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キミの名を嘆く〜失った”モノ”は〜

著編者 : 窮爽

データ12 果たせぬ思い〜前編〜

著 : 窮爽

イラスト : 窮爽

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…そう…俺達は…守れなかったんだ…


「……」

ん?どうしたんだろうか?
俺はいつもの様にルイのモンスターボールの中に入っていた。
ポケモンって言うのは結構敏感でトレーナーの異変もすぐに分かる。
俺はモンスターボールから出る。

「どうした?」
「…ゾロアーク、貴方は昔から御人好しですねぇ…」

ルイはそう苦笑して呟き、歩いた。
俺も横を歩く。
ルイとは長い付き合いだ。こいつと出会ったのは雨の日だった。
俺がゾロアの時、ドシャぶれで雨宿りする場所を探していた。
…街に迷い込んだからな…
そこに俺と同じく、まだ幼いルイが小さい黄色い傘をさしてやって来た。
そして、俺を拾ってポケセンの中に入り、タオルで丁寧に拭いてくれた。
その時からコイツはぶっきら棒で、自分から拾っておいて『手間を掛けさせるな。』とか言っていた。
その後、俺はこいつに着いて行った。そして今に至る。

「どうしたのか言わないなら俺にお茶とゲームおごれ。」
「生意気ですねぇ。…本気じゃないでしょうね?」

ルイはため息交じりでそう言った。
…たまに本気で言う時もあるけど、今日は違う。ジョーダン。

「…ゾロアーク、貴方は…」
「?」

ルイはそう…本当に耳を澄まさないといけないほどの小さな声で言った。
俺は首をかしげた。
ルイが次の言葉を発しようと口を開いたその時だった。

「こんな所に居たのね?」
「…しつこいね…」

そんな忌々しい声にルイは口調を変えて言った。
…俺も嫌いだ。…他人を物としてしか見てない奴なんて…
藾は茂みから出てくる。と、その周りには下っ端共が大勢居た。

「…等々強制になったんだ?」
「ん?悪いだって貴方が頑固なんだもの。…あのシンオウの3匹は3つ子に任せてるしね…あーぁ、貴方がもっと素直だったらこんな事するつもりは無かったのに?」
「グルル・・・」
「そのゾロアーク、凄い威嚇してくるわね?」

藾は不敵な笑みをこぼしながら話した。
…ふざけるなよ…?
俺は藾に対して体制を低くして威嚇した。

「…本当の人形になってたまるか…」

ルイはそう呟き、モンスターボールを5個手にした。
藾達はもうとっくにモンスターボールを構えている。
俺も戦闘態勢に入り、いつでも戦闘できる状態にしていた。

「ふぅ〜ん…数で勝てるとは思ってないけどさぁ…やっぱり、貴方って素直じゃないわよね?」
「五月蝿いよ。」

藾の言葉にルイはそう低いトーンで言った。
奴等は藾の言葉と共にポケモンを繰り出していた。
…全体技を出せば大丈夫。
ルイも残りの皆を繰り出した。

「全体に効果のある技を使え!」

ルイはそう指示をした。
俺達は全体に聞く技を繰り出していく。
奴等も技を繰り出した。
そして俺達の技と奴等の技がぶつかり、爆発が起こった。

「?!」

この時、体に異変が起こった。
…麻痺だ。見ると痺れ粉が上から降ってくる。
それはラフレシアのものだった。
!そうだ!!
俺達は痺れる体ながらもルイの方を見た。
あいつも痺れ粉を受けたようだった。

「…素直になればいい話なのにね…?」
「…チッ…」

藾の言葉にルイは舌打ちを打った。
負けてたまるか……あの…ガーナ地方での…事…
あの時みたいに…コイツを…利用されてたまるか…!
…単に俺がフーディンに化けてテレポートをすればいい話なのだが、そうには行かない。
…コイツは逃げる気配がない。そう。戦おうとしている。だから…俺達も戦う。

「皆!行く『待て。』」

俺が皆に掛け声を掛けようとしたが、ルイの声で遮られてしまう。
…なんだ?

「…とりあえず、ゾロアーク以外は戻れ。」

ルイはそういって5個のモンスターボールを手にした。
皆は驚いたが、頷いてモンスターボールに入った。

「ちょっと待ちなさい。」

奴等は今のうちに攻撃を仕掛けようとした。
だが、藾は表情を変えずに辞めさせた。
ルイはバックからゆっくりと麻痺治しを取り出して、俺に吹きかけた。
俺の体から麻痺はみるみるうちに取れていく。
…?

「お前は?」
「…ゾロアーク、よく聞け。」

ルイは真剣な眼差しでそういってきた。
俺は頷いて耳を澄ました。

「…これをとりあえず持て。」
「?…」

ルイは5個のモンスターボールを俺に差し出して言った。
俺は疑問に感じながらもモンスターボールを受け取った。

「…いいか?お前はフーディンに化けて皆と此処から遠くにテレポートするんだ。」
「皆?お前もだろ?」

ルイの言葉の意味がよく分からず俺は尋ねた。

「…違うさ。…お前達、ポケモン達だけで逃げるんだ。」
「…は?何で?」

俺は訳が分からず、尋ねた。

「……コイツは俺1人で片付けないといけない。」
「だから俺達も『まだ分からんか。馬鹿狐が。』」

ルイはそう言ってきた。
は?誰が馬鹿狐だ。

「…本当はお前達は関係ないだろうが。…だから。」
「…だが断る。」

ヤダ。
そんな2文字の言葉が俺の脳裏によぎった。

「…物分かりが悪い狐だね……なら…」

ルイはそういって俺のモンスターボールを手にした。
…?何をする気だ…?
ルイは無言でモンスターボールを地面のポトンと落とした。
ガシャン!!
ルイは俺のモンスターボールを思いっきり踏みつけて粉々にしやがった。

「!?何すんだ!!この紅茶馬鹿が!!」
「ふん。何度でも言えよ。分かったならとっとと失せろ。この馬鹿狐が。」

ルイはそう言って、鋭い目つきで俺を睨みつけてきた。
…ヤダ…

「分かったよ!!じゃあな!!」

…ヤダ。

「もうお前とは会わないから!!」

…ヤダ…
そう思うけど頑固な自分が表に出てしまっていた。
…そして、俺は皆とその場から去った―


…何で…守れなかったのだろう…
…あいつが何でも1人で背負おうとする性格だってわかってるのに…
助けてやれず…
あいつはぶっきら棒だから…あの行動の意味は…分かる。
…だけど、それを受け止められなかった―

データ12 果たせぬ思い〜前編〜

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2011.6.26  23:25:43    公開
2011.6.26  23:28:04    修正


■  コメント (2)

※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。

ユランさんへ
そういう出会い方だったんですよ^^…そうですよ?それは小さい頃だけh(蹴られ
藾「私持ってるよー?写真♪」
ルイ「…即効捨てろ。」
いいじゃん…あ、ありますよww私も頭の中でもうコマーシャルとかアニメとかOPとかEDとか…(おい
藾「私以外の女子男子は人形でしかないし、結婚とか興味ないの♪あ、別にムックル送らないでいいよww」
お前何言ってんだ(汗
藾「いやぁ…あれは馬鹿でしょ。私は別に間にあうとか無いからww」
お前、何気に酷い事言うなよ!?
これから先が私もやばくなって来たような気が…(汗
コメありがとうございました!それでは!

11.6.28  18:51  -  窮爽  (monoraru)

こんにちは〜w
なるほど、そういう出会いでゾロアークはルイといっしょなわけですね・・・何気に優しいんですね。あ、いや、小さい頃はと言ったほうが((アイアンテールくらい
イーブイ「マジで!?アニメ化して、ルイさんの幼少時代の顔を見たい!!」
あーアニメ化とかしたいwwってたまーに思うんですよね。妄想でよく、小説をアニメにしてwww((何を普段から考えている
藾出たァァァァァァ!!こいつ・・・
ニーナ「マジでしつこいですねぇ〜、だから未だに結婚できないんですよぉ〜?^^」
ホークル「それは拙いな・・・今すぐムックルを送る。暫し待っててくれ!」
・・・あ、久しぶりィィィ〜〜〜〜〜っっにホークルの、もう1人の性格がwwwすっかり忘れてたは、今まで((ぉぃw
ゾロアーク以外は戻れ・・・?え、ちょ、何してるんすかルイさんんんん!!!!????
ブースター「これが・・・本当の思いやりというものだね・・・」
オド「ルイさん、これからどうなっちゃうの?」
マリ「藾・・・ルイのように、まだ間に合うというのにのぉ・・・」
ただのドS&毒舌強がり君だと思っていたけど・・・グスン、本当は思いやっている人だったんだね・・・絶対に居なくても、忘れないよ((おい待てw
ちょっと、これから先心配すぐる・・・
それでは、続き読みますね〜ノノ

11.6.28  18:02  -  papiko  (papiko)

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