ポケモンノベル

ポケモンノベル >> 小説を読む

dummy

刃物さんと嫌いな執事さん

著編者 : 窮爽

5=背景

著 : 窮爽

イラスト : 窮爽

ご覧になるには、最新版の「Adobe Flash Player」が必要です。 また、JavaScriptを有効にしてください。

                    「あれは確かに背景だった」

「おはようございます。お食事の用意が出来ました」
「……」

翌朝、ガチャリと扉が開く。ただボーっと椅子に腰かけていたキリキザンはすっと立ち上がり、そこに居た執事の後を歩いて行った。
ここの使い達は静かなのが苦手なのか、この執事も昨晩のメイドと同じようにキリキザンに話しかけてきた。

「昨晩はケラノ様と相川さんのやり取りに驚かれたでしょう」
「…まぁな」
「お二人は、お客様が居る時でもあぁ言うお調子でございまして…時に、お客様が怯えていらっしゃったり、ある時には苦笑したり笑ったりして流す方や、酷い時には応戦しなければと手持ちの武器をお使いになられたりと…まぁ、後片付けは大抵相川さんが済ませるのですが」

そう言って執事は苦笑した。
キリキザンはふぅん…と軽く流す。その時、ふとある事に気付き、執事に訪ねた。

「そういえば、お前達はポケモンを連れていないのか?ここでは連れているのが常識だと聞いたが…」
「え?…あぁ、それなら御心配なく。ちゃーんと傍に相棒はいますよ。…僕の隣にね」
「隣?」

執事の隣を見てみる。だが、ポケモンらしき姿は見えない…が、段々何やら影のようなものが見えてきた。そして、最終的にその影はムウマージへと変化した。

「ここの屋敷の使い達は多くいます。その分、ポケモンも多くなるわけですからお客様の御迷惑になるかと、皆姿を消せるポケモンを相棒にしているのですよ。カクレオンを連れてる人もいるのですが、お腹の模様が隠せずにお客様を驚かせてしまったりするのですが」
「そういう事か…」

キリキザンは納得する。すると、ムウマージはクスクスと笑ってからまた姿を消した。
…という事はこの屋敷には至る所にポケモンが居るってことか…
キリキザンはそう考え、少し寒気を覚えた。そうこうしている間に大広間へとたどり着き、部屋へと入って行く。そして昨晩と同じ席へと腰かけた。
ケラノは相変わらずの笑顔でキリキザンに話しかけてきた。

「そうそう。キミの探してた臥竜岡さんなんだけどね、今日から捜索担当の人が調べたり探してきてもらったりする事になったからね♪ま、相川と同じ顔の人を探すだけの簡単なお仕事だしねー」
「簡単って言っても、アイツは逃げ足も速いし、身を隠すのも得意だぞ。それに、手持ちのサーナイトですぐ逃げてしまう」

キリキザンは即座にそう告げた。
すると、相川がこんな事を言い出す。

「……見つけ次第、直ちに手足を負傷させてしまえばよい話でございましょう」
「キミってさ、たまに惨い事言うよね〜」
「…いや、私はいつも主君に対してそうしてみたいと毎日頭の隅で考えております」
「…なぜに」
「主君を見ていると非常に気分が悪くなるのでございます」
「まったまたぁ〜」
「事実でございます」

昨晩と同じようなやり取りを見ていてキリキザンはため息をついた。
くだらないと言わんばかりにキリキザンは口を挿む。

「とにかく、アイツを見つけたら縛り上げてきてくれないか。掠り傷だって、骨折だって、どんな傷だって俺が付けるつもりだから」
「…OKOK。だってさー♪だから、そういう惨い考えを俺に向けるのは辞めてくれない〜?」
「…いや、意図的に考えているのではなく、自然に浮かび上がってくるので御座います」
「まったまたぁ〜」
「事実でございます」

先ほどと全く同じ会話を繰り返している光景に呆れかえって、キリキザンは食事を済ませて自分の部屋へと戻った。
そして椅子に腰かけて、机で頬杖をつく。そしてぼんやりと幾つかの疑問をまとめる。

まず一つ目がここはどこかという事か…まぁ、後でケラノや使い達に聞けばいいか
二つ目がアイツはどこに居るのか。それは屋敷の奴らが協力してくれる。…アイツは情報屋で色んなところに首突っ込んでるだろうから調べれば見つかるだろう。
三つ目が…俺の知っている奴と同じ顔をした人間が多く居るのか。世界には似た人間が3人いるというが、あまりにも似た奴が多すぎる。
…そして、もう一つ

「……相川とケラノの関係性が全く見えない…」

どうでもいい事なのだが、どうしても2人の関係性が気になって仕方がない。
主従関係なのはわかる。…だけど、その経緯が気になる。どう見ても相川が自分から執事になろうと言いそうにない。…仕事が見つからずになったというのはあり得るかもしれないが。
…とにかく、今はこの場所の情報とアイツの情報を集めなければ…

そんな事を考えながらキリキザンはベランダに出て外の景色を眺めた。
右側には都会町、そして左側には森や野原などの自然が広がっていて、都会町と自然がはっきり分かれている事にキリキザンは改めて確認し、内心驚いていた。
こんなにも自然と都会は違うものなのか…と。

5=背景

⇒ 書き表示にする

2012.3.30  13:59:33    公開


■  コメント (2)

※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。

commanderさんへ
一番乗りおめでとうございます!^^
刑事の推理ww…あ、でも一理ありまs(ねぇよ
相川「あえて下になったのは主君に隙が出来るのを見やすくして、殺るためでございm『違うでしょ。全然(;一_一)』ケラノ
相川「…スタンガンを常備することにいたしました」
辞めろ、おい、辞めろよ?(ふりかよ
どんな過去があったのかは後々…^^
コメ&応援ありがとうございます!それでは!ノシ

12.3.31  11:13  -  窮爽  (monoraru)

やった!コメ一番乗りです♪
ほんとですねー。いったいなぜ相川君はケラノ君の下についたのでしょうか。
どっかの刑事「ふむ・・・おそらく脅迫されたのであろう。だから仲も悪いのだ。」ハイハイ・・・
「なんなら私が強制捜査をおこn(ビリビリ)アガガガガg・・・。」
人のストーリーに介入するんじゃない。(スタンガン構えながら/オイ
いったいどんな過去があるのでしょうか?
それでは、続き待ってますね。

12.3.31  11:03  -  不明(削除済)  (gunship)

パスワード:

コメントの投稿

コメントは投稿後もご自分での削除が可能ですが、この設定は変更になる可能性がありますので、予めご了承下さい。

※ 「プレイ!ポケモンポイント!」のユーザーは、必ずログインをしてから投稿して下さい。

名前(HN)を 半角1文字以上16文字以下 で入力して下さい。

パスワードを 半角4文字以上8文字以下の半角英数字 で入力して下さい。

メッセージを 半角1文字以上1000文字以下 で入力して下さい。

作者または管理者が、不適切と判断したコメントは、予告なしに削除されることがあります。

上記の入力に間違いがなければ、確認画面へ移動します。


<< 前へ戻るもくじに戻る 次へ進む >>