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某有名私立ポケモン高等学校!

著編者 : 

リフィ編 第二戦 悲劇の始まり

著 : 

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放課後―――――

「リフィー帰りましょっ!」
「あぁ」
「今日は衣装作ってたから遅くなっちゃったわねー…」
「…私は部員でないから関係ないのだが…」
「あら、貴女は部員ではないけど衣装部の専属モデルよ?」
「勝手に決めないでくれ…」
リフィは頭が痛くなりそうな話をしながら自分の下駄箱から靴を取り出した。
そして昇降口から出たその時。
「久しぶりだね。リフィ」
リフィの背後から声が聞こえた。
灰色の髪をし、頭から黒い物体がでている少年だ。
「…………」
リフィは誰かを悟ったように顔を顰め、立ち止まった。
「酷いなぁ。久々の再開なのに。と言っても一ヶ月ぶりかな?…ねぇ、何か言ってよ」
リフィはそれでも黙っている。
「リフィ…この人誰?」
レイも少し驚いたような声でリフィに問う。
「リフィ。そちらのお嬢さんが困っているよ?俺のこと説明してあげなよ」
「…………」
相変わらず沈黙を保とうとするリフィ。
その様子を見てその少年は言った。
「何も言わない気?まぁ別にいいけど。だったら僕の方から言っちゃうよ?リフィの本性…とか」
リフィはそれを聞くと慌てて少年の方を向いた。
「……アブ!それはやめろ!」
「…もう遅いね。ずっと無視するリフィが悪いんでしょ」
「…………」
「そこのお嬢さん。コイツはね、殺し屋なんだよ」
「「!!」」
レイは驚いた顔をした。
リフィも「バレてしまった」という顔をした。
「リフィ…」
レイはまだ「殺し屋」と言われてもいまいちピンとこないでいる。
そりゃあそうだ。「殺し屋」なんてそうそういないし、まさかその「殺し屋」が高校三年生で日常的に学校に通っているとは普通は思いもしないだろう。
「ほら、リフィがいつも常備している金属バット。それはリフィ愛用の武器なんだよ。ただの飾りみたいな物と思っていたでしょ?ついている血もただの血糊だって思ってたでしょ?残念。そのバットも血も本物なのでした〜。」
リフィは震えながらその場で固まっている。
「で、なんでそのことを僕が知っているかと言うとね。リフィは個人的に殺し屋をしているわけじゃないんだ。ある組織専属の殺し屋なんだよ。もう三歳の時からね。」
「さん…さい…!?」
レイは更に驚いた声を発した。
「驚くよね?実はね、リフィは三歳の時、両親を事故で亡くしているんだ。引き取り手の無いリフィを僕等が引き取って殺し屋として育てたんだ。だけどね、最近どうしたことか「普通の生活がしたい」なんてふぬけたコト言い出したんだ。僕達も止めたんだけどね〜。結局逃げ出しちゃったってワケ。そんでやっと居場所をつきとめたんだよ。まぁここまで話せばわかると思うけど。僕はリフィを連れ戻しに来たんだ。一番仲の良かった、僕がね」
「そんな…」
「リフィ…もう平凡な生活は飽きただろう?さ、僕と一緒に組織に帰ろ?」
「……嫌だ」
「…どうして?君みたいな戦に餓えて血をすぐ欲するような人間にこんな何も無い平凡な世界は似合わないよ。どうせすぐに血が欲しくなっちゃって自分の友達を殺しちゃうだけだよ?ほら…そこのお嬢さんも危ないよ?半年もしないうちにこの殺人鬼リフィに殴り殺されちゃうよ?いいの?そんな友情とかで人生を無駄にしちゃ駄目だよ?」
「……私はそんなことはしない。レイを巻き込むな」
「クチで言うのは簡単だよ。でも皆結局それを実行できないで終わっちゃうんだ。リフィだって例外じゃないだろ?」
「黙れ。組織にいたときだけだ。もう私は他人に言われての殺しをしない!」
「ふぅん。随分な意気込みだねぇ。仕様がないなぁ。今日は大人しく引き下がってあげるよ。また明日、連れ戻しに来るからね」
「…………」
そうしてアブと名乗る少年は闇に消えた。
「行こう。レイ」
「ええ…」

リフィとレイは同じ宿場に住んでいる。
「言海壮」と書いてある門を通り過ぎ、各々の部屋に入った。
「じゃあまた明日な」
「うん…」

リフィの部屋
「…………」
リフィは箪笥の上においてある写真立ての中に入った写真を眺めた。
写真には十歳くらいの男の子と女の子が楽しそうに笑っている。
「……恋愛…感情か……」

「私にはそんな不要な感情、全く無いと思っていたのだがな……」
クス、と笑いながらリフィは小さく、小さく呟いた。
「……アブ…私は決めた。また明日…」

レイの部屋
「リフィ…」
未だにリフィが殺し屋という事実を呑み込めずにいる。
まして三歳という幼い年齢から。
「私はたとえリフィが殺し屋だとしてもリフィを信じる。リフィは私の大切な友達だから」

「ここで裏切ったら、人間失格だもの…」
少し哀しそうな顔をして呟いた。
「でも…リフィに裏切られちゃったら…どうしよ」

学校の屋上
「リフィ……」
学校の屋上でアブは呟いた。
空を見上げて。
「リフィ。多分、いや、絶対リフィは断るだろうな…。お前が断ることはわかっている。お前は自分の決めたことは絶対に曲げない頑固者だからな…。大丈夫だ。ボスにはうまく伝えるよ…。お前の好きなように生きればいいさ」

「……なんて言えたらいいのに…」
アブは空を見続けそう呟いた。
「お前の前じゃうまく言えなくて…。悪いな…」

そうしてそれぞれの長い夜は更けていった。

続く

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2007.3.28  18:06:39    公開
2007.7.12  13:00:58    修正


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