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毒と科学と人間模様

著編者 : 

プロローグ

著 : 

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「やあ、いらっしゃい。さ、遠慮しないで入ってくれたまえ」


「あぁ、そうだ、その辺に置いてある薬は危険だから触らないように気をつけておくれ。…さて、用件はなんだい?」
「ねぇ、お姉ちゃんは天才科学者なんでしょ?輪廻転生させてくれる薬とかないの?」
「…………。…悪いねぇ、そういう薬は作らないことにしてるのさ」
「なんで?僕はその薬が必要なんだよ」
「運命を変えてしまう薬なんてのは結局不幸になるだけだからね」
「僕は不幸になんかならないよ。寧ろ、その薬を手に入れられないままのうのうと生きてる方がよっぽど不幸だよ」
「へぇ、見た目に似合わず随分と大人びているじゃないか。…じゃあひとつ聞かせておくれよ、なんでそこまで輪廻転生を望むんだい?」
「…僕の大切な人を、死なせちゃったから」
「大切な人?」
「今までずっと一緒に生きてきた僕の大切な、唯一の友達だよ。親がいない同士、すっごく仲が良かったんだ。…だけど…僕が死なせちゃったんだ…」
「…へぇ」
「ちょっとじゃれてて、ふざけただけだったんだよ。…だけどね、僕、まだ未熟だから火の調節ができなくて…。あっという間に火が燃え広がって、慌てて水を汲みに行って、でもね、戻ってきたときにはもう遅かったんだ…」
「…………」
「…だから、僕はまたあの子と一緒に生まれ変わって、もう一回やり直したいんだ。ねぇ、僕にはその薬が必要なんだよ」
「そんなこと言われてもねぇ、大体もしそんな薬を作ったとしても、それが完成したのか失敗したのかわからないしねぇ」
「じゃあ、僕を実験台にしてよ!それならいいでしょ?」
「…そもそも、あんただけその薬を使っても意味ないでしょうが。その子はどうすんだい?このままじゃ、あんただけ転生しちゃうよ」
「…その辺もどうにかならないかな?」
「そこまで面倒見切れないねぇ。ほら、もう諦めたらどうだい?そんなことをしてもその子は悲しむだけじゃないかねぇ」
「…………」

「…ねぇ、信じれば転生はできると思う?」
「…さぁね、その辺はあたしの知るところではないさね」
「…僕はできるって信じたいなぁ…。…きっと、できるよね」
「……なぁ、待て、そこの薬は「…待っててね、お姉ちゃん。絶対あの子を連れて戻ってくるから!」
「──────っ、おい!しっかりしろ!クソ、解毒剤は…」

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2011.8.4  01:03:50    公開
2011.8.4  01:10:15    修正


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