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キミの名を嘆く〜失った”モノ”は〜

著編者 : 窮爽

データ16 繋がりし世界

著 : 窮爽

イラスト : 窮爽

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「私はすみれ。…」

私は自己紹介をした後、ラティアスに事情を話した。
ラティアスは暗い顔をすると答えた。

「…駄目。私は守られてる場合じゃない。…向こうの世界のラティオスが大変だから…」
「向こうの世界…?ラティオス?」

ラティアスの言葉に私は首をかしげた。…向こうの世界って言うのは多分…ジュカインが行ってる所だろうけど…

「…この世界では赤き魂、向こうの世界では青き魂があるの。…2つの水晶はそれぞれ守ってくれる人間を選ぶの。」
「で、その水晶との関係は?」

ラティアスの説明に私は質問した。

「向こうの世界ではラティオスを連れて真実の森って言う所に行くの。そこの祭壇に青き魂をはめる。…その水晶をはめた者をラティアスは聖なる地…すなわち神の世界に導かなければならない。…どんなに嫌でも。」
「…じゃあこっちの世界では?」

私はまたもや質問する。…此処ではどんな…

「…この世界では私を連れて奇跡の洞窟っていう所に行くの。そこにある祭壇に赤き魂をはめる。…そこでも同じように私はその者を神の世界に導かなければならない。…ラティオスは自分からじゃなくて…無理やり捕まえられた。…気で分かる。」
「…でも、ラティアスも危ないんじゃ?」

私はラティアスに問いかける。
…だって、そういう事じゃ…

「…えぇ。…でも…そのラティオスを捕まえた者が何か企んでいるのは分かるわ。…私はまだ捕まっていない。…だから今助けに行かないといけない。…向こうの世界に行くために…ミュウ…瞬を探していたの。」
「瞬を?」

私の呟きにラティアスは頷いた。

「…いつもならテレパシーで話せるんだけど…瞬…焦っているみたいで中々話せないの。…それで直接話すために…何で焦ってるのかは分からないんだけど…」
「焦ってる…?」

…瞬が……焦るなんて何かあった…?

「…じゃあ…瞬が見つかるまででも何とか捕まらない様にしないといけないし…」
「………分かった。…私は瞬を探すから…貴方は企んでる奴等を何とか出来るように頑張って。…また戻って来るから。」

ラティアスはそういうとこちらに近づいた。私は頷き、バックからモンスターボールを取りだした。
そしてモンスターボールをラティアスの額に当てた。ラティアスはモンスターボールの中には居る。暫くモンスターボールは揺れ、カチッと鳴った。
…空きを作っておいてよかった…
今手持ちは5体。6体以上だとゲットしても出て来れないし…
私はモンスターボールからラティアスを出した。

「…じゃあ、私は姿を消して探すから。…私は何処に戻ってこればいい?スピードになら自信があるからすぐに着けるから。」
「アリエス地方のリッタンタウンって場所の病院。」

ラティアスの質問に私は答えた。…病院に暫く皆居なくちゃいけなさそうだし…
ラティアスは頷くと姿を消して何処かへと行ってしまった。
…兄さんと合流しないと…
私は兄さんに携帯を掛け、噴水の所で待ち合わせしようと決めた。


「へー、そっか。何とかなってよかったな。」
「まあね。」

噴水の前で合流し、兄さんに先ほどの事を説明した。兄さんは腕組みをして頷く。

「ちょっと、何無視してくれてんの!?」
「あ、忘れてた。」

羅竜の声に兄さんは気の抜けた声で言った。3人は縄で縛られている状態。
……せめて目立たない所にすればよかった…と、普通の人は思うだろう。

「…知らないし。」
「ちょ!?知らないとか言うな!?」

私はそう呟く。それに臥竜はそう言った。
…アジトの場所聞き出す。

「出たよ。すみれの毒舌っぷりが。」
「…兄さんは馬鹿だしね。…で、アジトの場所は?」
「…その流れできますか。」

兄さんの言葉に私はそう言い放った。兄さんの「何だと!?」という声も気に掛けず、私は尋ねた。
鬼柳はため息交じりで言った。

「何だか教える気も失せるわよねー。」
「でもさ、この状態はまずいよな?」
「……此処は…」

3人は短い話し合いを終え、こちらに目を向けた。

「仕方ないわね…以前、私達が幻影で動いてた頃に使ってた島よ。」
「そーいや、あの幹部3人どこ行ったんだろうな。」
「知りませんよ。」

羅竜が説明すると、臥竜、鬼柳は思い出したかのように話していた。
…あの島…

「あ、そっか。サンキューな!じゃ、さっそ『あの!どうしたんですか!?』」

兄さんの言葉を遮り、そんな威勢のいい声が聞こえてきた。その瞬間、兄さんはギクリとなった。
何故なら…

「あれ?その人達は…?って、すみれさん!えっと…貴方は?俺はポケモンレンジャーのカイです。」
「あー…どーもー…俺ー…トオヤって言いまーすー…」

そう。それはカイさんだからだった。隣にはアリアドス。兄さんは汗をたらし、目をそらしながら偽名を名乗った。
私はカイさんに事情を話した。カイさんは驚いた様子。

「そうだったんですか…では、警察署に送っておきますので。…後、シィを見掛けたら教えてください。」
「あ、はい。」
「…言うなよ?」

カイさんの頼みに私は頷いた。兄さんは小声でそういってきた。

「あ、レンジャーさん。その人ですよ☆」
「ちょ!?お前何言ってんだよ!?」
「往生際が悪いな〜?」
「…事実を述べただけですよ。」

突然羅竜は笑顔でそう言った。兄さんは慌てて言い返す。臥竜と鬼柳はそう言った。カイさんは「何!?」と言って兄さんを見た。兄さんは「やっべー…」と呟く。

「んー…じゃ☆」
「お前ぇぇ!!?お前だったのかよ!?ってか逃げんなぁ!!アリアドス!行くぞ!」

兄さんはそういうと走って行った。それをカイさんたちが追いかけて行った。
…ちょ…この3人……仕方ない…

「…今のは気にせず。」

私はそういってサーナイトを繰り出した。3人は爆笑していた。
私はため息をつく。サーナイトのテレポートでアリエス地方に戻り、3人を警察に送った。
そして、私はリッタンタウンに戻った―

データ16 繋がりし世界

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2011.6.30  22:11:08    公開


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