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POKELOMANIA

著編者 : 水雲(もつく)

※閑話Q題 その1

著 : 水雲(もつく)

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 落描きのように、ネタや文法をすっぽかしたものを書き散らしたくなる時がたまにあります。
 今もそういう時なのだと思います。


   ― † ―


 わたしという人物はどうもやたらめったに文章をひっぱってしまう癖があります。これはもうどうしようもないレベルにまで浸透してしまっているようです。綿密に描写しようとしてかえって読みづらくしたり、ネタがつかみにくかったり、テーマが薄れてしまったりと、作品の本質をぼやかしてしまいます。「文章を削るのも大切な作業」とかつて友人に言われたことがあるのですが、今になって胸中で鈍く響いています。
 ネタ出しそのものに困ったことはこれまでにあまりなく、「この路線でいこう」と決めたときには割といいテンポで仕上げます。一度モチベーションを作ってしまえば持続も案外簡単で、短編ならばさっくりと脱稿するタイプです。企画物で締切りが設けられているのならばなおさらです。
 が、どうも創作における重要な要素であるはずの『テーマ』を、『ネタの二の次』と考えるフシがありまして、書いている途中になってから無理やり組み込もうとします。元来、書きたい部分だけを書いていくスタイルです。しかもそのネタの入れ方に問題があるのか、物語が「転」にすり替わるあたりで軸がブレがちになります。そこへ真正面からぶつかって帳尻合わせするのが文字書きの醍醐味でもあるのですが、突貫工事で仕込んだテーマなどなんのその(下手すればそれすら抜くこともしばしば)、早く完成させて投稿したい、という逸る気持ちが常々優ってしまいます。せっかちなんですね。読んでもらいたいオーラ満々ですので。冷却期間が短すぎるあまり、読み返してみて自分の作品に不信感を抱きたくなる瞬間が訪れます。まあ、熟成を待って放置しすぎると着手当時の情熱も忘れてしまうので、なるべく早めにお届けしたいと思っての愚行です。
 そのくせインデントには人一倍気を使ったり、三点リーダを自ら制限したり、改行のタイミングを吟味したりと、文章全体の「間合い」にだけは目を光らせているのですから、本末転倒も甚だしい。


   ― † ―


 こうして短編集としてのページを作成し、独自のポケモン小説を色々とひねり出してきたつもりです。練習と自分に言い聞かせてあれやこれやとやってみましたが、やはり短編は難しいです。詰め込みたい要素、妥協する要素のバランスが特にシビアです。うっかりしたら20,000字を超えかけたものもいくつかありました。泣く泣く大胆カットしている作品もあります。
 地の文、会話文の両立も悩みます。会話だけだと読み応えに欠けるただの台本ですし、地の文だけだと読者を選びます。アメリカンジョークの利いた会話でも用意出来ればいいのですが、あいにくそんなスキルは持ちあわせておらず。情景描写よりも心理描写にこだわるわたしは、いつのまにやら一人(一匹)でぐだぐだと自問自答を繰り返すヘタレな主役ばかり産み出してきたのでした。
 それとわたしは『トレーナーが主役の小説』を基本的に非常に苦手としています。あまり書きたくありません。どちらかと言えば、『ポケモンが主役の小説』に重きを置くタイプです。
 理由といたしましては、わたしの好きな要素、バトルが関係してきます。トレーナーを主役に立たせてバトルを絡ませるとなると、どうしても人間目線で『見守る』形となります。そこへ単に「避けろ」「たいあたり」「かえんほうしゃ」を発言させるのは我ながら苦しい話です。ロマンチストで夢見がちなヤツであるわたしは、ならばいっそのこと最初からポケモン目線で話を進め、バトルも目の前の光景をばんばん描写していけば、よりリアルタイムで接近したものになるのでは、と考えました。当然、トレーナーはポケモンへ指示します。ポケモンは指示に従い、戦いを有利に進めようと必死になります。その他、指示の出されない『隙間の時間』はポケモン独自の判断で行動し、より一連の流れにタイムラグを起こすことなく自然となれるようなものにしたいと思いました。
 そういったこともありまして、今後に備え、かっこいいバトル描写を確立させるためにも、ポケモン目線の小説を中心にどんどん書いて経験を積もう――その結論にいたり、紆余曲折を経て、この短編集がうまれました。


   ― † ―


 それでは、反省会を始めたいと思います。


【オブジェクト・シンドローム】
 別サイト、ポケノベル様にて投稿させていただきました。
 伊藤計劃の「ハーモニー」に強くインスパイアされている部分が多くあり、「ポケモンでSF創作は可能なのか?」を個人的なお題にしています。
 オリジナルのタグを地の文に打ち込みつつ舞台背景をかためていく作業は非常に楽しかったです。当時の秘密基地を作るわくわく感を思い出してくだされば、この水雲、これ以上とない幸福です。
 個人的には95点です。


【オブジェクト・コンタクト】
 続編です。短編の続編、というのもおかしな話です。要は「前回好評だったから書いてみよう」という、お調子者らしいノリで作ったものです。
 これにて、前回書ききれなかった電脳世界の部分を補強、回収することも可能となったので、わたし自身はまあまあ満足しています。
 もう一作、「オブジェクト・コンバット」にて、この3部作は完結される予定です。
 個人的には60点です。


【NIGELOMANIA】
 短編企画にて書き下ろしました。
「ポケモンで二人称小説は可能なのか?」を個人的なお題にしています。
 とにかく騙したい気持ちでいっぱいでした。ここまで露骨にひっぱるのも珍しいです。ひっぱりすぎるとぶっつんとちぎれてしまうので、程々のところで着地できるようにしました。
 当初はジョウト御三家3匹にするつもりでした。しかしそれでは相手を悪役っぽく見せることができなくなってしまうため、いかにも悪役が使いそうだなあ、というミスリードのために別の3匹を用意しました。登場ポケモンがジョウト地方に縛られているのは単なる気分です。冒頭にあった「肺」とかの代名詞が全然活きてこなかったのが反省点。
 劇中、ニューラが「あなた」の指をひとなめしたのも、手についたきのみの匂いに気づいたからです。
 個人的には70点くらいです。


【DANCING QUEEN!!!】
 アニメ「頭文字D」に感化されて出来上がったのがこちらです。完全にその時の勢いだけで書いております。乗りに乗って打鍵していけば、描写もよりスピーディな感じになるのでは、と。
 キリンリキとカポエラーにも名前をつけてあげたら良かったなあ、と後悔しています。この子たちは今後、別のところで使いたくなったので。続編ができる可能性、ややありです。これ以上のおばか小説になりそうです。
 作業BGMもタイトルもスーパーユーロビートです。KING&QUEENに今もなおはまっています。
 個人的には70点です。


【おれは店員】
 同じく勢いです。こういう舞台裏的なものをたまに書くのも楽しいですね。主役を見守る、支えるモブキャラたち。これを執筆していた当時の思い出はあまりないのですが、このあたりから主役の名前が不明のままである短編を書く面白みに気付き始めています。
 個人的には65点です。


【LIFE】
 別サイト、ポケノベル様にて投稿させていただきました。
 当時この企画では匿名で投稿し、最後に作者発表という段取りとなっていたため、これを書いたのがわたしだと発覚したときの他の作者様の反応は中々のものでした。自分でも「らしくない」作品だったと思います。でもいつかはやりたかった遊郭ネタでした。それっぽい用語をあれこれ調べるのも苦労ものでした。しかも書き込みすぎて23,000字あたりまで行ってしまったので、ダイエットが大変でした。
 硬派でありたいとはよく思いますが、官能的なものも書きたいという気持ちも時々浮かんできます。投稿する場所がないだけです。なのでこういうギリギリ(中途半端)な仕上がりとなりました。18禁漫画よろしくただ性的な部分を押すのではなく、ダビデ像や裸婦画のように芸術的な部分で雰囲気をかもし出していく、をモットーに。
 リアンは「キルリアン写真」から。メアナは「ナイトメア」からです。
 個人的には75点くらいです。


【コギトエルゴスムにて。】
 企画の没ネタです。思い切りSFにしてリサイクルしました。
 騙しのトリックがある点ではNIGELOMANIAと一緒であり、しかし文章スタイルはまったく正反対です。こちらは会話文しかありません。しかも一方的。ついに宇宙レベルにまで創作の規模をこぎつけることができたという意味では自分に乾杯したいところです。
 それにしても、ポリゴンZは本当に万能ですね。大助かりです。チャンスをくれないかに出てくるポリゴンZとは別の子です。スターシステムを採用しても良かったんですけどね。
 この船の名前「コギトエルゴスム」はデカルトの言葉「我思う故に我あり」です。わたしの大好きなゲーム、「LIVE A LIVE」にて同名の宇宙船が存在するため、そこからこの船の名前ができました。
 個人的には80点くらいです。


【Call me & Tirami su】
 正直苦しいです。読み返しても顔を顰めたくなるばかりです。当時のネタを皮肉っているだけです。
 しかし、わたしにポケモンとSFを繋げるきっかけを作ってくれたシロモノ。ここから派生してオブジェクトシリーズやコギトエルゴスムができました。
 それでも、個人的には0点です。


【Se7eN】
 長編小説「チャンスをくれないか」を書き終えた現在、わたしの新たな起点となった作品。この短編を作りだしてしまったがために、わたしの中で大きな変化が起き始めております。いい意味で。
 当時はそんなつもりは一切ありませんでした。単にチャンスをくれないかのスピンオフが書きたかっただけです。B2のダイケンキ「ツルギ」とWのサンダース「セブン」のやりとりを想像して書いた他愛のないシロモノだっただけに、今後わたしに多大な影響を及ぼすとは、その時はまっっっっったく考えておりませんでした。
 ということで、今もその「よからぬこと」がわたしの中で膨らみつつあります。いつか現実にしたいものです。
 タイトルはわたしの大好きな映画「セブン」からです。vが7であるのが特徴。サンダースのセブンは本編にもあるとおり、「七匹目」を意味しています。
 個人的には90点くらいです。


 2014年5月20日現在、わたしがPOKELOMANIAにて投稿した短編は以上となります。


   ― † ―


 初めましてのお方は初めまして。水雲です。
 基本的な主張は「サンダースが好き」です。
 バトルもの、SFものを大きく絡ませたポケモン小説を書くことを憧れとしております。
 ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
 これを書いているのは、ポケモンRSが3DSでリメイクされると発表されて大賑わいとなっている時です。
 わたしの描く「妄想」は、まだ続くつもりです。

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2014.5.20  21:19:15    公開


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