生あるものの生きる世界
11.side ユウト×アヤ 存在亡き者[ソンザイナキモノ]
著 : 森羅
ご覧になるには、最新版の「Adobe Flash Player」が必要です。 また、JavaScriptを有効にしてください。
「つまり、お前は別の世界から来た、とそういうわけか?」
「い、いや、正確にはこちらにとって『死の世界』です」
オレが敬語を使ってるって事でわかると思うが、最初の発言はナナカマドのジイさんだ。
部屋を出た後オレは一通りあの“管理人”から聞いたことを話した。
“管理人”のことは一応伏せておいたが。
「フムゥ・・・」
話が突飛(とっぴ)過ぎたのか、それとも話が壮大すぎたのか、
ジイさんは黙りこくってしまった。
まぁ、信じろと言う方が無理だよな。オレもまだ半信半疑だし。
「とにかく!あんたは一番近いところでユーレーって事ね」
そうやって書類が山積みにされた机に座って足をプラプラさせながら言ってくるのはアヤ。
フルネームは如月綾。キサラギアヤ、と読む。
さっき、ナナカマド博士の仲裁の下オレたちは自己紹介をした。
「・・・・・・・・ああ、そうなるんじゃねーの」
オレはかなり投げやりに答える。
なんか馬鹿にされたみたいだったから。
「ところで、こっちは全部説明した。今度はこっちが聞いていいですか?」
微妙に敬語とタメ語が混ざっていたが勘弁して欲しい。
「なんだ?」
「なによ?」
同時にオレの方を見て言う2人。
オレはとりあえず聞きたかったことをすべてぶちまける。
「『契約者』って何?あと、ここは何地方?マグマ団ってことはホウエン?」
シンジ湖なんかホウエンには無かったハズだが、
マグマ団は確かルビーでオレがぶっ潰した、いわゆる敵キャラだ。
「順に話そう。ここはシンオウ地方。ホウエンはここから一番遠い地方だ。
マグマ団を見たとアヤから聞いたが、奴らがいるのはホウエン地方から逃げてきたからだ。
ホウエン地方でマグマ団とアクア団は2つともつぶれた。
幹部やボスは捕まったりしたそうだが、もともと下っ端と言うやからはただ『暴れたい』だけのやつらだからな。暴れられればどこでもいい、と言う事で警察の目をかいくぐってここまで来たらしい。
今はギンガ団の一部になっている」
ほぉ。なるほどな。
そう言えばケイが嬉しそうに言っていたような気もする。
『ルビサファの次はシンオウって地方なんだ!』って。
あいつは生粋のゲーム好きだ。ポケモンも最新のヤツをしっかり買っていたし。
「じゃ、次は契約について。
・・・と言うよりあんた本当に知らないの?」
アヤの言葉に頷くオレ。
・・・・そんな「はぁ」とため息をつかれても困るし。
「なんにも知らないでいっちばん強力な契約しちゃったって言うの?
こういっちゃなんだけど、あんた一番最悪の契約しちゃったのよ?」
「は?」
ちょっと待て。今何つった?
冷や汗が頬を伝う。
「ウムゥ・・・。最初から説明した方がよさそうだな」
そう言いながらナナカマド博士は本棚から一冊の本を取り出す。
本の題名は『しんおうちほうのしんわ』
ひらがなで書くなよ、オレは小さくつぶやいた。
2009.3.22 18:18:47 公開
2009.3.22 19:43:17 修正
■ コメント (4)
※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。
12.7.15 01:50 - 森羅 (tokeisou) |
次回はしんわですか 私はシンオウ時空伝説に関しては 結構好きなんですよね 神と呼ばれしポケモンが 空間と時間を作ったり 終いには宇宙を作ったりと 凄くぶっとんでいますが・・・ ミオ図書館にある本に 面白いことがたくさん書いてありますからね それにしても 如月という苗字―かっこいいですね 私の出身は田舎ですから 聞きなれないだけかと思いますが・・・・・・ 非日常と同様に都会にも憧れていますね まぁ 今の生活には凄く満足していますし ほかに欲しいものは何もありませんが・・・・・・ 12.7.13 22:38 - 不明(削除済) (wert) |
こんな晩遅くにコメントありがとうございます! ゆーと、かっこいいですか? それはゆーと君も主人公冥利につきるものでしょう!! 僕もゆーとには特に愛情を注いでいるのでそういっていただけると嬉しい限りです。 ・・・・これからもっとゆーとはた(以下略) スミマセン。ネタバレになりかけました(汗) 毎回丁寧にコメントをくださる篝さんには頭が上がりません。 本当にありがとうございます。 では、今夜は失礼を。 09.3.22 22:01 - 森羅 (tokeisou) |
こんばんは。篝です。 暫く見ていない間に更新がたくさん…! 相変わらずの更新ペースに自分如きでは手も足も出ません; タイトルもよく意味が伝わってきます^^ ゆーとがまた格好良い! 感情が自分のと照らし合わせてみると、たまに一致するときもあったりして自分的に印象強いです。 次回はしんわですか!←平仮名 また意味深な内容が含まれていr(ry …次話に差し支えるとアレなんで以上で!( 少し私用でまた間開いてしまうと思いますが、この更新ペースで頑張って行ってください!次回読んだときのボリュームも多くなりますし!(身勝手 では、楽しみに待ってます! 09.3.22 21:29 - 不明(削除済) (Vlack) |
はい、次回は神話です。といってもシンオウ時空神話ではなくオリジナルのものですが。
シンオウ神話は解釈の幅が広くてとても素敵ですね。軽くぶっ飛んでるのは確かにそうかもしれませんが、それはそれでまた色々な想像、もとい妄想に走ることができてとても面白いと思います。
キサラギの苗字が気に入っていただければ何よりです。彼女が一番適当につけた苗字なのですが……。。
ありそうでなさそうな苗字を基本的に採用しています。薬師寺は別ですが。多分、無いんじゃないでしょうか……。あるのかもしれませんが。
憧れはそれぞれですね。
それでは失礼を。