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  扉  

著編者 : kkt

第四の扉  生死堺にいる者  = 答 =

著 : kkt

イラスト : kkt

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  ここは闇が渦巻く場所、普通の者だったらすぐ闇に呑み込まれてしまう

  そんな場所に一際目立つ一匹のヒンバス、ライラが怪我をしているヒレをかばいながら宛てもなく泳いでいた

「ん〜本当にこっちかな?」

  どうやら何時間もさ迷っているようだ、少し息も荒い

「それにしても暗いなァ、頭痛くなってきた」

  そう言って立ち止まり辺りを見る

  先程言って通りそこは何処までも闇が広がっている、まるで無の世界だ

  だが、ライラはまた泳ぎ進み出した

  何故ならこの先にはライラにとって大切なものがあるのだから





  そして数分....

  遥か遠くに光が見えた

「なんだろう、あれ?」

  その光を見てポツリと呟くライラ

  すると、ライラの頭の中で文字が浮かぶ


- こっちだよ -


「えっ......」

  ライラは驚き辺りを見るが在るのは数10メートル先で輝く光と自分だけ

  それなのにまた、文字が浮かぶ


- 光を目指して進んで -


「光.....を.....」

  光とはおそらくあの先に在る光の事だろう

  ライラは深呼吸をした後ゆっくりと光に向かって泳ぐ

  だんだんと近づき大きくなる、それと同時に光の中に姿があるのに気付いた

  ライラはそれを見て信じられない顔をする

  何故ならばその姿は、

「兄さん!!」

  そう、それは昔死んだはずのライラにとって優しい存在であった、たった一人の兄のミロカロスなのだ

  ライラの目から一滴の涙が流れでる

  その時、蒼い光に包まれたミロカロス、ライラの兄は口を開いた

『よく我慢できましたねライラ』

  その声は暗い闇には似合わない、澄んだ綺麗な声だ、だが、何故か生きた者の声には聞こえない

『ライラ、私が死んでから辛かったですか?』

  兄はライラに聞いた、ライラは目に涙を溜めたまま話す

「うん、辛かったよ.......消えて無くなりたいってずっと思ってた、あの時私が兄さんの言うことを聞いていればって何回も思って、何回も泣いたよ」

『仕方がないですよぅ、あの時はまだライラも小さかったですからね』

「違うの兄さん! 私本当は危ないの知ってて......」

  ライラは俯き目に溜めていた涙を一気に流す

  その涙はぽろぽろと暗い闇の中に溶けていった

  そしてライラはこう言った

「......私がやった事は........兄さんを................殺したと同じなの.............!!」

『.....知ってましたよ、分かってて私も行ったんです.......ライラ、あなたは悪くないですよぅ』

  俯いていたライラはその言葉を聞いて驚いた

「知っててどうして? なんであの時来たの! 私なんか生きてたって意味なんかないのに」

『そうですか? 私は生きててもらって嬉しいですよぅ』

「なんで?」

  ライラは涙を流している瞳で兄を見る

  すると、兄の体がだんだんと薄くなっていく

『生きるために必要な物を見つけてくれたからですよぅ............ライラ、最後に兄の言うこと聞いてくれますか?』

  気付けば兄の瞳からも涙が流れていた

  その震える唇で、必死に悲しみを堪える笑顔でライラに言った

「兄さん......うん、聞くよ」

  ライラは兄の薄れていく姿を見ながら頷く

『ありがとう、じゃぁ目を閉じてください』

  兄に言われたとおりライラは目を閉じる

  闇の中でまた、闇が訪れる

『今から私が言うこと全て約束してください』

「分かった」



『これから、居なくなりたい死にたいなど思わないで下さい、私は悲しいです』

「うん」

『すぐに泣かないで下さい、弱いままじゃ進めませんからね』

「うん、すぐに泣かない」

『無茶なことはしないでください、大怪我をしたら大変ですよ』

「それは絶対しない、また同じ過ちを繰り返したくないから」

『嫌なものに立ち向かう勇気を持ってください、逃げるなんてゆるしませんよ』

「うん、頑張る」

『私の学校を頼みましたよ、いつも笑顔の絶えない学校を』

「うん、大切にするから心配しないで」

『私はいつもライラの心にいますから、忘れないで下さい』

「当たり前じゃん、絶対忘れない」




  ライラはずっと目を閉じたまま、兄が言うこと一つ一つに返事をする

  ライラには見えないが兄の体はかすかに見える程薄くなっていた

『これで、最後です......ライラ、あなたの大切な.....ものをしっかり.............』


     守    っ    て    く    だ    さ    い    


  その言葉と同時に兄は消えた

  目を閉じているライラは知らないまま口を動かす

「チィのことでしょ? 何があっても絶対守るよ私のたった一人の繋がりだから」

  しかし、声は返ってこない、今は目を閉じているライラ一人だけなのだから

  ライラはずっと黙っていた。目を開けずに

  そして、おかしいと思い「兄さん?」と声を掛ける

  すると、兄に会う前と同じ、ライラの頭の中に文字が浮かぶ


- 君のお兄さんは帰ったよ -


「え?」


- ゆっくり目を開けてごらん -


  ライラは少し戸惑ったが涙を拭った後、ゆっくりと目を開けた

「...あ........れ.......?」

  目を開けて最初に見えたのは岩の天井だった

  ライラは手当てされ岩に敷いてある海草のベットに横になっていた

  薄暗い洞窟のような場所だ、いや、洞窟としか考えられない場所だった

  体を起こし洞窟の中をまじまじと見る

  すると、自分のいる海草のベットにもたれて寝ている光る触覚を持ったポケモン、チョンチーのチィがいるのに気付いた

  チィの体にも包帯やらガーゼやらと手当てをした跡がある

「よかった....」

  すやすやと寝るチィをみてそっと呟いたライラはチィを起こさないようにソロリと洞窟の入り口の前に行った

  洞窟の外は薄暗く月明かりが幻想的な風景を醸し出している

  ライラがそれを眺めていると一匹の美しい龍が現れた

「起きていても大丈夫ですかぁ?」

「....はい、大丈夫です.......あなたが私とチィを手当てしてくれたのですか? ありがとうございます」

  龍はライラの前で言った後、ライラは深く頭を下げた

「いえいえ、当然のことをしたまでですよぅ」

  龍はそんなライラに笑顔する、そしてこう言った

「生きててもらって嬉しいです」

  ライラはその言葉を聞いて驚いた、何故ならこの言葉は先程まで一緒に話していた兄が言った言葉だったからだ

  すると、ライラの目から涙が流れる

「....あ........うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」

  大きな声を出しながらライラは龍に引っ付いた

  龍は驚き慌てる

「私これからも生きるよ、チィを守るよ!! 兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん!!!!」

  ライラはずっと同じ事を言い続けた

  声が枯れると思う程言い続けた

  慌てていた龍はいつしか優しい眼差しをライラに送っていた

「辛かったんですねぇ......」

  そして、ライラを優しく包んだ







  -----数年後

「こうして、醜いポケモンは美しいポケモンと親友と一緒に強く逞しく生きたのでした、おしまい」

「えーもう終わりー? もっと聞きたかったのにー」

「私も−」

「僕も−」

  湖の中にある水草の生い茂る草原のような場所でポケモンの子供達が元気な声を出していた

「あらあら、皆欲張りね」

  その子供達の前に一匹、空色のヒレを持ち金色の鱗をしたポケモン、色違いのミロカロスが優しく微笑みながら子供達に言う

「「だってー」」

  そんなミロカロスに子供達は声を合わせる

「だって、何?」

  ミロカロスは頭に?マークを浮かべる

「強く逞しく生きてそれからどうなったのか知りたいんですよねぇ皆」

  そこに、蒼い鱗を持ち首元と尻尾に更に蒼い球体の水晶をつけた龍のポケモン、ハクリューが現れた

「「ラッくんだぁー!」」

  ハクリューを見て子供達は一斉に大きな声を出した

「たのみますから、ラッくんは止めてくれませんかぁ?」

  ラッくんと子供達に呼ばれたハクリューは困った顔をする

  だが、子供達は「いやー!」とまた声を合わせる

「兄さんいいじゃない可愛いし」

  ミロカロスも一緒になってからかう

「ライラまで!! 酷いですぅ....」

  ハクリューはミロカロスをライラとよんで落ち込む

  そう、ライラはあれから自分を助けてくれた龍と一緒に暮らし成長し進化し強く逞しく美しくなったのだ

  この、ライラの前にいる子供達はライラの兄が始めた学校の生徒達、いつも絶え間無く笑顔で満たされている

  あの時の約束を守っている

  しかし、なにか足りない気がする....

「ライラ!! 大変!!」

  その時、ライラの後ろから丸く大きい光るものと水色の体をしたポケモン、ランターンが大声と共に現れた

「わっ!! びっくりするじゃないチィ、そんなに慌ててどうしたの?」

  ライラはランターンをチィと呼び話す

  チィも進化し今となっては湖のリーダーをしているのだ、しかし、今日のチィは一段と慌てている

「どうしも、こうしたもないわよ!! 海に繋がる道からハンパない数のサメハダ−やキバニアが来てるの!! 追い払うの手伝って!!」

「まさか、そんな!! わかった、兄さんこの子達を安全な場所にそれと守ってあげて!!」

  ライラは生徒達をハクリューに任せて、急いでチィの後に付いていく

「ライラー、あまり無理をしないでくださいよぉー」

  ライラの後ろからハクリューが大きな声を出して言った

  それを聞いてライラは心の中でこう呟いた






















  -----分かってるよ、兄さん..........心配しないで.........同じ過ちはしないから.................................そして、ありがとう...........女神...............-----


























第四の扉  生死堺にいる者  = 答 =

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2008.12.1  15:26:40    公開
2008.12.12  15:21:22    修正


■  コメント (2)

※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。

由月さん来てくださりありがとうございます!!
謎のポケモンはちょっとづつ明かすつもりです^^


一応これからのものは考えてありますが、今、携帯のほうで調整中です・・・・・
それは、、、、少しバットの入ったハッピーエンドに(意味不明
なにわともあれ楽しみにしていてください!!
では、コメありがとうございました!!!!

08.12.9  14:07  -  kkt  (kikuti)

こんにちは!描きかけのところすみません><
相も変わらず謎なポケモンが気になって仕方がありません(笑

ライラの行く先には何があるのでしょうね?
幸せな終わりを迎えられるよう祈ってますw
あ、バットエンドでもそれはそれで…(殴

08.12.2  16:22  -  不明(削除済)  (931809)

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