ジュンサ―巡査(?)の平和な事件簿(?)
第3話 ただいま
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ピーンポーン
インターホンを鳴らす。
足音が近づく。
ガチャ
扉が開き、その人は居た。
ヨシミ「あら、ミワちゃんじゃない。
どうしたの?」
ミワ・ジュンサー「仕事で来てて。」
ヨシミ「雨凄かったでしょ?
とりあえず上がりなさい。」
ミワ「はい。」
中に入る。
扉が閉まる。
ミワ「懐かしいー!」
ヨシミ「フフ。お帰りなさい。」
ミワ「ただいま。」
ヨシミおばさんが台所から出てくる。
ヨシミ「はい。」
机の上にご飯を置く。
他の料理も持ってくる。
ヨシミ「ごめんねぇ。こんなものしかなくて。」
ミワ「いや、いきなり来たのにありがとうございます。」
ヨシミ「いつでも大歓迎よ!」
ヨシミおばさんも席につく。
手を合わせる。
ミワ・ヨシミ「「いただきます!」」
これを言うタイミングは、自然にぴったりと揃う。
昔の感覚を今も忘れていない証拠だ。
ヨシミ「そら凄い雨だもんね。
今日は、家に泊まって良いから。
って言うか、毎日ニビに帰るのはしんどいでしょ?
一週間毎日泊まりなさい。」
ミワ「ありがとうおばさん。」
いつの間にか、半分タメ口に戻っていた。
もう、昔と同じだ。
ミワ「最後にここ来たのいつだっけ?」
ヨシミ「2年ぐらい前じゃない?」
ミワ「そっか…もう2年か…
ここで暮らしてたのは、8年も前だよね…」
ヨシミ「そうね…」
8年前。
警察学校に入学する前だ。
小さい頃は、何でこの人は私達と同じ顔をしてないんだろう?なんて、
ヨシミおばさんを見て、思ってたな…
ミワ・ヨシミ「「ごちそうさまでした。」」
これも揃う。
もはや、懐かしいというより、
今の普段の生活を不思議に感じる。
ミワ・ジュンサー「あ、もしもし?
私私!ちょっと事故ちゃって!」
アイト『声が明るいってことは、ふざけてオレオレ詐欺の真似事をしてるってことですね?』
ミワ「さっすがアイト君っ!」
アイト『…飲んでるんですか?』
ミワ「ううん。今夜は無理にハイになりたい気分なの!」
アイト『何かあったんですか?』
電話の向こうのアイト君は、いつもこちらを心配する。
今、私は完全に8年前の気分だ。
ミワ「ちょっと仕事が…」
アイト『疲れた訳じゃ無さそうですけど?』
ミワ「暇すぎて気ぃ抜けちゃったのよ!
そんなことより、今日のアイト式天気予報聞いてなかったんだけど?」
アイト『それは、ミワ先輩が飛び出して行っちゃうからですよ!
今朝、ほとんど会話してなかったじゃないですか…』
ミワ「そっか、私のせいか。
ごめんごめん。」
アイト『先輩は、何処に泊まってるんですか?
さすがに大雨の中、ニビまで飛ばしてないですよね?』
ミワ「さすがにしてないよ。
今、実家。」
アイト『え?!
ミワ先輩の実家、ジョウトじゃないですか?!』
ミワ「あ、そっちの実家じゃない。」
アイト『あ〜。ヨシミさんの家ですか。
先輩の第二の実家ですもんね。』
第二とかじゃないけど…
ミワ「………」
アイト『どうしたんですか?黙って…』
ミワ「いや、疲れてきちゃって…」
アイト『帰ってから疲れるとかおかしいでしょ?!
実家に帰ったからってテンションあげるからですよ。
それにもう遅いから寝ないと!』
ミワ「そだね。おやすみ〜!」
アイト『おやすみなさ…』
プチッ
電話を切った。
疲れた。窓から外を見る。
暗すぎて星空しか見えない。
星空は見なかった。
ミワ「おやすみ。」
布団に入る。
なんとなく、家全体が見える。
ここが故郷だ。
ミワ「ただいま…」
2018.7.18 16:20:39 公開
2018.11.20 15:19:00 修正
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