空の見えない街中で!
六冊目 切り札と僕
著 : 李亜
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美しい瞳に吸い込まれそうになって、逆らうように足に力を込める。
がんがんと頭が痛む感覚。懐かしかった。
一歩踏み込みランクと額を合わせる。気温とおんなじ体温の彼の体に手を当てた。
がやがやと煩くなってきた。大方、早くしろだの言っているのだろう。でも、そんなの直ぐに聞こえなくなって。
__カルム様・・・・・・・・・?
ランクの声だけが聞こえた。
__カルム様、ずっと、ずっと待っておりました。我らは貴方様のポケモン。手足であり友人でございます。何なりと、何なりと・・・!!
ぽろぽろ、透明な雫が夕暮れの瞳から溢れ零れる。
・・・ごめんね。あんな思いをさせた上に、逃げ出して。
__そんなこと、気にしておりません!!
お願いがあるんだ。ランクには負担をかけてしまうけれど・・・。
__何でしょうか?
_______こいつら全員に、見舞えるか? ハードプラント。
頷いた反動で、溜まった雫が宙を舞った。
目を開き一歩下がる。
「ランク!ハードプラント!!!」
「ジャァッロ!!!」
ゼクロムやレシラムにも負けない背の彼が空を跳ぶ姿は、見る者を圧倒させる。
翼もないのに空を切って翔る(かける)彼は、不可能を感じさせない。
長い滑空の後、地についた彼が発する衝撃は、周囲を揺らがす。
地から蠢き(うごめき)顔を出す大木に、相手は反応出来なかった。だってそれは一体の周りだけの現象ではなかったから。
全てのポケモンを大木らは多い囲み、枝や根をしならせた。
相手からは見えないような形でポケモンが囲まれているから赤い集団はどよめくばかりだ。
しばらくして大木が地面に戻った後には、倒れこむポケモンたちだけが残っていた。
「っんな・・・何があったんだよ、おいぃ・・・」
「はい、勝てましたよ。それでも、まだやります?僕は目的の為なら、そう。
貴殿方にわざを当てることすら厭わない」
「・・・アオギリ、どうす」
「わかってる!!・・・撤退だ。『聖連』(セイレーン)は置いていけ。また奪えばいい」
・・・セイレーン?
考える暇もない程の逃げ足で集団は去って行った。
2014.8.7 18:34:54 公開
2014.8.8 14:30:57 修正
■ コメント (2)
※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。
14.8.8 14:16 - 李亜 (1783) |
す、すごい…ランクって、すごい… で、でも、セイレーンって、なんでしょうか? と、隣のセレナ…とか? では!(=゚ω゚)ノ 14.8.7 19:01 - 不明(削除済) (sksc) |
とんだ生物兵器になってしまいましたw
でも、特技にカウントされます。私の脳内ではポケモンは何かしらの特技を一つ持っていて、ランクはそれが広範囲ハドプラだっただけです。他のジャローダは他の特技があります。
聖連、セイレーンは・・・・・・・・・はい、まだまだ秘密です!
ただ、とにかくマグマアクア両団に狙われるようなとてもすごいものです。多分。