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刃物さんと嫌いな執事さん

著編者 : 窮爽

3=怒り

著 : 窮爽

イラスト : 窮爽

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(オリジナルアニメOP完成しました!!ポケモンナッシングの設定ですけど…え?投稿?動画の?しませんy(^q^ あ、ポケノベのキャラが集まったイラスト投稿しました。良かったらどうぞ
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=26126963) 

             「あれは確かに怒りだった」

コンサートは見事に大盛り上がりだった。
コンサートが終わり、花束を投げ渡す人やアンコールをする人々、その場からそそくさと会場を後にする人など様々な人間が居る。
キリキザン達は会場を後にして楽屋へと戻って行った。
楽屋に入るとまだ誰もいなかった。特に喋ることもなく3匹は暫くの間沈黙の中それぞれ椅子に腰かけて過ごす。
そしてガチャと扉が開く音と同時に3匹は扉の方を向いた。

「おつおつ〜。皆、今日のコンサートどうだった?」
「今日もバッチリ良かったよ!!」

亜里抄の問いかけに答えたのはピチューだった。
3人は衣装ではなく本番前の私服に着替えており、タオルを首にかけていた。
ケラノはニタニタと笑いながら嫌みのごとく、こう言った。

「イヤァ、今日もバッチリジュンジュンのちんまりさが目立ったんじゃないの?」
「背が低くてすみません」

隼野はそれに対して苦笑いして短く返した。
それが怒りの表しか、冗談混じりなのかハッキリしない反応だった。
時計を見ると5時を指していた。マネージャーの茂野が楽屋に入ってきて3人にこう告げた。

「今日の仕事はここまでです。お疲れさまでした。では、明日もスケジュール通り宜しくお願いします」
「お疲れさまでーす」

亜里抄に続けて隼野、ケラノは『お疲れ』の言葉を掛ける。
『さぁて…』と亜里抄は呟き、キリキザンに微笑んで言った。

「じゃ、ピチューにキリキザン、帰ろっか♪」
「うん!」
「いや、俺は遠慮しておく」

亜里抄のピチューの会話にキリキザンは正反対の言葉を挿んだ。
それに対して亜里抄は首をかしげた。

「え?何で?」
「俺には果たさなければいけないことがある。だから足止めは出来ない」
「でも、もうすぐ夜だよ?」
「だが…いち早く果たさなければいけない」

キリキザンは少し俯き気味で呟いた。
亜里抄はキリキザンの手に力が入って、小刻みに震えているのが分かった。
どれだけ重要なことなのだろう
そんな疑問が亜里抄の頭の中でぐるぐる廻る。
その時、陽気な声が提案をした。

「じゃあ俺の屋敷で情報集めて泊っちゃうっていうのはどうかなぁ?」
「…屋敷?」
「あ、まずそこ気にするんだね」

キリキザンが気になったのは提案の内容よりも屋敷と言う言葉だった。
家じゃなくて屋敷。ケラノは金持なのだろうかとキリキザンは考える。
ケラノはキリキザンの様子に構わずに話した。

「俺の屋敷には書庫があるし、もし探している人が居るなら早急にその人を探す事もできるし、屋敷にはまだまだ部屋が余ってるしねぇ」
「……」
「別に図書館で調べてもいいじゃん!」
「いや、図書館よりケラノさんの屋敷の書庫の方が大きいと思いますよ」

亜里抄の言葉に隼野は笑顔で返した。
亜里抄は言葉を詰まらせる。そんな会話を耳にしたキリキザンはケラノに向けてこう言った。

「……分かった。お前の屋敷に行くとしよう。俺は人を探している。だからその人間を探し出してもらえれば有難い」
「オッケーオッケ〜♪」
「チェッー…初めに会ったのは私なのになー…」

亜里抄が不満げに呟いているのを聞き、キリキザンは亜里抄に軽く頭を下げた。
それを見た亜里抄は慌てて首を横に振る。
3人と3匹は建物から出て、それぞれ違う道を歩いて行った。
…だが、ケラノだけは違った。

「さ、乗って乗って♪遠慮なんていらないから」
「……」

目の前には一台の黒いロールスロイス。
そして、後部座席の扉を開けているのは黒いスーツをきた執事。
お先にどうぞと言わんばかりにケラノはにっこり笑顔でキリキザンを見ている。
キリキザンは腕の刃物で傷つかぬよう、そっと車に乗り込んだ。その後に続いてケラノも車に乗り込む。
扉を開けていた執事は運転席に座り、運転を始めた。
シンと静まりかえる車の中、ケラノは口を開く。

「さて、キミが探している人物と言うのはどんな人なのかなぁ?」
「…名前は臥竜岡 美夜(ナガオカ ミヤ)。職業は情報屋で着物を身にまとっている。そいつには弟、両親の4人家族。性格は……最悪最低な奴」
「……よっぽど嫌いなんだねぇ…殺してしまいたいほどに」

キリキザンの怒りに満ちた瞳を見てケラノは言った。
キリキザンは内心いい気分ではなかった。むしろ、悪い気分。
思い出せば出すほどに憎たらしい人物だ。ケラノは苦笑をして言う。

「ま、屋敷に戻ってから皆に捜索をお願いしてみるよ。きっとすぐ見つかるさ」
「……」

そう言ってから屋敷につくまで沈黙が続いた。
聞こえるものは何もなく、ただただ静かな時間が流れゆくだけ。
そして、屋敷にたどりつく。

「さ、ここが俺の屋敷」
「……」

目の前に立ち聳えるのは大きな大きな屋敷だった。
屋敷の中に入るまでの道の周りは草花で彩られており、噴水も幾つかある。
執事が目の前にある大きな鉄の柵を開け、キリキザンとケラノを招き入れる。
いつも通り陽気な気分で入って行くケラノに対してキリキザンは少し緊張気味で入って行った。
中に入るまで周りの景色をキョロキョロと見渡していた。
中に入ると、その屋敷の主を出迎える大勢の声がいち早く聞こえた。

「ケラノ様、おかえりなさいませ」
「ん、ただいまぁ」

軽く右手を上げて返してケラノは奥へと入って行く。
キリキザンはその後を追っていく。その時だった。キリキザンは目にした。

「レンレンー、たっだいまぁ〜♪」
「…おかえりなさいませ、主君」

先ほどまで自分が怒りを覚えていた……

                         人間に

3=怒り

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2012.3.25  19:14:50    公開
2012.3.27  23:27:50    修正


■  コメント (2)

※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。

commanderさんへ
初めまして!窮爽と申します^^ナルシストw私は『訳わかんねぇ』って友人に言われました^q^『でも、ばれないだろう?』と私は返してやりましたw
まさかの書庫が最強というねw私ならもう私の物にしてます^q^100年ww百年と言わず、どうぞどうぞ!書庫あげちゃいます。私が許可しまs(蹴られ
コメありがとうございました!!それでは!ノシ

12.3.28  23:58  -  窮爽  (monoraru)

どうも。commanderと申します。
あ、友人にこのペンネーム教えたら「自分で自分を指揮官と名乗るなんて完全にナルシストだろ。」という突っ込みをいただきましたがナルシではありませんので念のため。
図書館<書庫ww もし自分が本当に軍指揮官的な立場にいたら強だt・・・借りにいくかもしれませんね100年間くらいw。
長々と失礼しました。

12.3.28  23:41  -  不明(削除済)  (gunship)

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