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トレーナーとして…2

著編者 : まさる

1. 無い力

著 : まさる

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ゴウは、ポケモンジムの前に立っていた。

「何となく来ちゃったけど、
また、直ぐ負けるよな…」

ゴウは、少女にどうするか相談するつもりであったが、
ついさっき別れてしまっていた。

「あんなこと言うから…」


『今の貴方には、才能の欠片も無いわ。』


「分かってるよ…」

ゴウは、しばらくの間、突っ立っていた。
そして、ため息をついた。

「どうしたらいいのかなぁ…」

新人トレーナーのゴウには、何も分からなかった。

「あれ?」

ゴウは、入り口の扉が少し開いてることに気がついた。

「ランジィさん開けっぱなしだ。
閉めなくて大丈夫なのかな?」

「お、おい!!」

その時、ジムの中から低い男の声が聞こえてきた。

「ランジィさんじゃない。
しかも、あの叫び声は、只事じゃない!」

ゴウは、ジムの中へ入った。
バトルフィールドに進むと、
若い男が二人居た。
ゴウは、隠れる。
よく見ると、二人の間でランジィがうずくまっていた。

「ラン!………」

「ん?!」

ゴウは、叫びそうになった自分の口を慌てて押さえた。

「どうした?」

「今、声が聞こえ………気のせいか…」

「それより、このじじぃどうするんだよ?」

「う〜ん。
苦しそうだけど…救急車を呼ぶと厄介だぞ…」

「そうだな…
盗るもの盗って帰るか?
そのうち、誰か来るだろうし…」

ゴウは、自分の目にしているものが信じられなかった。
苦しんでいる老人を無視して盗みを働く奴があるだろうか?
何でも良いから早くここを離れてほしい。
そう思った。
しかし、ゴウは、彼らが去るのを待ちきれず、
ランジィに駆け寄ろうとした。
しかし、ゴウは、腕を掴まれた。
少女だった。
少女は、ゴウを引っ張ってバトルフィールドから遠ざかる。
叫ぼうとしたゴウは、少女に口を塞がれた。

「何を考えてるの?」

「助けないとマズイだろ!」

「貴方に何が出来るの?」

少女の目が冷たく見えた。

「…俺って…無力か?…」

「…えぇ…」

「…でも、何でそんな言い方するんだよ?」

「…」

少女は、黙った。

「とにかく、俺は行く。」

「待って!」

少女は、離れようとするゴウの腕を掴む。

「この町には、人間の病院が無いわ…
救急車が来るのも遅いし…」

「え?」

「私達でバトルしても、あの二人には、敵わない…
だから…」

少女は、ゴウにモンスターボールを渡した。

「貴方は、このマンキーと一緒にランジィさんを近くのポケモンセンターまで運んで、
応急処置を受けて貰って…」

「え?じゃあ、お前は…」

少女は、バトルフィールドの方へ走っていった。

「おい!」

ゴウは、追いかける。
バトルフィールドの方から、男たちの騒ぐ声が聞こえる。

「一体、あいつは、何をしてるんだ?!」

バトルフィールドに着くと、少女も男二人も居なかった。

「え?」

「うぅ…」

ランジィが倒れている。

「とりあえず、運ぼう!」

ゴウは、マンキーと一緒に、ランジィをポケモンセンターまで運んだ。





「待て!」

少女が男二人から逃げている。
少女は、立ち止まった。
行き止まりだ。

「ふ、残念だったな…」

「一体どういうつもりか、説明してもらおうか?」

少女は、黙る。

「おい!」

「そ…」

少女は、男たちを睨む。

「それは、こっちの台詞よ!」

その時の感情が何なのか、
まだ、少女は、知らなかった。

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2018.2.14  18:46:22    公開


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