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生あるものの生きる世界

著編者 : 森羅

5.sideユウト×アヤ 遭遇[ソウグウ]

著 : 森羅

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一瞬これは夢だ、と思った。
もしくはタチの悪いいたずらだ、と。

だってさ、
おもいっきり変じゃないか。
ポケモンだぜ?
ポケモン。
ゲームの中だけの想像の生き物。
4年程前をラストにゲームには手も触れていない。

それが、今、目の前に、いる。
滑らかな翼の動きはソレが本物である事を物語っていた。

夢だろ?

そう頭の一部分が言う。
だが、ある部分がそれを否定した。

こんなにもリアルな物が夢だと言うのか?

・・・・・その通りだ。これは夢じゃない。
間違いなく、現実だ。

「なによ?ポケモンまで知らないって言うつもりじゃないでしょーね?」

オオスバメを肩に乗せて言うそいつに、慌てて首を横に振るオレ。
ガクガクと脳がゆれて気持ちが悪くなったのですぐにやめたが。

「それ、オオスバメ?本物じゃねぇよな?」

頭でわかっていてもまだどこかで否定したかった。
これは夢だ、と。
現実ではない、と。そう言って欲しかった。
だが、その願いは、いとも簡単にぶち壊される。

「本物に決まってるでしょ。本物じゃなきゃ、なんだって言うの?メタモン?」

あまりにもストレートな答え。
オレはそうだよな、と言うしかない。

「・・・シリウス、この馬鹿の目を覚まさせてやって。あたし、馬鹿らしくて付き合いきれないし」

んだと、・・・おろ?

「危ねぇーー!」

急いで身をよじらせるオレ。
理由は簡単。
オオスバメが突っ込んできた。
そして、超が付きそうなほどの見事な低空飛行でオレの髪の毛をこすって行く。

オレは身の危険を感じた。

やばいって。絶対。
アレを食らったら確実に死ぬだろ。

そう考えている間にも空中で弧を描くようにして方向転換をしたオオスバメが二度目の特攻をしてくる。ブーメランみたいだな、と考えること一瞬。

「やめろおぉぉぉぉ!!!」

ただ純粋に大声を出す。
ジェットコースターに乗った時と同じだ。

《アヤ!!》

先程まで話していた女の子とは違うもっと可愛い感じの女の子の声。
その声にオオスバメは特攻を急停止した。

「スピカ。どうしたの?」

・・・スピカ?
こいつはこのオオスバメのことを『シリウス』と呼んでいた。
なら、もう一匹いるわけか?
そして、

ポケモンはしゃべるのか?普通。

《早く逃げて!マズいわ。面倒なのがいる!!》

面倒なモノ?
なんだそりゃ。
つーか、ポケモンってしゃべったっけ?
アニメでは『ピカッ!』とかしか聞いたこと無かったが。しゃべれるヤツいたっけ?ニャース?あと、ミュウ・・ツー。そうそうミュウツー?

「面倒なモノって何?」
《・・・マグマ団》
「・・・確かに面倒ね。早いとこ逃げましょ」

オレがうんうんうなっていた間にふわふわ浮かんでこちらにやってきたポケモン、確か、ムウマと『アヤ』と呼ばれたそいつが会話している。

・・・やっぱりこの世界ではポケモンが話せる事が普通なのか・・?
そんでもって、マグマ団って確か・・・・。

「ちょっと、あんた!!」
「はいぃ!!」

いきなり大声で呼ばれて、つい敬語。しかも負けず劣らずの大声で。

「あんたが誰なのか知らないけど、逃げるわよ。マグマ団とかじゃなさそーだし」
「・・逃げるったって・・・」

一体どこに?

「いいから早く!どうなっても知らないわよ!?見つかったらまずいんだから!!」

そう言ってオレの手首を掴んで走り出す、想定名『アヤ』。
オレはわけがわからずただ引きずられて行った。

「“かぎわける”で“かみくだく”だ。見つけ出せ!!」

オレたちがいたよりもう少し奥のところから男の声が響く。
ザザザッ、と言う草むらの中を走っている『何か』の音も。

そして、それは徐々に近づいてくるのがわかった。
それも、ものすごいスピードで。

「おい!絶対追いつかれて来てるぞ!?音がどんどん近く・・・・って、うぉい!」

黒い犬のようなものが飛び出してきた。
赤い目と灰色の体。毛並みと足が漆黒に光る。
鋭い牙と爪。牙がきれいに生えそろった口を大きく開けて、
飛び出してきた、というよりは飛び掛ってきた、か。
正式名称、ポチエナ・・・いや、違う。グラエナだ。

マジで、死ぬ。

今日何度目かのセリフを冗談抜きでオレは思った。

もう一つの黒い影にオレは気がついていなかった。







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2009.3.18  15:17:39    公開
2011.10.26  23:53:38    修正


■  コメント (2)

※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。

コメント有難うございますskyさん。

今頃っていうほど今頃って感じではないですね。。。プロローグにコメントくださってからそこまでの時間掛かっておりませんし。
サブタイトルは毎度毎度苦労させられております。ですので、そういっていただけると嬉しい限りです。有難うございます。
文章のイメージから作っているのはこちらもですよ。色々な要素を待座ているときは何とも言えませんが。

映画のポケモンってそんなにしゃべりますっけ?大概映画に出てくるメインポケモンは伝説系だからそんなものかなって印象が強いです。
それでは失礼を。、

12.7.14  08:39  -  森羅  (tokeisou)

今頃になって思いました
サブタイトルの表記がかっこよすぎます
私の場合日常の中で感じることを、
文章のイメージから作っています
例えば
「親はよく自分の子どもを自慢したがる」(若干うろ覚え)など

それはともかく ポケモンって
映画などの影響で
喋ってもさほど驚かなくなりましたね
伝説系統はテレパシーという特別な設定がありますから

12.7.13  22:09  -  不明(削除済)  (wert)

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