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キミの名を嘆く〜失った”モノ”は〜

著編者 : 窮爽

日記5ページ うち果てた光、舞う涙

著 : 窮爽

イラスト : 窮爽

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「ふん!ゼクロムに敵うはずないわ!」
「…ゾロアーク…ドータクンに化けろ。そして、誰も入ってこれない様に神秘の守りを張れ。」
「は!?……あぁ」

藾がそう言う中、ルイはゾロアークにそう指示いた。ゾロアークは驚いたが、ドータクンに化け、神秘の守りを張った。

「あいつ、馬鹿か!?」

そう言ったのは想現真だった。僕等はかけるが時は遅し。神秘の守りではいる事が出来なかった。
…だけど、三月は本当に誰よりも早く気付いていたので入る事が出来た。

「……三月、後ろに居てください。」
「……」

ルイがため息交じりで言うと三月は後ろの方に行った。

「ゾロアーク、レシラムに化けろ。」
「…お前も度胸あるよな。」

ゾロアークはそう言いながらもレシラムに化けて見せた。

「偽物に負けない!ゼクロム、竜の息吹!」
「こっちも竜の息吹!」

ゼクロムは竜の息吹、ゾロアーク…レシラムも竜の息吹を繰り出した。流の息吹同士でぶつかり、爆発する。

「ハイパーボイス!」
「ゼクロム、こっちもよ!」

またもやお互い同じ技を繰り出す。ハイパーボイス同士は爆発せず、押し合いとなった。
そして、衝撃波が起こった。

「ゼクロム、雷撃!」
「蒼い炎!」

ゼクロムは雷撃、レシラムは蒼い炎を繰り出した。今度はお互いにダメージを受けた。
そして退ける。

「クロスフレイム!」
「ゼクロム、クロスサンダー!」

ゼクロムとレシラムはお互い最強技を繰り出した。そして、強烈な爆発が起こった。

「ゼクロム、竜の息吹!!」
「……」

?どうしたんだろう…
突然、ゼクロムは藾の指示を聞かなくなった。藾がどんなに怒鳴っても聞かない。
と、ゼクロムは藾を地面に下ろし、高く飛んだ。

…主よ、吾はまた眠ることになる。

「は!?何言ってんの!?まだ終わってない!」

ゼクロムの声なのか、そんな声がこちらにまで聞こえてきた。藾はまたもや怒鳴り散らした。

「…またか。」
「え?」

想現真の言葉に僕は首をかしげた。

「…ゼクロムは以前にもこんな事があった。」
「…そうなんだ…」

僕は静かに頷く。…突然なんだね…

…吾はまた主が見つかるまで眠りに着く。

ゼクロムがそう言うとビードロは藾の元から離れて、ゼクロムの前まで来た。

「!?」

…さらばだ。…真実の神の主よ。…またさらばだ。

ゼクロムはそう言うと遠く向こうまで飛び去ってしまった。と、同時に暗かった空は一気に気持ちの良い晴天となった。

「…またな。」

想現真はゼクロムの声に対して答えるように呟いた。

「…ゾロアーク、もういい。」
「…そうだな。」

ルイがそう言うとゾロアークは頷いて元の姿に戻った。

「……あり得ない…あり得ない!!」

藾はそう叫んだ。

「何で?!何でよ!!…なら……」
「?」

藾は途中で言葉を止めた。僕等は首をかしげた。

「ザングース!!」
「!?」

藾がそう叫ぶと、ザングースが急に現れ、その鋭い爪でルイを切り裂いた。

「な!?」

ゾロアークが驚いたからか、神秘の守りは急に解けた。
僕等はすぐに行く。ザングースは僕等にも襲いかかってきた。
ザングースの爪や頬には返り血がついていた。

「うっせぇな!催眠術!」

ゲンガーはそう言いながら催眠術を繰り出した、ザングースはその場で眠り、また藾もその場で眠った。

「おい!しっかりしろ!」
「不意打ちか…思いもよらなかったな…」

ゾロアークはルイの腕を肩に回しながら言った。ルイはそう小さく呟く。

「早く…早く…」

三月は早く病院に行こうと言っているかのようにそれを繰り返していた。

「…三月…無事?」
「…私は…」

ルイは少し微笑みながら尋ねた。三月は静かに頷いた。
と、5つのボールからデンチュラ達が出てきた。皆、心配そうに見ていた。

「……そうだ…あの時…訊きそびれてた…」

ルイはそう呟き、ゾロアーク達に尋ねた。

「…貴方達は……」

『幸せだった…?』

ルイはそう呟いた。…そして、目をゆっくりと閉じた。

「ちょ!?俺達まだ答えてないし?!お前の悪いところは人の話を最後まで聞かない所だ!!おい!!聞けって!!おい!!勝手に寝るな!!まだゲームとか抹茶おごってもらってない!!」

ゾロアークは足を止め、そう怒鳴り散らした。…だけど、瞳からはいっぱい涙があふれていた。

「……お前はな、ポケモン使いが荒い。すぐキレる。すぐからかう。……だけど……」

『…幸せ…』

ゾロアークがそう呟くと、デンチュラ達も頷いた。
それと同時にデンチュラ達も涙があふれた。

「……」

三月はギュッとルイを抱きしめた。そして、瞳から一筋の涙があふれた。
僕も自然と涙があふれた。…流れてない人もいるけど…でも…寂しげで…悔しげで…

そんな僕達とは裏腹に空はいつもより青くて…澄んでいて…雲1つ無くて…

心地よいそよ風が頬を撫でるように優しく吹いていた―

日記5ページ うち果てた光、舞う涙

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2011.7.2  15:54:41    公開


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