生あるものの生きる世界
24.side ケイヤ 理論[ロジック]
著 : 森羅
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陽の光が暖かい。
暖かいと自動的に眠くなる。
時刻は放課後。
ぼくが寝ても誰も怒らない・・・ハズ・・。
「やーくーしーじ君!」
・・・・ほっといて。
「ねぇったら。・・・・・若竹(わかたけ)先輩が呼んでるよ?」
眠いんだってば。
《ケイ、呼んでますよ》
・・・・うるさいなぁ。
ぼくは否応なしに起こされる。
ぐー、と伸びを一つ。
「何?ゲーム出来たよね」
「私に聞かないでよ。呼んできて、って頼まれただけだもん!」
半ば寝ぼけているぼく。会話がおかしい。
しかも、「だけだもん!」って・・・。
目の前にはおんなじクラスの女の子。
部活はおんなじじゃないから、「ゲームできたよね?」の言葉は明らかにおかしい。
「あ、ごめん・・。ありがとね」
へらっ、と笑ってお礼を言う。
ゆーとに「いつでもへらへら笑っている」とまで言われたけど、これがぼくの平常時の顔。
「う、うん、ぃいよ!」といってぼくの席からはなれていくクラスメイト。
さて、若竹先輩から逃げるとしますか。
ぼくはそさくさと教室もとい学校から立ち去る。
校門を出た時点でさっきまで静かだった燐(りん)がくすくすと笑い出す。
「どうしたの?」
《・・・いえいえ、なんでもないですよ?フフッ・・・》
なんなのさ?一体・・・?
ぼくは疑問をぬぐえない。
《ところで、今日はどうなさいますか?》
「ゆーとのとこ?・・・・・どうしよっかなぁ?・・明日行こうか。土曜日だし」
《はい・・・クッ・・》
燐はまだ笑っているようで、赤い目がきゅーと細くなる。
ほんとに狐なんだなぁー、ぼくはよくよく思う。
「そういえばさ、もう一回聞いていい?」
《あの事ですか・・?仕方ないですね・・・》
燐はため息をつきながらそれでも丁寧に説明してくれる。
以下燐の説明。
《いいですか、この世界は2つで一つ。対を成すもの。
片方は死の世界もう片方は生の世界。昔々の神話です。
とは言ってもわたしも幼いころに聞いただけで、信じてなどいませんでしたが・・・》
幼いころっていつだろう・・・?
キュウコンの寿命がゲームの情報とおんなじなら半端なく長生きだ。
「その話って誰でも知っている物なの?」
《さぁ、どうでしょう?あまり知っている者は知りませんね・・・。
すでに失われた物語ですから》
風化して、原型をとどめない物語。
本来の形を失ってすべてはあいまいに、優しくなっていく。
川の流れに削られていく石のように。
今聞いている話はどこまで真実(ほんとう)なのだろう?
《続けますよ?
どちらもが死の世界であり、生の世界なのだそうです。
わたしは突然に引きずり込まれたんですよ。
まだ死んでないのに、ですね。気がついたらあそこにいました》
あそこ、とは病院の事。
しかもゆーとの病室の前。
これは一体どういうわけなのかな?
論理では説明のつかない世界の仕組み。
世界の秘密。
ぼくはいま、死んでいるのか、生きているのか。
side???
ひずみが出来る。
穴が開く。
流れ込んでくる「いきている」者。
零れ落ちた「しんだ」者。
どちらも同じ、生あるもの。
ボクは成り行きを見守るだけ。
正しい道などどこにも無い。
2009.4.4 21:09:29 公開
■ コメント (8)
※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。
09.4.6 03:49 - 森羅 (tokeisou) |
コメントありがとうございます!!KaZuKiさん! ウィンディについて、ありがとうございます。 予想2だったんですか・・・。1と3が気になりますね・・・。 45さんのコメントにも書きましたが、そこまで燐について深く考えてくださらなくても・・・(ぷれっしゃあ) 答えは単純明快です。「なんだよ!それ!!」と怒らないでください・・・ね? 次か、その次くらいにはヒントが出ると思いますよ。 では、短いですが失礼を。 09.4.6 03:28 - 森羅 (tokeisou) |
45さん、コメントありがとうございます!! そうですねー、燐についてはそこまで議論が持ち込むとは思いませんでした・・・(え?) いえ、まぁ一応は考えてあるのですが・・・ご期待に沿えるかどうか・・・(もしもーし?) そうですね・・ヒントは最後の???の言葉。としておきます。 そこまで深く考えないでください・・ね?(オイ!) ゆーとの髪色にはすこーしだけ訳があります。(少しかよ) キョウラ(・・って誰ですか?)とは関係ありませんのでそういう方向でm(−−)m では失礼を。 09.4.6 03:22 - 森羅 (tokeisou) |
コメントが4つも!!!最高記録です!! 皆様ありがとうございます!!! では、時間順となりますが・・・。 ハミングさん。 はじめまして、森羅と申します。コメントありがとうございます! あの・・、ちなみにですが、ゆーとは死んでませんよ? ゆーとが死んでいたらケイは病院にいく必要がなくなります。 まぁ、正確には生きてもいないのですが・・・。(どっちだよ!) 謎掛けのような文というのは???の言葉の事ですか? あれには意味ありです。ですが、特に気にしていただかなくてもいいと思います。他のやつも心理描写だけの場合もありますし・・。ぶっちゃけた話、適当に思いつい(以下略) 失礼しました。夜月も紅蓮も可愛いですよねー!燐も好きですが。 ケイと燐の出会いが一番印象に残っていただけましたか。あれはけっこう迷ったのですが、気に入っていただけたなら何よりです。 シリアス&ギャグについては、シリアスだけって言うのもアリですが今はそこまで事態が深刻化していないのでギャグも混ぜています。(どういう理屈だよ?)楽しんでいただけているなら何よりです。ではでは、また何かあればコメントをくださると嬉しいですm(−−)m失礼を。 09.4.6 03:14 - 森羅 (tokeisou) |
前回の予言通り(?)やってきました篝です。 ケイヤ君と燐の会話がいつ見ても神秘的なんですが!( 特別違うんじゃなく、自然な会話なのにも拘らず、しっくりくるっていうかなんていうか; う〜む…他の皆さんと同様に、実はゆーとと燐には居るべき世界がひっくり返ってしまった、ということなのでしょうか。 結構、燐の存在が今後どのように傾くのかが楽しみですね。かなりの重要キャラだったしりて^^; そしてやはり黒幕が相当気になります。当然でしょう!(何その吹き回し …解らないことが多すぎて到底自分の読解力じゃ…無理ですorz 早く続きが読みたいです! これ以上話すと差し支えるかもしれないのでこの辺で!(( 文章も繋がってませんが、ご了承を; 乱文大変失礼致しました!ではでは〜。 09.4.5 20:41 - 不明(削除済) (Vlack) |
どうも〜、最近忙しくてあんまり読む時間が無かったのでコメントできませんでした。 まず、ユウト君、ウインディゲットおめでとうございます! 私の予想2のどさくさ紛れのウインディゲットはやっぱりありましたか。 さて今回のロジック、順当に考えればユウト君と燐が入れ替わったと思うべきでしょうね。 本来ハザマのセカイにやってくるのは燐だったのではないか……。 と、まぁ無意味なロジックを頭の中で考えていますが、その答えは私にはわかりません。 では、静として、この先を待っております。 09.4.5 19:14 - 不明(削除済) (fantasic) |
今回は、ケイくんでしたね^^ キュウコンとゆーとが入れ替わったと考えるのが普通でしょうか? すると、何かが起きたのでしょうね。例えば、キュウコンも亡くなりかけているとか…。 ひずみができるという事は、たまたま、瀕死状態のゆーとの魂が、そのひずみに落ちて・・・。 う〜ん・・・。そうすると、謎の人物が誰だか・・・。 期待して次回を待っています!^^ あと、読み直しをして、ゆーとの髪型の色を見たら、キョウラを思い出しました。(関係ないですね^^;) 09.4.5 17:57 - 不明(削除済) (45syost) |
初めまして、ハミングと申す物です(ゑ 前々回の更新くらいから読み進めてましたが、勇気を振り絞ってコメントさせて頂きます(ドキドキ ほのぼのした学校生活の小説かと思って読んでいたら、突然主人公が死んでしまって意表を突かれました^ ^; そっから一気に読み進めて今に至ります(飛ぶな 一番印象に残っているのはケイと燐の出会いです。まさか現実にポケモンが登場するとは思っていませんでした。。 シリアスとギャグで文調を変えられるのが凄いと思います。特にギャグは毎回漏れなくニヤニヤしてしまって(きめぇ 随所にある謎掛けのような文がかなり気になります。あれは伏線なのか、それとも読み手に心理的な何かを与えているのか(なぁにそれぇ それにしても夜月かわぇぇ…お持ち帰(ry 紅蓮もお持ち(ry ふさふさのポケモン大好きなんです; まだまだ深い謎に包まれた小説ですね。これからどう紐解かれていくのでしょうか… ゆーとと現実世界がどう繋がりを持っていくか楽しみにしてます! 乱文失礼しました!では失礼しますっ(逃 09.4.5 00:54 - 不明(削除済) (lvskira) |
篝さん、予言どおりのコメントありがとうございます!!!
ケイ&燐のコンビは人気者ですね・・・。
神秘的といわれると困ってしまいますが、ケイが燐と普通に話してるってこと事態異常ですからね・・・(汗)
なんであんなにしっくり来るんだろ・・・?僕も不思議です(オイ!)
燐って存在も一応「いてはいけない」存在ですからね・・。
どうしてこっちに流れ込んできているのか?(聞くなよ)
いえ、まぁ・・考えてはありますよ?(燐の視線が痛い!)
黒幕、というのは???の事でしょうか?
彼についてはあんまり考えないでください。
ナレーター、案内人、管理人。そんな存在に存在はありません。
ただ在る、そして居ない。謎掛けみたいですが彼についてはそういうことにして置いてくださいm(−−)m
では、失礼を。