以上、協力はしてもらえるだろう。皆は早速アロスへ行く準備を始めようと各部屋へと戻ろうとする……

「待てッ。大勢で行くのは無謀だ。ここはまたブラン達三匹に頼もうじゃないか」

 サブレは、三匹ともマドレーから帰ってきたばかりで体力は残っていたい為危険じゃないかと忠告をする。だが隊長はそれを否定した。

「大丈夫さ。今回は私とユクシーさんがお前達に同行する。だから安心するんだ」

 成るほど、そういうことか。しかし、ユクシーさんに無理させて大丈夫なのか。思わずユクシーに問いかけた。

「大丈夫ですよ。それに貴族の私がいないとエンテイさんと面会ができないでしょう?」

 確かに。ユクシーさんは偶々一般市民と会話をする貴族だったから良かったものの、エンテイ伯爵は、一般市民なんかと口を聞いてくれないかもな。そのためにもユクシーさんを同行させたのか…… まァ、本人の了承も得ているし大丈夫だろう。

 三匹は旅の支度をすると、隊長とユクシーを新たに連れ、遠いアロスを目指し歩み始めた。

 五匹は草原を歩き、ピスタ洞窟を突破、そしてマドレーへとたどり着く。しかし目的はさらに先のアロス……マドレーから道を逸らし、アロスへの道を歩く五匹。

 ワッフルと飛び出し約一時間、前方に峠が見えてきた。

「あれは、カシュー峠です」

 ユクシーはそう発した。カシュー峠には炎、草タイプのポケモンが生息するダンジョンで、ここを通らないとアロスへとたどり着けないらしい。マドレーへ行くときのピスタ洞窟と同じパターンだな。そう思いながらダンジョンに挑むサブレだった。

 案の定、峠にはマグマックやスボミーといった炎、草ポケモンの類が大量に生息していた。ブランは炎ポケモンに、サブレとマリルリは草ポケモンに苦戦するかなと思って、隊長とユクシーは自ら先陣を切ってダンジョンを進むことを宣言した。

「危ないわよユクシーさん。貴方を危険な目にあわせるわけには行かないよ」

「心配してくれて有難う。大丈夫ですよ、マリルリさん。戦闘に関しては素人ってわけではありませんから」

 ユクシーが先陣を切って、思わずマリルリは心配してしまうが、ユクシーは心配には及ばないようだ。どうやら多少の戦闘の経験があるらしい。屋敷でハッサムさんに鍛えられたのかな?

「そ、そう。じゃあ貴方にまかせるからねッ」

 なぜかマリルリはユクシーと顔をあわせようとはしなかった。そんなマリルリを見てブランは思わず微笑んだ。

「な、何笑ってるのよ。ブラーン!!」

 それから五匹は何対かの野生ポケモンと交戦し、ようやく峠の頂上へとたどり着いた。頂上は空気が済んでいてとても気持ちがいい。するとサブレは突然ここで少し休憩を取ろうといいだした。すぐにアロスへと行きたいところだが、ワッフルから休憩なしでここまで着たからか、流石に足にガタがきているようだ。五匹は数分の休憩時間をとることにした。

「わっブラン。こっちに着てみてよ」

 突然呼ばれたブランは断崖絶壁にいるサブレに駆け寄ってみる。するとそこから見えた光景はすごく広大なものだった。今いるここはワッフルやマドレーの街が見渡せるくらい標高が高い場所だったのだ。すごい光景だ。ワッフルまで見えるなんて結構高いところまで来たんだなァ。この美しい光景にブラン達は思わず見とれていた……

 一方、ユクシーは石に腰を掛けてネイティオ隊長と一緒に雑談をしていた。

「…ッ!!」

 何が起こったのか? 突然背後から謎のポケモンがユクシーに対し、攻撃を仕掛けてきた。隣にいたネイティオは瞬時にその謎のポケモンの攻撃からユクシーを守り、謎のポケモンに殴りかかった。

 しかし謎のポケモンは攻撃を食らう瞬間、腕をクロスし、威力を最小限に抑える。突然の事態に、ブラン達三匹はユクシー達へと駆けつけた。

「大丈夫ですかユクシーさん!」

「妨害されたか……クソッ」

 五匹は謎のポケモンの方を向き謎のポケモンの正体を確認。よく見ると謎のポケモンの正体はガブリアスであった。このガブリアスは一体なんでユクシーを襲ったんだろう? 皆同じ疑問が頭に浮かんだ。

「貴様、マドレーの貴族だな。貴族とあろうものがこんなところで何をしている?」

 突然、ガブリアスから話を掛けてきた。ユクシーが答えるのは勿論……

「レジスタンス達への協力です。私たちは反政府運動を行っているんです」

 レジスタンスに協力していることを示すユクシー。それを聞いてニッと怪しく笑むガブリアス。

「そうか。だが、お前ら貴族を見ていると虫唾が走る。大人しく死ぬがいいッ」

 突然、ガブリアスは顔を引きつらせユクシーに対し、腕を構えた。ユクシーへの攻撃を阻止すべく四匹は瞬時に構え、ガブリアスへ一斉攻撃を発動。ガブリアスも四匹に集中攻撃され、堪らずダウン。

「政府の犬めッ……よくも俺達の故郷をッ」

 戦意を喪失したガブリアスは悔しそうにユクシーを睨みながら、その場から姿を消した……。ガブリアスの言っていた『俺達の故郷』一体何のことだろう? 今はブラン達にはそれが分からなかった。

「さ、さァ休憩時間はおわりだよ。早く峠を越えようよ」

 疑問を残しつつカシュー峠の後半に突入。後半も前半同様何匹かの野性ポケモンとの交戦が行われる。しかし隊長達が先陣を切ってくれたおかげで余り苦戦を強いられず、カシュー峠を何とか越えられました。

「ここまで来たらアロスはもう目の前です。皆さん頑張りましょう」

 四匹はユクシーの声に押され、アロスへと歩き続ける。

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2007.10.16  22:03:49    公開


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