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キミの名を嘆く〜失った”モノ”は〜

著編者 : 窮爽

データ4 やる時

著 : 窮爽

イラスト : 窮爽

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暫く走って、逃げる男が見えてきた。
すると、男はヒョイっと曲がり角で曲がった。
俺達はその曲がり角を曲がって後を追う。

「この先は確か、氷屋敷だったな。」
「氷屋敷ってなんや?」

藻葡が呟いた言葉に誠さんは首をかしげた。
俺は誠さんに簡単に説明した。

「氷屋敷と言うのは、大きな屋敷の中に氷が張られているんです。その中に色んな部屋があって、氷でできた鏡が並ぶ氷鏡の部屋や床が一面凍っている氷床の部屋などがあるんです。」
「そうなんや〜。」

誠さんは理解したようすだった。
氷屋敷は観光客などで人気だ。

「…飛行タイプのポケモンに先に行かせますか。」

すみれさんはモンスターボールを手にそう言った。
俺達はそれに賛成する。
すみれさんはクロバットを出し、男が走ったほうへと先に行かせた。
やはり、たどり着いたのは氷屋敷だった。
その前にクロバットが俺達を待っていた。

「この中に入って行ったぜ。」

クロバットがそう言うとすみれさんは一言小さくお礼を言って、ボールに戻した。
…結構中は広いからな…探すのには時間がかかりそうだな…

「じゃあ、ゴーストタイプのポケモンに探してもらいましょう。屋敷ではゴーストタイプは有利ですから。」

すみれさんの提案にまた俺達は賛成した。
誠さんはゲンガー、すみれさんはシャンデラ、藻葡はユキメノコを出して、先に探しに行かせた。
俺はゴーストタイプを持っていないので、出さない。
2手に分かれて探すことにした。
俺は誠さんと、すみれさんは藻葡と探すことになり、それぞれ別の方向へと探しに行った。

「うっわ、さっむ!!」
「大丈夫ですか?あの、これ飲みますか?」

誠さんはぶるぶると震えながら言った。
俺は誠さんに暖かいレモンティーが入った水筒を差し出した。
誠さんは「おおきに。」と言うと、水筒を受け取って、コップに注ぎ、飲んだ。

「それにしても不思議な屋敷やなぁ。」
「氷って透明ですよね?氷が周りに張られることによって不思議な感覚になるそうですよ?ほら、鏡の迷路みたいな感じだそうです。」

俺が説明すると誠さんは手をポンっとさせて、「なるほどな〜。」と言った。
一番人気が氷鏡の部屋だ。鏡の迷路をモチーフにして作られたそうだ。

プルルル

俺のライブキャスターの音があたりに鳴り響いた。
俺はライブキャスターを取り出して、電源を入れる。

『こっちに居たんで、来てください。場所は管理室です。』
「分かりました!」

すみれさんからだった。
話している間でもバトルのような音が聞こえてきた。
ライブキャスターを切ると、俺と誠さんは管理室へと向かった。
走っている途中でお客さん達が出口に向かって走っていた。
恐らくここの営業員が出るように言ったのだろう。
そんな人々の中を走り、管理室へとたどり着いた。
中でバトルの音が聞こえてくる。
俺は扉を力強く開けた。
そこには3つ子と男。すみれさんと藻葡が居た。
そして、シャンデラ、ゲンガー、ユキメノコが集まっていた。
見ると、すみれさんのゼブライカと藻葡のバイバニラが4匹相手にバトルしていた。
4匹出せばいいのにと普通の人は思うだろう。だが、すみれさんはトレーナーの頂点、藻葡はジムリーダーなのだ。

「ゼブライカ、十万ボルト。」
「バイバニラ、吹雪。」

ゼブライカの十万ボルトとバイバニラの吹雪は全体に広がる。
十万ボルトと吹雪が美しく交わり、しかも4匹に大ダメージを与えている。
コンテストだったら絶対高得点を狙えるだろう。
4匹はあっという間に戦闘不能になってしまった。

「あー!ったく!メタモン、フーディンに変身でテレポート!」
「エルレイド、サイコキネシス!」

俺はとっさにエルレイドを繰り出した。
エルレイドはサイコキネシスを放ったが、その時はもう遅し。
テレポートで去っていってしまった。…が。

「あれ!?俺は!?」

男だけが残されていた。
…御愁傷さま。
俺はそっと呟く。
当然のこと、男を捕まえてリキアスタウンへと戻る。フリージオはあの3つ子が持っていってしまったようだった。女性には「必ず取り返す」と約束をした。
屋敷から出る間、すみれさんと藻葡はいつものように仲が悪く、何かと言い合いには見えない言い合いをしていた。

…はぁ。ウザい奴が消えた。
リキアスタウンへ戻ってきて俺はホッとする。
皆さんはもう戻ってきていて、数人ぐらいは捕まえていた。
今日の所はここまでにしようと、聞き取りは明日にして、それぞれ部屋に入った。
俺とすみれさん、勇騎さんと堪楙さんは屋敷に戻った。
サイトさんが出迎え、夕食をした後、部屋に戻った。

「…あー、ストレス溜まった…」

俺はそう呟き、部屋に入る。
…と言うか、すみれさんは何であんなにも仲が悪い奴と息がぴったりにバトルなどが出来るのだろうか。
俺は気になって、訊いてみることにした。

「あのー…失礼しまーす。」

俺はそう言って部屋に入った。
すみれさんはクルリと回転椅子を動かして、こちらを向いた。

「なんです?」
「いや、ちょっと気になった事があって。」

俺は気になっていた事をすみれさんに尋ねた。
その答えは予想外にも即答だった。

「だって、やらないといけないじゃないですか。」

すみれさんはきっぱりと言い切った。
まぁ、確かにそうだけど…

「でも、何でそんな息が合うんですか?やらないといけなくても中々うまくいかないんじゃ?」
「いや、その時はその時。やる時はやる時。やる時にそんな仲が悪いとか関係ないじゃないですか。」

すみれさんはそう答えた。
…やる時…か…まぁ、そんなこと気にしてる場合じゃないって事だよな?

「ま、安藤さんもそう言う事を考えてやるべきだと思うんですが。」

すみれさんはため息交じりで言いながらクルリと回転椅子を動かして机の方へと向けた。
…それが出来れば苦労しませんって…
そう感じながらも俺は部屋を出て、戻った。
そして、眠りにつく―

データ4 やる時

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2011.6.18  15:12:49    公開
2011.6.18  17:22:46    修正


■  コメント (2)

※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。

ユランさんへ
事実ですから(^−^)
藻葡「いや、俺はナルシじゃないね。」
安藤「いーや、ナルシだ。」
ホークルw氷屋敷は駄目そうだねwというか、マジで三途の川行きだったなw
誠「うっわ、危なかったでぇ…」
安藤「レモンティーは常に持ってますから。(-_-メ)」
何だ、その顔文字w
あ、私もありますよw私信じて突っ走ってたらそのまま鏡にww
安藤「…馬鹿d「いや、違う!」風鈴
おいwお前等www
鬼柳「なんでしょうか。」
こいつ、滅茶苦茶可哀そうなんだが(汗
羅竜「あぁ、居たの。忘れてたわ。」
男「酷っ!?」
臥竜「しゃーない。お前影薄いんだから。」
うわー…酷いな、これは(汗
こいつ、久々に落ち着いた発言しましたよ。
すみれ「だってそうじゃないですか。」
安藤「難しいと思うんですが…」
ま、慣れて行けばいいのさ☆
コメありがとうございました!それでは!

11.6.19  12:16  -  窮爽  (monoraru)

こんにち・・・おはようございます〜
挿絵の紹介文がww意外とイケメンなのに、ナルシwwそれでは、早速読みますね・・・

ふむふむ、氷屋敷・・・何だか面白そうですね♪
ホークル「あー氷とかマジ無理だしマジ寒いしマジ頭可笑しくなるしマジ『どんだけ嫌なんだよ!!byユラン』
逃げる男は・・・いったい何をしたいんですかね?ムムム...(悩
おぉ!!用意周到、安藤さん流石ですね!!今回はレモンティー(=ー=)
オド「危ない危ない、このまま凍え死んでたら今頃、三途の川渡っちゃってるよね、誠さん」
うん、そうだ・・・(゜〇lll)
鏡の迷路!あれやった事ありますが、下手すると私のようにそのまま気づかず、真正面に突き進んでいたら正面衝突しますから、気をつけてくださいね!?
サンダース「いや、それはただ単にぼーっとしてただけなんじゃ・・・」
いやいや!だってあそこのジムは氷だらけでめっちゃまy((ry
男だけ取り残されたwww
ニーナ「きっと影が薄くて忘れられてしまったんですねぇ・・・私からもご愁傷様ですぅ」
影が薄いんだかは知らないけど、とりあえず一件落着ですね★
すみれ・・・何か凄い大人っぽい発言・・・(頷きながら
それでは、続き頑張ってください!!!

11.6.19  10:05  -  papiko  (papiko)

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