空の見えない街中で!
三冊目 傷付いた相棒と僕
著 : 李亜
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一瞬目が合ったけどすぐに逸らされた。
なんでですか、カルム様。我らは一度たりともあの事で怒ったりなどしていないのに。
未だ、怖がっているのですね。
未だ、恐れているのですね。
我らの気持ちがわかるのを。
ばたん、と辞書を閉じる。風圧で空気が押しやられた。涼しい。
『空』かあ。
僕はもう、諦めきったと思ったのにな。見たことのない『空』だなんて、あるかすら
怪しい・・・って。
でも、やっぱり僕は臆病者だ。さわさわと駈ける風のように、恐れを抱かず進めない。
「カルムっくっ_______いやああああああああああああああ!!!!」
「!?」
思考を遮る裂くような声。
この声には聞き覚えがある。お隣のエレナちゃんだ。何事かと窓から外を覗く。
・・・青い服を着た集団と、赤い服を着た集団が、エレナちゃんを囲んでいた。
なんだかエレナちゃんを巡って騒動が起きているらしい。もっとも、彼女は逃げる気満々だが。
なんだなんだ、人様ん家で・・・。
引っ込もうとしたその時。
「いーいーかーらあ・・・・・・・・・来いって言ってるだろ小娘があ!!!」
「きゃああああああっ!」
赤い服を着た女性が、エレナちゃんの髪を掴み、連れていこうとする。・・・さすがにまずいな、こりゃあ。外へ出ようとして思い出す。あれだけの量の大軍、ポケモンなしで行くのは無謀過ぎる。
・・・・・・・・・でも、僕のポケモンは・・・・・・・・・っ!
ああ、またエレナちゃんの悲鳴。なにやってんだ僕は。トモダチが泣いてるってのに、私情で逃げ出そうとして!
あーもう、知らない。成るようになれ。
僕は自ら深い傷を付けてしまった相棒を握って、乱暴にドアを開け放った。
2014.8.2 17:14:34 公開
2014.8.14 21:00:50 修正
■ コメント (2)
※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。
14.8.3 07:17 - 李亜 (1783) |
こちらでは初めまして!CaC3です! 空が見えないなんて…見せてあげたいよ… 赤と青の集団は?! マグマ団とアクア団? 続きが楽しみです! では!(=゚ω゚)ノ 14.8.2 22:09 - 不明(削除済) (sksc) |
赤と青でざっくり説明してたんですが、さすがに簡単でしたねw
大正解、海増やし隊と陸増やし隊です。
エレナちゃんには秘密があってこうなってるんですが・・・まだ秘密です。とりあえずメジャーな展開です。こういうの避けてるのにドウシテコウナッタンデショウ。