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空の見えない街中で!

著編者 : 李亜

十五冊目 ゴジカさんと私*完結!!

著 : 李亜

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 カルムっくんと別れてすぐヒャッコクジムへ入る。入ってすぐの見た目は特に変わりなく、かと言ってドアがあるようにも見えない。一体どう行くんだろう・・・?
「説明とかいいんでみず下さい」
「あんた兄弟の言ってた娘っこか」
 兄弟? もしやジョーイさんのようにガイドーさんも皆兄弟? この世界は不思議に満ちています。
 おいしいみずを仕舞って、部屋の全貌を見ようと真ん中へ行く。

 ちかっ!!

 いきなり辺りが光で包まれる。すぐに元の明るさになって・・・。・・・・・・・・・あれ?
 さっきの暖かみのある部屋とは違う光景が広がっている。床はそのままだけど、壁が無くなって宇宙のような空間が見える。
「まさかここ・・・通れるの?」
 水色のラインが伸びている。意を決して踏み込む。落ちないでっ!!


 すとん。思った以上に足場は丈夫だった。よかったです。
 まだ一本道のようなので足場の通りに進んで行って第一トレーナー発見です。
「よーっしぃ!」













「ゴジカさん」
「! ・・・ようこそ。
これは儀式。これまでを振り返りつつこれからの道を決めるもの。
そう、ポケモン勝負。ジムリーダー・ゴジカといざ始めるとしましょう」
 そう言うとゴジカさんはマントを広げ、世界に逆らう。
 高揚しだす心を深呼吸で静める。
「・・・・・・・・・お願いします!」
「こちらこそ」


「出ておいで、マリー!!」
「いってらっしゃい、シンボラー」
「でるりゅるうい!!」
「からころぴゅうい」
 私はデンリュウ♀のマリーを、ゴジカさんはシンボラーの♀を。それぞれ繰り出した。
 癖毛で少しふわふわな感じが残ったマリーは、そこらのデンリュウよりちょっと大きく見える。
「シンボラー、サイコキネシス」
「わっ、わっ!! 最初っからエスパー最高火力!? マリー、ほうでんっ!」
 すばやさがとても高いシンボラーだもん、ターンの最初は譲るつもりだった。
 シンボラーのサイコキネシスがマリーにあたる。でもそんなの物ともせず、きりっとした顔ですぐにほうでんを放った。シンボラーのHPがぐんぐん減って・・・。0になった。
「流石こうかバツグン。一撃ですか」
「やったあ!! マリー、ありがとう」
 互いにポケモンを納めて向き直る。



「頼んだよ、ミント!」
「強さを魅せてあげて、ヤドキング」
「きゅーるるい」
「ぐー」
 ミントは私のアブソル♀。少し恥ずかしがりやで、・・・いや、かなりの恥ずかしがりや。俗に言うツンデレです。もふもふの首もとに私は惚れていたりもします。
「ミントはすばやいですよ。お先に失礼します、シャドークロー!」
「ヤドキング、パワージェム」
 黒い怨念を前足に纏った(まとった)ミントが容赦なくヤドキングを引っ掻く。これもまたぐんぐんHPを減らしていきます・・・・・・・・・そしてゲージが見えなくなった。
「強い、ですね」
「そうですか? あはは・・・」






 これは何かとんでもないものを隠し持っているようね。
 くすりと思わず微笑むわたしに戸惑うチャレンジャー。そう、勝負の途中だった。
 すっと向き直る。






 最後の一匹。
「お願いリドヒェン!」
「どうぞ、ニャオニクス」
「ふぉっま!」
「にゃーおにゃ」
 やっぱり固定のリドヒェン。ここに来るまでに実はマフォクシーに進化しました。いえーい!
「リズ、新しいわざを見せちゃおう! マジカルフレイム!!」
「ニャオニクス、ねこだまし」
「あっ!」
 パチン。
 リズの目の前で小気味良い音がなる。
 しまったあ・・・、そりゃあニャオニクスだもん。ねこだましのひとつやふたつ・・・。
 怯んでしまったが、すぐに頭を振って立ち直る。
「もう一回! マジカルフレイム!」
「ニャオニクス、サイコキネシス」
 ギリギリでリズがニャオニクスより速くわざを出した。
 ・・・けどサイコキネシスで炎が相殺されちゃいました。
「強ぉ・・・。さすが七つ目のジム」
「・・・・・・・・・あなたもなかなか」
 気を取り直して指示を待っている友人にこう応える。
「リズ、ほのおのちかい!!」
「珍しい・・・。ニャオニクス、サイコキネシスで相殺して」
 ごおっ!!!
 炎の柱に衝撃波がぶつかる。
 でも柱はびくともせず波を押し返して・・・・・・・・・。







「・・・・・・・・・あなた、やっぱり強い」
 勝った。








「あなたたちなら星すら動かし進むべき道をつくりだせそう」
 ごそごそと何かを取り出す。いいや、何かではなくて、はっきり何か予想できる。
 きらり、輝くジムバッジ。
「これは証。あなたたちがこれまでに歩んだ道のりを形にしたもの」
 雲のようなバッジを私に握らせます。
「そう、サイキックバッジ」
「…サイキックバッジ……」
 ふとゴジカさんを見ると、ゆっくり、真剣な眼差しで私を捉えていた。
「これは信頼」
 ごくりと唾を呑む感覚。
「…サイキックバッジの光」
 きらり。紫が瞬く。
 ふっと目を離して、呪縛から解かれる。
 またどこからか何かを取り出す。今度はマーシュさんに貰った物とはちょっと違うピンク色のディスク。エスパータイプのわざマシン。
「これは一つの力。使ったポケモンの特攻と特防を上げる……。そう、わざマシンめいそう」
 受け取って鞄に仕舞う。
 立ち去ろうとしたらゴジカさんに止められた。
「これはわたしが見たもの。そう、あなたの未来の一つ。
大地を、大海を奪う存在の目醒め。響く哀しみの声……。あなたが関わる未来」
「大地を、大海を…奪う…?」
「そう、ただこれは幾つもの未来のたった一つのルート。未来は幾重にも広がっている…」
 きら…。
 弱弱しくジムの中の星が泣く。
 ………哀しみの声………………。


「落ち着いた? …これは道標。あなた、入り口に戻りますか?」
「あっ…はい。お願いします」
「では…」
 周りが明かりで目映く(まばゆく)光る。思わず目を瞑って(つむって)、もう一度世界を捉えた時には、さっきの宇宙のような空間はどこにもなく最初の部屋に戻っていました。











「あのこ、ここの誰より強く光っていた」

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2014.9.10  20:12:12    公開
2014.9.28  02:48:59    修正


■  コメント (2)

※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。

>>カルさん
そうですそのまさかです!!
まるまるセリフを持ってくるのもあれですし、これからのことも関連付けたいな〜と思ったので。
あとは最後のジムリーダーを倒した後、四天王に挑戦して、+αで完結予定です。短そうで長いです。

14.9.20  19:29  -  李亜  (1783)

「これはわたしが見たもの。そう、あなたの未来の一つ。
大地を、大海を奪う存在の目醒め。響く哀しみの声……。あなたが関わる未来」

こんにちは!CaC3です!
もしかしてそれは……!!
ああああどうなっちゃうの?!ものすごい気になるよ!うわぁぁ(ry

では!

14.9.20  15:31  -  不明(削除済)  (sksc)

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