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刃物さんと嫌いな執事さん
7=謎
著 : 窮爽
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「あれは確かに謎だった」
「……森は変わってないのか…」
キリキザンは部屋に戻った後、ハクタイの森へと入っていた。
ここがパラレルワールドならばすぐさま自分の居た世界に戻って美夜を仕留めなければならないとキリキザンは内心焦っていた。
こうしている間にも美夜は訳の分からない場所へと逃げ込んでしまいそうだったから。
ここに来たのは、原因が起きた場所がハクタイの森ならば、ハクタイの森に行けば何かつかめるかもしれないという考えからだった。
そして笑い声の主がここに連れてきたというのならばここに居る可能性も高い。
キリキザンは昼間中、ずっとハクタイの森をくまなく、奥地まで手掛かりを探していた。
だが、結局分からずじまい。ただ、一つだけ調べていない場所が一つあった。
「…屋敷…」
ハクタイの屋敷。屋敷は古びれており、窓ガラスも割れていたり、ドアが半開きになっていたりしていた。その屋敷を囲う庭は草木は生えているものの、何やら生暖かい風が吹いている。
キリキザンは生唾を飲み込み、屋敷の中へと入って行った。
屋敷の中までもボロボロになっており、昔使われていたであろう皿やワイングラスなどが日々の割れた状態で机に並べられている。
キリキザンは屋敷の部屋を一つずつくまなく探していく。屋敷中、ゴーストポケモンたちを見かける事はあったが、特に彼らは襲いかかってくる事もなく、キリキザンは気にせずに探索していた。
食堂などもすべて回って、少し気がかりな部屋が一つキリキザンにはあった。
その気になる、上の階の部屋へと入る。そこにあるのはベットと壊れたテレビ。
キリキザンはテレビをじっと見つめる。
…テレビの中に何かいる…?
キリキザンはすぅ…と息を吸い込むと、テレビを壊さぬよう刃を横向きにしてテレビの上の方を叩いた。
すると、びゅんっと何かがテレビから飛び出してきた。
キリキザンは飛び出してきたものに声をかけた。
「…少し、聞きたい事があるんだが」
「え、まず質問?他のポケモンを驚かしといて謝りもせず?」
「あぁ…すまなかったな」
飛び出してきたのはロトムだった。
ロトムはキリキザンの素っ気ない謝罪に不満げな表情を見せたが『ま、いいや』とすぐに気分を切り替えてキリキザンに話しかけた。
「で?僕に聞きたい事って何?」
「このあたりで空間を行き来できるポケモンは住んでいないか?」
「空間を移動ねぇ…それらしいポケモンは見かけないけどねー」
「そうか…邪魔してすまなかったな」
「あ、ちょっと待って!」
背を向けて立ち去ろうとするキリキザンをロトムは大声で呼びとめた。
キリキザンは無言でロトムの方を振り返る。ロトムは苦笑いしながらキリキザンにこう言った。
「せっかく来たのに何も無じゃつまらないでしょ?だから、いいもの見せてあげる。ついてきて」
そういうとキリキザンの返事も聞かずにロトムは部屋を出ていく。
キリキザンはため息をひとつつき、ロトムの後を歩いて行った。
…最近、他の奴に案内される事が頻繁だな…
そんな事を考えながら歩く。ロトムが連れてきた場所は屋敷の裏側の庭だった。
そこは狭くて数人ほどしか入れないスペースだ。ロトムは地面の上で上下にふわふわと激しく浮遊しながらキリキザンに言った。
「ここ、掘ってごらん?」
「……」
何やら嫌な予感がしたが、一応確かめようとキリキザンは腕の刃物で手際よく地面を掘って行った。
すると、コツと刃物に何か固い物が当たった。キリキザンはそのものに被っている土を振り払っていく。
白い色のものが見えてきて、それを取り出すと―
「…骨か」
「そ、人間のね」
キリキザンが手に持っていたのは人間の頭蓋骨。
土には腕の骨や様々な骨が埋められていた。その中には小鳥の骨も入っている。ロトムは続けてこういう。
「頭蓋骨の中に、何か入ってない?」
「…紙切れ…?」
頭蓋骨のなかには一枚の紙切れが入っていた。
土を息で振り払って見えてきた文字を目に通す。
『貴殿の心はとても重く、私にその心を扱う事が出来るか不安だが、暫しの間頼み申す』
「…ね?不思議でしょ?1年前にね、この屋敷に複数の人間達が入って来たんだ。僕達はとりあえず隠れて様子を見ることにしてさ。…でね、その後に一人の人間が来て、人間達から何かを奪い返そうとしてたんだ。その人間はポッポを連れていたんだけど、ポッポがね…人間達が連れてたポケモンたちに殺されちゃったんだ。その人も同じように人間達に銃で撃ち抜かれて死んじゃった」
「…お前達はどうかしたのか?」
「…いいや、だってそんなところ見たら出ようにも出れないでしょ?」
確かに、とキリキザンはコクリと頷いた。
ロトムはそれを見ると淡々と話を続ける。
「…でね、人間達は暫くして出て行ってね。僕等はその人間とポッポの死体をここに埋めたんだ。…だって、あまりにも可愛そうだから。でね、問題がここから、そこから5カ月たったある日…一人の人間がこの屋敷に来た。まるで、何かに導かれるように。…で、ここを掘り返してこの骨を見つけた。人間は紙切れに文章を描いて、頭蓋骨に入れてまた埋め直した。それで立ち去って行って…僕等は紙に書かれた内容を確認したんだ。君と同じように」
「……思ったんだが、何で俺にこんな話をしたんだ?」
『うーん、何でだろう』とロトムは考え込み、苦笑いを見せた。
「なんだか、君には話した方が良いって野生の勘が♪」
「…勘か…」
「うん。じゃ、今度こそバイバイ。機会があったらまた立ち寄ってよ♪」
「…あぁ」
そう見送るロトムにキリキザンは軽く手をふって返した。
そして屋敷へと戻ると、丁度入り口でケラノとすれ違った。
「あぁ、お帰り〜♪俺、仕事行くからね〜」
「…あぁ…なぁ、相川は一緒じゃないのか?」
「あー、相川は屋敷の中専門だからね☆あ、なんか森で収穫あったの?」
「……いや、特になかった」
「そ、じゃーねー」
そう言ってケラノはロールスロイスに乗り込み、去って行った。ただ、ニャースがジッとキリキザンの方を見ていたのだが。
キリキザンはハクタイの屋敷の事は自分の胸の内に閉まっておこうと思った。
そう、簡単に周りに言いふらしていいような事じゃないとキリキザンは考えたのだ。
自分の部屋に戻って、ベットに倒れこんだ。
…夕食までまだ時間はあるか…
時計を見ると時間は4時。キリキザンは夕食まで休んでいようとそのまま眠りについた。
2012.3.31 23:16:52 公開
■ コメント (4)
※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。
12.4.1 15:54 - 窮爽 (monoraru) |
commanderさんへ えーっと、悲しい出来事で気まずく……ワ、ワッショーーーー(蹴られ ロトム、お前骨あるのか?w ロトム「あるんじゃないの?多分。まぁ、見てるのが一番平和的だよね」 まさかの相川wwwそして銃w 咲哉「私は関わりありませんが…主君なら分かりませんね」 ケラノ「え?何?俺全然そんな事知らないよ(;一_一)」 咲哉「ではでは…こっちはフォークを持っておきましょうか」 辞めたげて!!あぶねぇwそして、commanderさん逃げてぇぇぇww コメ&応援ありがとうございます!!それでは!!ノシ 12.4.1 15:41 - 窮爽 (monoraru) |
こんにちは〜!春休みの宿題に追い込まれt((ry パラレルワールドと聞いて、ドラえもんのある話を思い出してしまった・・・p^すみれとかが男になったらきっとかっこi((殴 ってかトラウマの屋敷きたぁぁぁぁぁぁぁあああああ(゜д゜;)小学生の頃、幽霊みたいなのが出てきて泣いてたなぁ(´ω`)フッ← 骨・・・だと・・・?(゜д゜lll) スバル「・・・ご愁傷様ー・・・((ガクガク」 郷美「震えておるぞ」 スバル「え?いや、ほら最近寒いじゃない。うん」 郷美「汗かいてるくせに、何を言っておる」 スバル「・・・(´・ω・`)ウヌヌ」 主人公なのにだらしねぇなぁp^;((ガクガク/お前もな そんな事が・・・殺したの誰じゃごるぁああああ(# ̄д ̄;)ああぁぁぁ・・・ぁ・・・(汗) 戦花「こ、これが黒歴史というものですか・・・!?」 亜季「簡単に言えばそうね。と、お嬢様が仰ってます」 諒輝「え、何黒歴史って。怖・・・」 想竜「ユランの小説もほとんどが黒歴s『おい待て。byユラン』 毎回gdgdスンマセン^^; それでは、続き頑張ってください!!! 12.4.1 15:22 - papiko (papiko) |
な・・・何か悲しいことが起こったみたいですね♪←やめれ まあ気にするなロトム。そこでその人間たちのところに顔を出したら穴の中に骨(あるのか?)がワンセット増えるだけになりますからね。 いつかの刑事「根拠はないが、私の勘では相川さん、あなたはこの事件にかかわりg「はい根拠のない話はやめようね★」withスタンガン 刑事「二度も同じ手にかかるはずがなかろう。」(銃取り出し) あわわわ・・・ヤバゲな予感が・・・と、とりあえず次回更新楽しみにしてますね/逃げ 刑事「絶対逃がさん。生命保険の用意はいいか?」 12.4.1 13:03 - 不明(削除済) (gunship) |
春休みの宿題なんていらないですよね!!もう、なくなってしm(オイ
あぁwwありましたねwwのびたが女になったりとかwwすみれが男になったら他の男子組、涙目な気がしてならない(エ
ハクタイの屋敷、絶対入りたくないところベスト3に入ってましたww
骨は定番ですよねぇ〜
キリキザン「一瞬びくってなったぞ、おい(汗」
ロトム「そりゃなるでしょ〜。…スバルって人さ、うちの屋敷にお泊りにおいでよ♪おもしろいよ〜」
誰が幽霊であふれてる屋敷に行くかよ(汗
黒歴史ww
ケラノ「ねぇねぇ、相川って何か黒歴史っぽいのないのぉ?ww」
咲哉「特にありませんが…主君の黒歴史なら握っておりますが(ニタァ…」
キリキザン「(((゜Д゜;)(笑った!?こいつ、笑ったぞ!?)」
こえぇ…こいつが一番こえぇ…
私の小説も殆ど黒歴史で染まってますよww
コメ&応援ありがとうございます!!それでは!!ノシ