![dummy](http://img.yakkun.com/dummy.gif)
某有名私立ポケモン高等学校!
リフィ編 第六戦 破れない仕来り
著 : ○
ご覧になるには、最新版の「Adobe Flash Player」が必要です。 また、JavaScriptを有効にしてください。
「結…婚…?」
「はい」
「けっ…こ…ん…?」
「はい」
何度も同じ単語を繰り返すリフィと何度も返事をするキュウ。
「ちょっと待って。普通の付き合いならまだしもなんで“結婚前提”…?」
レイがそのやり取りを止めるように尋ねる。
「あ…そうですね。いきなりこんなこと言われても困りますよね」
キュウも少し焦ったように言う。
そして淡々と説明を始めた。
「えっとですね…まず僕の家はかなり古い代からある家計らしいんです…」
「で、結構昔の家って変な仕来りとかがあったりするじゃないですか。僕の家もそのうちの一つなんです」
「…………」
「そして僕の家の仕来りとは“十八歳になったら嫁を貰う”というものでして…」
「…どうしてもそれを守らなきゃならないのか…?」
まだ少し驚きを隠せずにいながらリフィは尋ねた。
「僕もできるなら守りたくは無いのですが…。ただ、姉が…」
「「姉…?」」
「はい。僕には双子の姉がいるんです。その姉がどうしても仕来りを守れと言うもので…」
「別にそのくらいならいいじゃない。無視したって」
「それができないから仕来りを守るしかないのです。もし今日嫁候補を連れずに帰ったら…ああ…想像したくない…」
キュウの顔が青褪めていく。一瞬にして。
「お願いです!リフィさん!僕は今まで恋などしたことが無かったのですが…。でも今、貴女を一目見て感じました!貴女こそ僕の本当のお相手です!」
本当にキュウはリフィに一目惚れしたようだ。仕来りだから、とかではなく。
「僕は本気です!僕の全てを貴女に奉げます!」
その気迫は相当なものだった。滅多に怯むことの無いリフィが一歩、後退りをした。
「…無理だ…」
リフィは言った。
「すまないが…私にそこまでの価値は無い…。悪いが諦めてくれ…。お前にはもっと相応しい者がいるはずだ…」
「…………」
キュウは一瞬目を大きく、丸く開け、事態を把握し細々とした声で呟いた。
「そう…ですか…」
やはりダメもとであってもショックなようだ。
今にも泣きそうな顔をして、俯いて声をしぼり出す。
「そう…ですよね…。今、初めて会ったわけですしね…」
「本当に、すまない…」
「…わかりました今は諦めます。それにこのままだと遅刻しちゃいますし」
「……ああ。学校に行くとしよう」
リフィたちがその場を去った後、その場に何かが現れた。
「…リフィか…。あんな奴私が殺してやる…」
続
2007.4.10 19:43:31 公開
2007.7.12 13:09:38 修正
■ コメント (0)
コメントは、まだありません。