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　　キーン　コーン　カーン　コーン　〜
　　


　　森の中から学校のチャイムの音が鳴り響く。
　　
　　
　　その音に驚いたのか、沢山の鳥ポケモン達が一斉に飛ぶ。
　　
　　
　　ここは、町外れにあるポケモン・ブリーダー学校。
　　
　　
　　訳して、PBS
　　
　　
　　そんな、学校の屋上で居眠りをしている一人の少年。
　　

　　少年は髪が濃い藍色で前髪の一部に赤いメッシュがある。
　　

　　チャイムが鳴っても気持よさそうにまだ寝ていた。
　　
　　

　　ガチャッ　　　　　　　ギイィィ

　　

　　すると、屋上の出入り口のドアが開いた。
　　

「雪牙ぁ〜!?　まだ、寝てんのぉ〜?」


　　元気な声と同時にドアの向こうから、髪が橙色で長く、目が綺麗な碧色をしている少女が現れた。
　　

　　少女は雪牙と読んだ少年の姿を見て、溜息をつき歩み寄ってしゃがみ
　

「もしもーし、起きてますかぁ?」
　　

　　雪牙に向かって話かけた。


　　雪牙はその声でやっと目が覚めた。


「んッ?　あれ、もう終わったのか柚李?」


　　重たい瞼を上げながら柚李と呼んだ少女に雪牙は聞く。


　　雪牙の目は透き通った薄い赤い色をしていた。


　　そんな雪牙に柚李は、呆れたような表情をして言った。


「はぁ〜、とっくの昔に終わったよ!! 何で授業に出ずに、ずっとここで寝てるの?」
　　

　　そして、呆れた表情を不思議そうな表情に変える。


　　雪牙は、まだ、眠たそうな顔をしながら立ち上がり柚李の方を見て言った。


「別に、どうせ出ても寝るから、寝るんだったらここの方がマシだと思って」


　　それと同時に背伸びをする。


　　そんな雪牙を見て、柚李は立ち上がり眉を吊上げ怒った。


「あんた頭大丈夫?!!　何の為にこの学校来てんのよ!!」


「知らねぇ〜、、、忘れた」


　　だが、雪牙は柚李の言ったことを軽くその言葉で答え、出入り口のドアに向かって歩く。


　　そして、ドアノブに手をかけ開けようとした時、柚李が、、、、、、


「忘れたって、、自分の将来の為に決まってるじゃない!!」


　　大声で雪牙に怒鳴った。


　　雪牙は、ドアノブから手を離し黙ったまま俯く。


　　それでも柚李は言い続ける。


「あんた、ブリーダーになりたいから、この学校に入ったんでしょ?! 違うの!!　それに、、、、」


　　柚李はゆっくり目線を下に向けた。


　　そして、少し悲しそうに言う。


「それに、、、、あんたの!!」


「やめろ!!　それ以上何も言うな!!」


　　すると雪牙は柚李の言おうとしたことを止めた。


　　柚李は下に向けていた目線を雪牙に向ける。


　　その目は、今にも零れ落ちそうなほど涙を溜めていた。


　　だが、雪牙は俯いたまま柚李に言う。


「もういいんだ、諦めたんだ俺は!!　消えたものなんて、どうでもいいんだよ!!」


　　雪牙は開いていた手を握った。


　　その手はかすかに震えている、それだけ力強く握っているのだろう。


　　そんな雪牙に柚李はまた話す。


「どうでもよくないよ!!　もしその消えたものが大事なものだったらどうするの?　雪牙はただ知るのが怖くて逃げてるだけだよ!　逃げてたら意味ないよ!!」


　　その言葉と同時に柚李の目から涙が流れる。


　　でも雪牙の目は堅く閉じられ柚李の泣く姿は映されなかった。


「もう、この話しは止めよう.........」


　　雪牙はそう言い残して柚李の前から姿を消した。


「よくなんて.......ないよ......」


　　一人残された柚李は、そう言って泣きながら俯き立っていた。


「もういいんだ......消えた記憶なんて」


　　ドアを背にし立っていた雪牙は、小さく悲しい声で呟いた。


　　そして、学校をあとにし家へと帰った。




















挿絵はヨゾラさんに描いてもらいました!!
ヨゾラさんありがとうございます!!