
友の消えた世界/裏切りの討伐者
エピソード19 商人を探して
著 : スーパーミラクルゼリーさん
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そういえば、モーレックってクロスたちの住宅とか生活域とかを知っているくせに、モーレック自身はどこに住んでるの?情報はどうやって得たの?とか謎が多すぎる。それを最初から探してたらキリがないし、先にオイモ探した方が早い。でも、モーレックにはお世話になりまくってるし、改めてお礼が言いたい。それに、どこから自宅の情報を得たのか気になった。まぁ、オイモがどこにいるのかの情報が聞きたいっていうのが一番なんだけどね。
クロスたちは、街の旅ゆく人にモーレックの特徴を聞いて回った。
「こんな感じの商人で・・・。」
「謎なものを売り歩いていて・・・。」
ほとんどの人は首を傾げたが、とあるアルクジラを連れたトレーナーが
「あぁ、なんか見かけた気がするなぁ。だいぶうろ覚えだけど、ここから先に行った森で見かけたなぁ。なんか売ってたけど、オーロットから逃げてて、詳しいことは覚えてないんだよね。本店ではなさそうだったかなぁ。」
うろ覚えでも、とんでもなく大きな情報であることに変わりはない。しかも、それが唯一の情報だとなると、とんでもない信頼感を纏わせている。もはやその情報だけを頼りに森へ行くことにした。クロスたちは緊急だったけど、もし皆さんがネットで気になることがあったら、信頼できるサイトでたくさんの情報をもとに結果を導いてくださいね。
「え、モーレックってこんなところに住んでんの?」
いや、流石に失礼でしょって言いたいところだけど(いい意味での可能性もあるけど、今回は悪い方だよ)霧が絶えず渦巻いている森で、危険なんて言葉じゃ甘い甘い。頭の先端から足の先までここは引き返そうと囁き続ける。他にいい物件なかったの?と言いたいところだけど、確かにあの意味わからない商品は普通の世界では手に入らないだろうなとも、どう考えてもあの商品はここから手に入れてるんだろうなとも納得した。
「・・・。入る?」
「「「「「当たり前でしょ!迷うんじゃないよ!」」」」」
弱弱組長男が盛大に狼狽えて、おじげ付いていたが、5人からの大いなるツッコミに渋々行くことにした。他の3人からはまだしも、次男三男からも情けないもの扱いされる始末。長男失格である。
『幻夢の森』
一行はクロスを先頭に森を進む。一歩進むにつれ霧は濃さを増す。コウモリのような、魔物のような、不気味で奇妙で、何よりこの世(異世界転生してるからもはやこの世っていう表現があっているのかは不明)のものとはわからない声がするのが恐ろしい。長男は震えが止まらない。どんな地震でも、この揺れには敵わないだろう。震源が移動し続けるという奇妙な状況だ。少しずつ、前が見えなくなる。水平感覚方向感覚全てを失ったような感じがする。それと同時に、不思議な感じがする。何かに吸い寄せられるような、そんな感じがした。
「なんだか・・・。寒くならない?」
クロスがいうと、みんなも確かにと頷いた。霧が濃くなりすぎて日照が入らなくなり、気温が急降下。いよいよこの森が牙を向くといった感じだろう。
その時だ。オーロットが現れた。しかも、何かが違う。まず、枯れたような姿をしている。元々枯れてるでしょと突っ込まれそうだが、オーロットにはかすかに葉があったが、それもない。その代わりに、闇を纏っている。白い霧から、黒いオーラが湧き出ている。もしかしたら、あの人を襲ったオーロット?なんかモノクロにしたら綺麗だね。ってそんな流暢なこといっている間も無く襲ってきた。下から鋭い根を突き刺す『刺死木根』が繰り出された直後に、クロスが飛びかかり、『光化学音波』を放った。ただならぬ音波がオーロットを貫いた。割とあっさりとしていたが、最初に出会った敵でこれなら、後が思いやられる。
クロスの技でも霧は晴れない。道中の敵を倒して、さぁ先に行こうというタイミングで、小さな小屋があった・・・。
2024.11.29 17:53:23 公開
2024.12.12 18:52:02 修正
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