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扉
影の扉 失った者は諦めなかった、そして出会った。
著 : kkt
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私は………利用された。
永遠に……死ぬことを許されず………。
外の世界に行くことも許されず………利用された。
そのせいで私は………音を出すことを忘れてしまった。
口を開けても音は出ない………。
かつて美の歌声と言われた音は………もう、出ることは無かった。
邪の人間に捕まったせいで…………。
私は…泣いた。
音が出ない口を震わせながら………涙で顔がぐじゃぐじゃになりながら。
憎い………邪の人間が、憎かった。
でも、憎んだって何も帰ってはこない。
捕まって、勝手に私が音を出すことを忘れてしまったのだから………。
何故、忘れてしまったのかさえも忘れた私って…………馬鹿だなって思った。
それに音は無くても…………光があるのに気付いた。
水色をした私の光。
けど、その時………光は薄暗い部屋の中しか映しださなかった。
嗚呼………この光に外の景色を映したいと思った。
いろんな世界の生き物達を映したいと思った。
永遠に利用される………。
なんて……。
外の世界に行くことも許されず………。
なんて……。
嫌 だ っ た
私は死なない…………だったら少し無理をしても大丈夫と思った。
私を縛り付けている機械を壊すくらいなら大丈夫と考えた。
逃げる時はあれを使おうと決めた。
その後は、旅に出ようかな……そんなことまで考えた。
見たとき行ったときないのをこの光に映そうと思った。
絶対。
もし、失敗しても諦めないと決心した。
私は絶対…………。
諦 め な い
そう誓った私は、逃げ出すことに成功した。
少し怪我をしたけどそのくらい平気だった。
やっと出られたんだもの………自由になれたんだもの。
嬉しかった。
でも、やっぱり邪の人間は追ってきた………。
私はあれを使うことを決心した。
邪の人間は私が不死身ということは知らなかった。
私は崖に追い詰められた。
そして私は技『重力』を使った。
その時、私の下に在ったのは地面ではなく…………荒れ狂う海。
真っ逆さまにそこに落ちた………。
私は死ぬことを許されない存在…………だから。
目が覚めた時は………彼がいた。
そして私の運命は大きく変わったのだった。
2009.1.21 15:20:51 公開
2009.1.21 15:28:36 修正
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