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キミの名を嘆く〜失った”モノ”は〜

著編者 : 窮爽

データ15 護り神

著 : 窮爽

イラスト : 窮爽

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「なー、霰とか雨乞い覚えてるポケモン居ないのかー?」
「居ないし。居たとしても使う気無いし。」

後ろから兄さんがだるそうな声で言ってきた。私は歩きながら振り向かずにそう答えた。
此処はアルトマーレ。サーナイトのテレポートでアルトマーレに来たのだ。
とりあえず私は資料館に来て、ラティアスやラティオスの事を調べていた。そこに兄さんが話しかけて来たのだ。そして、一緒に行動している。
資料ではアルトマーレには秘密の裏庭があって、そこにラティアスやラティオスがよく来ていると書かれていた。
それで外を歩いて怪しい所などを探しているのだ。
アルトマーレでもやはり暑い。強い日差しが降り注ぐ。
…兄さんは暑いの嫌いだしね。…寒いのも嫌いだけど。

「それより、ちゃんと探してよ。」
「探してるって。…って言ってもさぁ、そう簡単には見つからないだろ。」

兄さんは両手を後頭部に当てながら言った。
…まぁ…そうだけど。

「ピジョットかぁ…こんな暑いのによく景気よく飛べるよなぁ…」
「兄さんとは違って暑いのには強いだけでしょ。」

兄さんは優雅に飛ぶピジョットを見つめながら呟いた。私はため息交じりで言った。
ビリリリ!!
突然真横に電撃が走った。その電撃はピジョットに向かっている。ピジョットはそれに気付き、素早くかわした。

「あー!何でかわすの!?」
「後ちょいだったのにな!」
「…そんな事言ってる場合ではなく、早く終わらせましょう。…ん?」

そんなとき、聞き覚えのある声が聞こえてきた。振り返るとそこには3つ子が居た。
悔しがる羅竜と臥竜に対し、鬼柳はそう落ち着いた声で言った。と、こちらに気付く。

「は!?何で居んの!?って、そんな場合じゃない!行くわよ!」

羅竜がそういうと2人は頷いた。
するとピジョットは急にとてつもないスピードで川の上を飛んで行った。
「速っ!?」と兄さんが驚いた様子で言った。
3人はメタモンを繰り出し、ドンカラスに変身させた。そして、3人はそれぞれのドンカラスに乗り。後を追って行った。

「おし!エアー!行くぞ!」
「あぁ。」

兄さんはエアームドを繰り出し、跨った。私はクロバットと入れ替えたスワンナを繰り出し、跨った。
私達も後を追う。スワンナはスピードなら相手には負けない自信がある。
スワンナはどんどん進み、3人を抜かしてピジョットの横に来た。

「…まさかだとは思うけど…ラティアス?」
「……」

私は聞こえるぐらいの声でピジョットに尋ねた。
ラティアスやラティオスは人間やポケモンの姿になれると言われている。
ピジョットは黙り込んでいた。

「あ、この人は敵じゃないざますから。というか、すっごくいい人で強くてツンデレざますの!」
「…まぁ、そういう事。敵じゃない。」
「…ブッ…」

スワンナは相変わらずの変わった口調でそう言った。…ツンデレじゃないと思うんだけど…
私は少し顔を引きおつらせながら言った。ピジョットは少し吹き出す。

「ちょっと!邪魔しないでよ!?」
「そんなの知らないし。…ランターン、放電。」

羅竜がそう文句を言ってくるが私はそう返し、ランターンを繰り出した。ランターンは3匹のドンカラスに向けて放電を繰り出した。放電は3匹に見事ヒットし、川に落ちてしまった。
私はランターンをボールに戻した。そして兄さんに携帯を掛けた。

「…あ、もしもし。」
『お前早すぐる!?』

兄さんはそう驚いたような声で言った。

「…で、多分もう少ししたら川に3人居るかもだからテキトーに捕まえといて。」
『OK!俺、本来なら捕まえられる方なんだけどな!』

私の頼みに兄さんはそう笑顔でこたえ、電源を切った。
…確かに。私はピジョットを見た。

「……私は…ラティアス。…ついてきて。」

ピジョットはそういうと私達の前方を周った。
スワンナと私は後を追う。すると壁の行き止まりが見えてきた。
ピジョットはその壁に…入り込んだ。
…もしかしたら…

「じゃ、同じように。」
「ちょ!?私が大けがしたらどうするざますの?!というか、昨日の怪我…少し残ってる状態ざますのよ!!」
「…ゼブライカの十万ボルト、受けさせること出来るけど。」

私はボソリと呟いた。スワンナは眼をそらして「分かった」と言った。
そして、壁に向かって飛んだ。
…壁はすりぬけ、そこにあったのは大きな庭だった。木にはブランコがある。
私はスワンナから降りて、お礼を一言言うとボールに戻した。

「此処は秘密の裏庭。」

ピジョットの声が聞こえ、振り返った。
そこにはラティアスの姿があった―

データ15 護り神

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2011.6.30  20:28:04    公開


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