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生あるものの生きる世界

著編者 : 森羅

15.side ケイヤ 学校[ニチジョウ?]

著 : 森羅

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・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・うーん。

学校って日常だよね。学生にとって。
代わり映えのしない単調な授業に、使い回しをされてぼろぼろの机、イスなんかの備品。
ときどき何か「事件」が起きた時だけ僕ら、学生の目が光を取り戻す。
それ以外は記憶にも残らない。

学校ってそんなもんだよね。
でもさ、

《どうしたのですか?ケイ?》

コレは日常の光景なのかな?
ぼくはぼくの隣に座って9本の尻尾を自在に操っている狐の方を見る。
綺麗な黄金(きん)の毛並みは窓から差し込む夕焼けの光でさらに輝きを増す。
初めて会ったときは夢か幻かと思った。
自分の頬をつねってみたしね。
でも、

つねったら痛かったし、一晩たっても彼女は消えなかった。

つまりは、

「本物なんだよねー」

小さくぼくはつぶやく。
《何を言っているんですか》と彼女は少しあきれたようにため息と共に答える。
それとほぼ同時に上から声がした。

「薬師寺、何を一人でぶつぶつ言ってるんだ?」
少し顔を引きつらせた先生が目の前にいた。

あれれ?
・・・・そっか、今5時間目だっけ。
先生、なかなか地獄耳っ!

「なんでもないですよ」

ぼくはいつもの笑顔で答える。
先生はうんさんくさそうにぼくの方を見てからまた黒板の前に戻っていった。
・・・・わざわざ一番後ろの席までご苦労様です。
ぼくの心の声は先生に届くかな。

ぼくは先生が授業に戻ってから、彼女にそこっ、と話しかける。

「燐(りん)、本当なんだよね、その話」
《当たり前です。わたしが嘘をつく必要がありません。
それに、そうでないなら貴方はわたしのことをどのように説明するつもりですか?》
「・・・・うん、説明できません」

ぼくは少しおどけて答えて見せた。
彼女、つまりキュウコンの名前は燐(りん)。
「名前は?」って聞いたら《燐です》って言うからそのまま使う事にした。
ちなみに、「可愛い名前だね」って言ったら燐はロコンに戻ったみたいに真っ赤になった。

ポケモンなのにしゃべってるってことは実はあんまり気にしてない。
なんでかは気になるけど。
でもしゃべってる方がいいよね。
話せるし。

《貴方は結構順応するんですね》
「え?」

燐が突然言ってきたのでぼくは慌てて聞きなおす。
もちろん小声は忘れちゃいけない。

《ケイですよ。貴方は環境に順応するのが早いですね》
「なんで?」
《わたしですらまだちゃんと自分の立場がわかっていないんです。
どうしてこちらの世界に引きずり込まれたのかも。
けれども、ケイはもうわたしがいることに慣れていませんか?》
「そんなことないよぉ」

ぼくは言って見せるが実際、ぼくはこの状況を楽しんでいる。
どんな理由であれ、目の前にゲームの中でしか存在しない生き物がいるんだから。

「授業が終わったらゆーとのとこに行こうか」
《わたし達が昨日あった所ですか?》
「そ・・・・ぅ?」

・・・・・・・・・・・・・・・。

「やく・し・じぃ〜?楽しそうだなぁ〜。
俺の授業よりも楽しいか?」

・・・・あはははは・・・・・・。
マズぃ・・・・。
と言う事で、

「すみませんでした」

ぼくは素直に謝る事にしました。

・・・・・やっぱり学校は日常のことみたいだね。
ぼくはひとつの結論を見つけた。
職員室への片道切符、先生のお叱り付きの代償に。

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2009.3.25  22:43:54    公開


■  コメント (4)

※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。

コメント有難うございます、skyさん。

痛くないから夢、なのではなく痛いから夢だと断言できるのですか?不思議な夢ですね。

学校ネタでした。日常っぽいと言えばそうなのかもしれません。

それでは失礼を。

12.7.15  02:58  -  森羅  (tokeisou)

何か可笑しいことが起こると頬をつねります
(夢の中で)
若干痛かったけど 
まぁ痛くないということにしておこうと
夢ではないと断言します
その時に夢の住人に話しかけていますが
気にしないことにしていますね

学校は本当に何も変わりませんよね
授業が毎日あるだけで
だけど、給食や休み時間の時の
会話が面白いんですよね
こういう些細なことで楽しいと思えることが
日常のいいところです
授業中でも休み時間でも
たびたび面白いことが起こりますしね

それから私が思うことは
一人では楽しいことが
何一つ起こらないということです

12.7.13  22:57  -  不明(削除済)  (wert)

コメントありがとうございます!45さん!!
ケイヤは本当に順応するのが早いです。
多分、燐(キュウコン)に出会った時点で順応してると思いますよ。
「あ、キュウコンだぁ〜」みたなノリで(笑)
親近感がわいて下さったのであれば、喜ばしい事です。
僕自身結構順応性があるとよく言われるのですが、ケイヤにはそれがモロにでましたね・・・・。
それから、
燐の話した内容はまだ本編に出ていません。
本当はその話に載せようと思っていたのですが、きりがよかったので次に持ち越す事にしました。
次のsideケイヤはsideユウトがひと段落つくまで出せないので少し間が開くかもしれません。
申し訳ありませんが気を長く持ってお待ちください。
紛らわしい事をしてすみませんでした・・・。
最後にもう一つ。
「マサラの図書館」でしたか。
教えていただきありがとうございます。ちなみに、
読んだ感想はそちらの方のコメントに載せました。
では、お互い頑張りましょうーー!!

09.3.26  22:39  -  森羅  (tokeisou)

どうもです^^

ケイくん、なれるのが早いですね〜・・・それと、乙です(なぜか、親近感が・・・
それと、キュウコンから何の話を聞いたのでしょうか?
キュウコンが、登場したところから、何度か確認したのですが、わからないので・・・^^;

今後、ゆーとと、どのように関っていくのか、キュウコンとケイ君の今後の行方を期待します。

それと、自分の所に書いていたのですが、こちらに移動します。

ポケコロ→マサポケと、なぜか、勘違いしていました・・・。森羅さんに言われるまで、気が付きませんでした^^;(苦笑)
「マサラのポケモン図書館」で、検索し(もちろんサイトですよ)、 『作者名別あいうえお順』から、小説を探して、一番下の586さんの読みきりを押すと、プレゼントがございます。(何個かある中にあります。)
アドレスは、サイトが重くなる原因になりますので、控えようと思います。

それと、最後のコメント・・・・・・・・。うれしいです(涙)うれしすぎます(涙)
たとえ、評価が付かなくても・・・書き続けますね・・・。

でわ・・・(涙

09.3.26  00:11  -  不明(削除済)  (45syost)

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