ポケモンノベル

ポケモンノベル >> 小説を読む

dummy

刃物さんと嫌いな執事さん

著編者 : 窮爽

1=望み

著 : 窮爽

ご覧になるには、最新版の「Adobe Flash Player」が必要です。 また、JavaScriptを有効にしてください。

※流血あります               

                   「あれは確かに望みだった」

〜数日前〜

夜遅くにコトブキシティの道路で一人の少女が腹部から血を流して倒れていた。
少女の周りにドロドロとした血が広がって行く。
そんな少女の傍にキリキザンが立っていた。キリキザンは自分の腕についた血を見て呟いた。

「…アイツがかわさなければ…」

〜とある都会町〜

「……幻…か?」

都会町の交差点で一匹のキリキザンは呟いた。
呆然としているキリキザンを気にせずに信号を歩いていく人々。

キリキザンは一人の人間を探していた。目的は主人である少女が望んでいた『男を消す』という事を叶えるために。
少女は男に嫉妬していた。少女は父をこよなく愛していた。だが、男に出会って息子の様に慈愛を持って接するようになった父を見て少女は男に深い嫉妬心を抱いた。ただそれが理由で。それが理由で男が憎かった。
だが少女は先日この世を立ち去った。キリキザンの腕の刃によって。
だが、彼はそれを自分のせいだとは思っていなかった。…いや、正しくは自分だけが悪くない。
他に悪い人間が居る。そう、それこそが自分の探している人間。
彼はその人間を刺し殺そうとしていた。だが、人間はそれをかわした。勢いの止まらなかったキリキザンはそのまま人間の後ろに居た少女の腹部に己の刃を刺してしまった。
少女の手持ちのポケモンたち…キリキザン達はそれぞれ違う道を歩んでいくことにした。
キリキザンは少女の望みを叶える為にこうしている。

…だが、この街には彼の本意で来たわけではない。
森を歩いていたが、突然の笑い声と共に光が辺りを包みこみ、光が収まった頃にはこの街に居た。

信号が赤になるとハッと気づき、キリキザンは駆け足で信号を渡る。
キリキザンはとりあえずこの街を歩いてみることにした。
もしかすると、自分の探している人間が居るかもしれない。そう考えた結果だ。
ただ宛てもなく歩く。人が多くて少しでも刃の腕を動かせば他人を刺してしまいそうだった。
歩いていると突然目の前の女に声をかけられた。

「ねぇ、君。どうしたの?」

キリキザンは女を見る。
黒い髪を横に一つに結び、水色のワンピースを着た活発そうな女だった。
肩にはピチューが乗っている。
どこかで似たような顔を見たような気がしたがそれは気にしないことにした。

「何がだ?」
「え、いや…君みたいなポケモンが一匹で居るの珍しいなーって思ったから…もしかして野生?」
「…ある意味な」

少し目をそらしてキリキザンは答えた。
女は首をかしげたがすぐに切り替えてキリキザンに言った。

「じゃあさ、一緒に仕事場に行かない?こんな都会町で君みたいな子が一匹で歩いてたら不審がられるよ?」
「不審?どうしてだ?」
「え、だって野生のポケモンが町を歩いてるって、なかなかないからね。歩いてるポケモンは皆パートナーの人と歩いてるよ」

周りを見て女は言った。
キリキザンもつられるように周りを見る。確かに自分以外のポケモンは人間とペアになって歩いている。
女はふふっと笑って言った。

「案外、世間知らずなんだね。ま、どっちにしよ一緒に行こ?私が色々教えてあげるからさ!」
「……分かった」

キリキザンは女の意見に同意した。
訳の分からない場所で宛てもなく歩いているよりはましだと判断したのだ。
女は『じゃ、ついてきて!』とすたすたと歩き出した。キリキザンはその後を歩く。
女は歩きながら軽い自己紹介をした。

「私は簾藤(レンドウ) 亜里抄(アリサ)。この子は私のパートナーのピチュー。よろしくね」
「よろしく〜♪」
「…キリキザンでいい」

明るく話す亜里抄とピチューに対し、キリキザンは静かに返した。
暫く歩いていると大きな建物にたどりついた。

「ここが私の仕事場!さ、早速入ろ!」

そう言って亜里抄とピチューはそそくさと建物の中へと入って行く。
やれやれとキリキザンはため息をつき、自動ドアを通って建物の中へと続いて入って行った。

⇒ 書き表示にする

2012.3.20  20:54:27    公開


■  コメント (2)

※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。

グロテスクさんへ
こんにちは〜^^名前を変えていらっしゃったので一瞬誰かと思った窮ですw←新連載一番乗りおめでとうございます!!そして、来て下さってありがとうございます!!(パフパフ

結構最近流血シーンとかある作品が多くなってきた気がw←
あらすじに惹かれたとな!?な、なんと嬉しきお言葉…
私も執事系の話とか好きなんですよねー^^
世間知らずには深い深い意味が込められていたのだった…(エ
私は正確で好きか嫌いか決めちゃうんですよねwキリキザンは私の好きなポケモンにランクインしてます(`・ω・´)b

コメ&応援ありがとうございます!それでは!ノシ

12.3.21  15:34  -  窮爽  (monoraru)

 こんにちは、新連載おめでとうございます&一番いただいたり〜ということで、ハイテンションなソルエクです。
 
 風鈴様がまさかの、流血シーンを?????? ふっ、これはあるな(んーーーー、何が?
 それにしても私、あらすじに惹かれました〜^^ 執事物語大好きなんですよ。(でも、次に出す作品は執事とかにしようと思ってたんで、ちょっと、ね?)
 世間知らずって、そんな軽くいえる言葉なのかな?少し怖いなぁ。
 キリキザンって、こわーい顔してるけど、以外に愛嬌あるみたいな?かわいいやつですよね!
 
 それでは、
 次回も応援してます。

12.3.21  14:15  -  不明(削除済)  (1232)

パスワード:

コメントの投稿

コメントは投稿後もご自分での削除が可能ですが、この設定は変更になる可能性がありますので、予めご了承下さい。

※ 「プレイ!ポケモンポイント!」のユーザーは、必ずログインをしてから投稿して下さい。

名前(HN)を 半角1文字以上16文字以下 で入力して下さい。

パスワードを 半角4文字以上8文字以下の半角英数字 で入力して下さい。

メッセージを 半角1文字以上1000文字以下 で入力して下さい。

作者または管理者が、不適切と判断したコメントは、予告なしに削除されることがあります。

上記の入力に間違いがなければ、確認画面へ移動します。


<< 前へ戻るもくじに戻る 次へ進む >>