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刃物さんと嫌いな執事さん

著編者 : 窮爽

2=本人

著 : 窮爽

イラスト : 窮爽

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                   「あれは確かに本人だった」

建物の中でも多くの人々が行き来していた。
白い壁に天井、受付と思われるカウンター、幾つもの扉、向こう側へ続いている廊下。
亜里抄とピチューはニコニコと笑顔を周りの人間に振りまきながら歩く。
キリキザンはそんな2人の後を黙々とついて行っていた。
…コイツ…本当にどこかで見たことあるような気がする…
キリキザンはぼんやりと再び同じ考えをする。そんな事を考えながら歩いているうちにいつの間にやら彼は一つの扉の前に立っていた。
亜里抄はふぅ…と息を吐き、笑顔で扉を開けた。

「どっも〜!皆おまたせー!」
「落ち着いてください発狂さん!」

彼女の元気な声に優しくも冷徹な声が浴びせられた。
キリキザンはキョロキョロと部屋を見渡し、その声の主を探す。
…え

「発狂じゃないし!簾藤 亜里抄だし!!」
「分かってますって!単に発狂してる人なんだなって思うからそう呼んでいるだけですから!」
「あーもう!じゃあアンタは毒舌だからね!」
「了解です♪」

キリキザンはその声の主を知っていた。…いや、性格が全く違うので似ている人間なのだろう。
キリキザンはそう考える。
毒舌と呼ばれた男は黒髪で眼鏡をかけており、白いワイシャツを着て、椅子に腰かけてブラックコーヒーの入ったティーカップを手にしている。そして膝の上にはエネコが毛づくろいをしていた。
キリキザンが思い浮かべた人物、それは想現真(ソアマ)という男だった。
彼はカントーでの現チャンピオンであり、性格は全く逆で短気である。
どうしてこんなにも知っているのか、それは単純なこと。キリキザンのトレーナーだった少女が事前に調べていたのだ。自分の探している人間と一度でも関わった人間の事は念入りに調べてリストにしていた。調べることで何か情報が得られるかもしれないと少女は考えていた。
チラッと毒舌男がキリキザンを見る。キリキザンもふと見てパチリと目が合った。

「発狂さん、このキリキザンは?」
「あぁ、街中で歩いてたから一緒に来て貰っちゃった!…って、また発狂って言った!?」
「はい!言いました!」

2人の会話に上手くついていけずにキリキザンはため息を漏らした。
そんな時、ガチャと扉の開く音が聞こえて2人とキリキザンは扉の方を見た。

「ジュンジュンまた亜里抄ちゃん苛めてたの?いやぁ、相変わらずの毒舌ちゃんだなぁ」
「そうですかね?でも、一つ言わせてもらうとケラノさん、相川さんの事よく苛めてますよね?」
「ハハッ、相川は良いんだって♪俺の特権って奴だよ」

…頭がおかしくなってきた
キリキザンは頭を抱えてフルフルと首を横に振る。
ケラノと呼べれた男は赤髪で黒いジャケットを上から羽織っている。隣にいるのはニャース。
ケラノと呼ばれた男は自分の探している人間と犬猿の仲であるセルア・カーターという人間に良く似ていた。
セルア・カーターという男は明るく友好的な性格だが犬猿の仲である人間を目にするとそれは一変してすぐに殺そうとする。
その男が殺してくれたら好都合なのだが自らがやらなければ意味がない。
…あ、そうだそうだ。亜里抄っていう女も似てるやつが居たな
キリキザンはじゅんじゅんとケラノを目にしてある人物を思い出す。
亜里抄はすみれという女性に良く似ている。
彼女はポケモンレンジャーを営んでおり、元々はアリエス地方というところのチャンピオン、そして世界最強のトレーナーだった。だが、他の人間が彼女を越えた。
彼女は物静かな性格だ。またもや性格が正反対。
…ここはパラレルワールドか何かか?
キリキザンは訳が分からなくなって、ため息をまたまた漏らす。
すると、ケラノとじゅんじゅんはキリキザンを見てにっこりほほ笑む。その微笑みにキリキザンは意味もなくぞっとする。

「あぁ、そういえば自己紹介がまだでしたね。俺は夕田 隼野(ジュンノ)よろしくお願いします♪」
「俺はケラノ・ルダディ。よろしくね〜」
「……」

キリキザンは適当にコクリと頷いた。
…こんなにも性格が逆転しているとさすがに俺でもひくな
密かにそう思っていた。すると、またガチャと扉が開く。
扉の方に目を向けるとそこには長い茶髪の黒いスーツを着た女が立っていた。後ろにはマグマラシが居る。

「皆、コンサートに備えて準備するわよ。衣装室で着替えて」

女の声に3人はそれぞれ返事を返し、傍にかけてある衣装であろう服を手にとって部屋を出て行った。部屋にはピチューとエネコ、ニャース、そしてキリキザンが残った。
女はキリキザンをちらっと見たが気にせずに扉を閉めて行った。すると、ニャースが口を開く。

「あー、ども。ここどこだか知ってる?」
「いや、知らないが…楽屋か?」
「そそ」

ニャースはそう言ってあくびを一つした。
あぁ、やっぱりか
キリキザンは自分の予想が当たっていたと確信する。かけてあった衣装や幾つもの鏡があって楽屋みたいだとキリキザンは考えていた。
続いてエネコがキリキザンに自慢げに言った。

「私の御主人達ね、3人グループでアイドルやってんの。ま、隼野が一番素晴らしいんだけど…」
「何言ってんの?亜里抄が一番だよ」
「はいはい、自慢おつおつ」

ピチューとエネコの軽い張り合いにニャースは伸びをしながら口をはさんだ。
ニャースは次々と説明を続ける。

「で、さっきのスーツ来た人が塩河(シュウガ) 茂野(モノ)。マネージャーさん」

あぁ、あいつも似てるやつが…確か紗奈って奴だったかな…
紗奈という女性は大人しめで人見知りな性格。そして想現真の彼女である。
…本気で何なんだ

「んー…まぁ、もーすぐこの建物の2階の会場でコンサートあるから見に行こうか」
「俺は別に興味ないが」
「良いんじゃないの?見て行ったら」
「そうそう!ポケモンはタダなんだから!」

3匹の誘いにキリキザンは少し悩み、そして頷いた。
キリキザンにとって断ろうにも断りにくい状況であった。
『早速行こうか』とニャースが言って部屋を出ていく。それに続いてエネコ、ピチュー、そしてキリキザンが部屋を出て行った。
階段で2階へと上がり、会場へと入る。会場は広く、もうすでに多くの人々が集まっていた。
うちわを持っていたり旗を持っていたり、様々な人が集まっている。
キリキザン達は会場の一番上の所から手すりの上に乗った。

「準備早い事で3人は有名なのよねー。…主に会社内で」
「…それ、褒めるべきなのか」
「ま、もーすぐ出てくると思うよ!」

ピチューがわくわくした様子で言った。
その時、ジャンジャンと爽快な音楽が流れる。それとともにプシューっと白い煙がステージから噴出した。
そして―

ワァァァァァァァ

一気に歓声の声が響き渡る。
ステージの方を見ると着替え、化粧を終えた3人がステージの上にいた。
エネコの言うとおり準備が早い。部屋を出て行って大体20分ほど。もう少し時間がかかると耳にした事があるキリキザンは感心していた。
前奏の間、亜里抄が笑顔で言った。

「皆、ありがとッ!」

それに続いて隼野、ケラノも同じことを繰り返して言った。
そして歌い始める。
この会場は完全に3人によって歓喜に包まれていた。

2=本人

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2012.3.21  20:30:29    公開
2012.3.21  21:08:27    修正


■  コメント (2)

※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。

ユランさんへ
来て下さってありがとうございます!!

まさかのあだ名が出たというw
亜里抄「いやいやいや、発狂って単語自体はやらせちゃ駄目だよ!?」
隼野「いや、別に大丈夫なんj『全然大丈夫じゃねぇよ』窮爽
変態って私の事ですk(ry
全くの人物ってことですねぇ^^ちょww諒輝ww
亜里抄「アンドロイド?ナニソレオイシイノ?」
ケラノ「んー、あー、リョウリョウだったかなぁ?ま、がんばれ☆」
隼野「あだ名は悲劇さんで決定ですね!」
こらこらこら、諒輝で遊ぶなw←
何だろうこの組み合わせwなんだか自分でもカオスな気がしてきたw(オイ作者
センスww岬、許してあげてww
ケラノ「あ、センスでも全然問題ないよ〜♪別にこっちの仕事に被害があるわけじゃないしね〜」
隼野「お給料だって減りませんし♪」
結局金かよ…(;一_一)
コメ&応援ありがとうございます!それでは!ノシ

12.3.24  23:15  -  窮爽  (monoraru)

こんにちは〜!遅れてしまいましたが、新連載おめでとうございます!(*^^*)

発狂さんwwwあだ名が悲しすぎるw
スバル「発狂さん・・・居るよねここnグバッ!!(゜д゜;)((殴らr」
郷美「作者が変態じゃから、仕方なかろうに・・・」
お前等ぶっ殺すぞゴルァp^p^
似てる・・・けど性格が反対で、名前も違うと・・・
貝「アンドロイドとか?」
践花「分かりました!ちまたで噂の最新ロボットとか♪」
諒輝「それってアンドロイドとほぼ同じじゃ・・・」
想竜「そんな事言うならお前も考えてみぃやぁぁぁぁ!!」
諒輝「ちょ、僕を殴らないdギャアアアアアx((ry」
お前等・・・うるさい(´・ω・`)
なぜか想現真とセルアとすみれがコンサートしてるのを思い浮かべてしまう・・・(((
うおおおおおお!!!私も見に行きたい!ぬぉぉぉぉx((ry
岬「いいなぁ〜、僕も行きたい!」
スバル「でもさぁ・・・岬。急にフォークとか振りかざさないd――」
岬「おいそこの観客の人!なんでうちわじゃなくてセンス振ってんですかぁぁぁぁぁぁぁぁ((フォーク投げ」
え、いやきっと世の中にはうちわがなくてセンスを代わりに使う人m((フォーク刺さr/お前かp^p^
それでは、続き頑張ってください!!!応援してます★

12.3.24  21:36  -  papiko  (papiko)

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