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某有名私立ポケモン高等学校!

著編者 : 

リフィ編 第十四戦 リフィの過去(前編)

著 : 

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…事の始まりは三歳の時だったか。
私の家は父と母と私の三人家族だったのだが。

その日は父と母の結婚記念日だった。
そこで記念に今日は豪華な食事にしよう、と二人で買い物に行ったのだ。
「いい子にして待っているんだぞ」
そう言って私の頭をその大きな手で撫でてくれた。

「…遅い…」
暗くなっても二人が帰ってくるのが遅いので外へと見に行ったら。

外はもう暗いというのに人だかりができ、パトカーやら救急車やらの赤いサイレンが鳴り響いていた。
どうやら其処で事故があったらしい。
私も気になり人だかりを越えて見に行った。

私が目にしたものは。

血まみれになり、変り果てた姿の父と母だった。

急いで駆け寄り名前を呼んだのだが。
「…………」
全く反応はない。

二人は意識不明の重体。
病院にすぐさま搬送されることになった。

私も一緒についていって病院のベンチでずっと二人の元気な姿を待っていた。
手術中、という赤いランプが静かに光っている。

必ず帰ってくる。

そう、信じていたのだが。
赤いランプが消え、中から医師が出てきた。
その表情ですぐわかった。

手術は失敗。
もう、二人は帰ってくることはないんだ、と。

泣きたかった。
だが何故か泣けなかった。

私は事実を受け止められずただそこで呆然としていた。
父と母は駆落ちした関係にあるらしく親族とは絶縁状態なのだとか。
なので葬式は行われず、墓も建ててやれないまま埋葬することとなった。

幼い私は引き取り手がいる筈もなく、孤児院へと送られることがほぼ決定されていたのだが。
そんな時か。
奴らが現れたのは。

未だに現実を受け止められずもう少しで手放すことになる自分の家を呆けながら眺めていた。
「ねぇ。行くところが無いなら、僕達の家に来る?」
後ろから声がした。
私はフッと後ろを見るとそこにいたのは私と同じくらいの年齢の子供。
灰色の髪に頭から出た黒い物体。
「僕、アブ。よろしくね!」
「あ…あぁ…」
私が驚きを隠せずにいるとアブは淡々と話をし始めた。
「僕がいるところはね、皆血が繋がっていないんだ。君みたいに家族を亡くしちゃった子を引取ったり。でも引取るのは選らばれた極一部の子だけ。だから君はとっても幸運なんだよ!」
「そう…なのか…?」
「うん、僕も独りになったところを拾われたの。ボスはすっごく優しい人なんだ。従えばなんでもくれる。他の人たちも優しいし。孤児院に預けられるのなんかよりは余程いいんだよ!」
笑顔でアブはそう言った。
「ほん、と?」
「うん!だから君もおいでよ!」
まぁ私も情けないながらその言葉にまんまと騙されしまってな…。

「じゃあ、こっちの車に乗ってね!」
随分と高価な外車に乗せられたのだが。

着いた先は少し町から離れた森林地帯。

この町にこんな場所あったのか…

そんな事をふと思っているとすぐ怪しげな城に着いたのだ。
立派な外装の真っ白な城。

「…………」

私が見惚れているとアブが私の手を引いて走り出す。

「今日からここが君の家!僕の家でもあるし、皆の家!こっちだよ、まずはボスに挨拶しよう!」
「…っ!?ちょっ、アブ…っ」

いきなり手を引っ張られたので焦って変な声を出してしまった。
赤面した気がしたがそんなのアブには関係ないようで。
周りの大人たちも無視にどんどん私の手を引き突っ走る。

正直、あまりのスピードにイマイチ屋敷に入ってからのちゃんとした記憶がない。
そんな感じで流されて着いた先。其処は。

よく外国の城にあるような、王宮。
赤く長い絨毯が敷かれ、その先には随分と立派な椅子がある。
そこには誰かが座っていた。
遠すぎて顔は見えなかったのだが。

「こっち。礼儀は正しくね?」

そう言ってさっきと比べると大分遅いスピードでゆっくりと歩いていくアブ。
私はただそれについて行く。

アブは椅子の前に来ると「じゃあ後はやってね」とだけ言って去って行った。

そんな事言われたってどうすれば。

状況があまり把握できなかったり緊張したりで私はただボーっと突っ立っていた。

「…君が、リフィか」

威圧のある声で、椅子の主は口を開いた。

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2007.9.2  20:00:07    公開


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