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キミの名を嘆く〜失った”モノ”は〜

著編者 : 窮爽

データ14 始まりの稲妻

著 : 窮爽

イラスト : 窮爽

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「どーするのー?」
「なら…!何処か別の場所に…!」

藾が上から問いかける中、ゾロアークはフーディンに化けた。
そして、ゼクロムとテレポートしようとしたが…
ゴシャァン!!!

「グッ!?」
「おぉ♪ハイパーボイス!凄い威力ね〜。」

突然ゼクロムはハイパーボイスを繰り出した。
それはかなりの威力でゾロアークはその場に倒れ込んでしまった。
三月は慌ててゾロアークに駆け寄った。

「…別の子を…」
「…いや…別の奴らでも…」

三月は別のモンスターボールを取ろうとしたが、ゾロアークは首を横に振った。
…っ…どうする…

「……」

ふと想現真の方を見た。
見ると手にビードロがあった。だけど、迷っている様子だった。
…確かにゼクロムにはレシラムが互角だけど…テレポートで別の場所に移動できないし…
こんな所で2体が暴れれば町は壊滅状態になるだろう。

「あの……」
「…待って。まだ…何か手があるはず…」

紗奈は赤き魂を手に話しかけてきた。
私はそういって考えた。
……何か…何か…

「…ふぅん…じゃ、ゼクロム。やっちゃっていいからね?」
「?!ま、待ってください…!」

藾の発言に紗奈はそう言った。
だけど、藾は知らんふりしてニヤリと笑った。

「グォォォ!!!」
「一回、どーなるか見てみれば?」

ゼクロムの雄叫びと同時に藾はそう呟いた。
とにかく…!

「ソーナンス!出来る限り広い範囲で神秘の守りで耐える!」

私はとっさにソーナンスを繰り出した。
ソーナンスは神秘の守りを繰り出した。範囲は何とか街をギリギリ包み込むぐらいだった。
ゼクロムの雷撃が神秘の守りにぶつかった。
ジリジリと削れるような音が聞こえる。街の人たちは先ほどより喚いていた。
バリンッ!
そんなガラスの割れるような音が聞こえた。
そして青い光があたりに広がった―


「……」

…う…
私はゆっくりと目が覚めた。あたりは赤い夕焼けに染められていた。
少し体が痛む。…神秘の守りのおかげ…か…

「…ソーナンス…」
「…ん…?」

ソーナンスはムクリと立ち上がり、首をかしげた。
……

「…ありがとう。…ゴメン。」
「…どーいたしまして。…最後の言葉は余計だと。」

私の言葉にソーナンスは優しく微笑み、そう言った。
私は微笑み返し、ソーナンスをボールに戻した。
…あ…そうだ…

「……」

…これを見たのは…2度目だろうか…
街は街ではなかった。ただ、破片や炭…ただ荒れた所でしかなかった。
…辺りを見渡す。
人々が…さっきまで動いていた人々が…倒れていた。
動く気配もなく…生きて居る気配もなかった。
自分達は神秘の守りを放っているソーナンスの近くに居たので何とか助かったのだろう。

「じゃ、貰って行くわね?」

そんな今では悔しい思いしか浮かんでこない声が後ろから聞こえてきた。
私は振り向く。そこには赤き魂を持った藾が居た。

「ゼクロムもスッキリして帰ったみたいだし…赤き魂も手に入れたしね。…後はラティアス…ふふっ、中々面白かったわ?劇。ホント、こっちが笑顔になっちゃう♪」
「……」

藾の発言に私は怒りを覚えた。
…いっそ、殺してしまおうか。
そんな思いが脳裏によぎる。…だけど、思いつきでやる訳にもいかない。
…落ち着け…落ち着け…これは…挑発でしかないはず…

「じゃ、私帰るから♪アジトの場所、教えられなくてごめんなさいね♪」
「……」

藾はそういってネイティオを繰り出した。
ネイティオのテレポートで藾は去っていった。
…とにかく今はこの状況を何とかしないと…
私がそう感じていると警察達やポケモンレンジャー達、救護の人たちがやってきた。
一命を取り留めたのは私達と街の人たち2〜3人だけだった。サイトやポケモン達は何とか怪我だけで済んだ。
今は皆、リッタンタウンの病院のベットで寝ている。
私も少し手当てを受けた。
そして、ベットに座り、窓の外を眺めた。
…ラティアス……ラティアスだけでも…奴等に捕まらない様に…

「…ラティアスが…まだ…誰のでもないラティアスが…奴等のモノになってしまうのだったら…」

私が…ゲットする。
ゲットと言ってもこの件が終わればまた自然に戻すつもりだ。
…ラティアスが居る確率が高いのは…

「…アルト…マーレ…」

私はその都の名を呟いた。
…明日…明日出発しよう…
…そして…絶対…勝つ…
私はそんな決意を胸に眠りに就いた―

データ14 始まりの稲妻

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2011.6.29  00:49:44    公開
2011.6.30  19:49:19    修正


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