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キミの名を嘆く〜失った”モノ”は〜
おんぷ12 もう1つの標的
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「そう言えば、昨日の2匹意外にも居るのか?」
森を歩く途中、ジュカインをキルリアに尋ねた。
「今のところ、あの2匹しか見かけないが…他にも仲間はいると思う。」
「そうか…」
確かに2匹の竜を狙うなんてただ事じゃないんだよね。
それを考えるとあの2匹だけじゃないってことかぁ…
僕はそう勝手に納得した。
…それにしても…
「それにしても、いざ探すとなると見つからないもんだね…」
「面倒な奴らだな…」
キルリアはボソッと呟く。
…面倒だから今まで困ってたんじゃないのかな…
僕は密かにそう感じた。
「…場違いな話だとは思うが、おま―」
ビシャアァ!!
突然水鉄砲がキルリアの顔面に直撃した。
見事にびしょ濡れである。
うわぁ…でも、何で…?
「外れ〜♪」
そんな気軽な声が向こうから聞こえてきた。
は、外れって…
僕等は声のする方へと走って行った。
たどり着いたのは気が囲むようにして出来た小さな野原だった。
そこではミズゴロウがミロカロスに絞めつけられていた。
「さあて、”あれ”を渡して『水鉄砲放ったのどっちだ!?』」
突然キルリアがとび蹴りをしながら怒鳴った。
それはミロカロスの顔面に直撃する。
そしてミズゴロウは解放された。
と、いきなり―
「お前か?水鉄砲出したのは?」
「え、えっと?は、はい…すみません…」
キルリアはミズゴロウを睨みつけながら尋ねた。
ミズゴロウは頼りなさげに謝った。
…そんなにイラついてたんだね…
ジュカインはため息をついていた。
「ちょっと、アタイの顔に傷つけるなんていい度胸してるじゃないか?」
「知るか。というか、お前はゲンガーとマニューラの仲間か。」
キルリアはそう尋ねた。
ミロカロスは尻尾の先を扇のように使い、口元を隠すようにして言った。
「どうだろうね?アタイ等を倒してから聞きな?ダゲキ、やるよ。」
「承知。」
ミロカロスの言葉と共にダゲキが現れた。
この2匹は昨日の2匹の仲間かも…
「さて、アタイはこの生意気なガキをからかってやろうかな?」
「五月蝿い。婆。」
すでにミロカロスとキルリアは敵対心をむき出していた。
こ、怖い…というか婆って…
「奏音、お前はそいつを連れて家に戻れ。おれはこいつを倒す。」
「う、うん!分かったよ!」
「……」
ジュカインはそう言ってダゲキと向き合った。
ダゲキは静かに前を見ている。
僕はミズゴロウのそばに駆け寄った。
「大丈夫?」
「は、はい…」
ミズゴロウは小さく答えた。
でも、何でこの子が…それに、”あれ”って…
「とにかく、ジッとしてて!」
「は、はい。」
僕はそう言ってミズゴロウを抱きかかえ、羽を広げてツリーハウスへと飛んで行った。
よし!ツリーハウスが見えてきた!
「シャドーボール!」
「!?」
声と共にシャドーボールが襲いかかって来た。
僕はとっさにかわす。
そしてツリーハウスまで降りて、ミズゴロウを家の中に入れた。
「ここでジッとしてて!」
「わ、分かりました…」
僕は家を出て暫く走り、立ち止って周りを見渡した。
そして、それはフッと現れた。
「なーんか、俺等が担当する奴が見つからなくってよぉ、マニューラと2手に分かれてんだけどよぉ…つまんねぇんだよなぁ。…ちょっと、暇潰しに付き合ってもらうぜ?」
「お前は…!」
そこに現れたのは昨日のゲンガーだった。
僕は腕を光らせ、身構えた。
とにかく、早めに終わらせないといけない!
![おんぷ12 もう1つの標的](http://img.yakkun.com/bbs/novel/u/n4197_17.png)
2011.6.15 22:13:20 公開
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