ポケモンノベル

ポケモンノベル >> 小説を読む

dummy

キミの名を嘆く〜失った”モノ”は〜

著編者 : 窮爽

データ5 真実を知る者

著 : 窮爽

イラスト : 窮爽

ご覧になるには、最新版の「Adobe Flash Player」が必要です。 また、JavaScriptを有効にしてください。

「あ…はい…喋りますんで…えぇ…」

基地。
そう情けない声で言うのは昨日リンキョウシティで安藤達が捕まえた男。
その他の奴等は頷いている。
俺はその様子をただ他の奴等を見ているだけ。
…三月、何故これには怯えない。
何故この状況になっているかと言うと、今から数分前―

「いや、喋ってくれるだけで言い…から。」
「痛っ!?次は足ですか!?足なのですか?!」

男達に吐かせようとすみれは安藤の足を思いっきり踏みつけながら言った。
安藤は涙目でそう言った。すみれはそれに耳を傾けようとしない。
…御愁傷さまだ。

「意地でもしゃべらない!」

1人がそう言うと他の奴等も頷いている。
…結構口堅いな。

「往生際が悪いですよねぇ…」
「…うん。」
「ルッちゃん、相変わらずだねぇ〜。」
「…五月蝿いよ。カマが。」

ルイの言葉に三月は頷く。
莉紗がそう言うと、ルイはいつもとは違う口調でそう一言言い放った。
そこから数分後。これだ。
三月は平然としている。

「えっとぉ…多分、知ってるのは俺だけだと思うんですけど…」

そう言ったのはあの馬鹿3人組と一緒に居た男だった。

「あのー…羅竜さん達から聞いた話なんですけど…まず…狙ってる物があるらしくて…『さっさと話せば?聞いてるこっちが苛々してくる。』」

そう言ったのはすみれだった。
男は『ヒィっ!』と声を出す。
…さすがせっかち。

「それがラティアスとラティオスらしくて、2つの水晶を狙ってるらしいんですぅ!!」

男は半ば涙目でそう言った。
…ラティアスとラティオス……

「その2匹と水晶は何の関係があるんだ。」
「そこまでは訊いてないんですけど…あ。なんだか…前、立ち聞きしたことなんですけど…何だか孤界門?だったかなぁ…それを使うとか何やら…あと…ジラーチとか…」
「はぁ!?」

男の発言に俺以外の奴等はそう声を出した。
まぁ…訊いた事あるっちゃぁあるけどな…20年ぐらい前だっけ…?

「てか、想ちゃん何でそんなリアクション薄いねん!?」
「こんな時にそれで呼ぶなよ!?」

誠がそう言ってきて、俺はそう言い返す。

「…詳しくは。」
「へ!?そ、っそそそ、それは分かりません!!!」

すみれは獣のような鋭い目で男を睨みつけながら尋ねた。
男は怯えた様子で答える。
聞き出せたのはそれぐらいだった。奴等は警察署に連れて行かれた。
…まぁ…あの3人組から聞き出せれば早んだけどな…

          ○●○

「……」

夜中。
私は公園のベンチに腰を掛けた。
そのベンチはもう1つのベンチと背中を合わせるようにしてあった。
…そう言えば…

「…あの時…」

…あの時、光を差し込むために捧げた代償…
それは今でも覚えてる。

「おや?奇遇ですね?」

そこに気の抜けるような声が聞こえてくる。
ルイだった。
ルイは後ろのベンチに腰を掛けた。

「いや、あの時の事が引っ掛かってまして?」
「ふぅん…」

私はそう呟く。
…あの事件の本当の事を知っているのは私とコイツだけだ。

「……」

暫く気まずい空気が流れた。
…ハッキリ言ってしまえば、原因はルイなのだ。
別に気にしていないと言ったとしても、相手は開き直るはずがないだろう。むしろ、暗くなってしまうだろう。

「…まぁ、そいつ等が有利にならない様にすればいい話なんですがね?」

沈黙の中、ルイはそう呟いた。
…まぁ、そう言う事だけど。

「…僕以外に利用する奴が居るなんて思いもよら『そこのお二人さん?何か知ってるみたいね?』」

ルイの言葉を遮り、聞き覚えのある子がした。
反射的にモンスターボールを構えた。
そこには羅竜たち3人が居た。

「…あの人から聞いてましたけど…その通りだったようです。」
「いっちょ、久しぶりに見せ場作るか。」

鬼柳と臥竜もそう言ってモンスターボールを構えた。
羅竜はとっくに構えていた。

「この際、このままブッ倒して、聞きだしましょうかね?」
「異議なし。」

そして、バトルは始まった―

データ5 真実を知る者

⇒ 書き表示にする

2011.6.19  20:46:34    公開


■  コメント (0)

コメントは、まだありません。

コメントの投稿

現在、コメントは受け付けていません。


<< 前へ戻るもくじに戻る 次へ進む >>