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その色が奏でるストーリー.

著編者 : 

6 color. azure

著 : 

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 フィア達は、親切な荷馬車に乗ったおじさんに拾われ、グレンピアへ向かっていた。
「あと3時間くらいでつくよ〜」
 いくつかの木箱と一緒に、3人と2匹は荷台に乗っていた。
「…疲れたわ。私、寝るわね」
 エイルは昨日ろくに寝ていなかった。それというのも、サンはお腹を出して寝ているし、フィアは無防備にもほどがあるほど熟睡していたからだった。
 そんなエイルを、またソウマがにやにやと眺め、低く唸る。
 エイルが眼鏡を外そうとした時に、フィアは はっと気がついた。


 あ、これ、知ってる!
 あの、目が3になるやつだ!


 眼鏡を外したエイルは、何故か落ち込んでいるフィアを見た。
「…何を期待してたのよ」
「…いえ、別に…」
 エイルはなんとなく察しがついた。
「まさか、本当にそんなことがあるとは思ってないわよね?」
「まっ…まさか」
「これは、だてよ」
 そう言って、さらにしゅんとするフィアをよそに、エイルは眠りについた。
 サンはさっきから爆睡している。



 一行は王都グレンピアへ向かう。空から風が吹き抜ける。


 あそこにスウはいるのかな…。


 淡い期待を胸に、フィアは揺れる碧天を仰いだ。










 それは紺碧、王都グレンピア。
 王家の者は代々”碧”を受け継ぐ。それは広大なる天穹。



 太陽は高く昇り、少しだけ傾いている。
 馬車から降りておじさんにお礼を言うと、そこでフィアは二人と別れた。
「ありがとうございました」
「いいのよ、ついでだったし」
「フィア、またね!」
 最後まで変わらずクールなエイルと、感情を見せてくれるようになったサン。
 フィアは2人と気持ちよく別れた。
「うーん、良い天気っ!ねっトト!」
 フィアが足元を見ると、
「…トト?」
 トトがいない。
「ああっ!またいなくなっちゃった!トトー!!」
 グレンピアに着いて早々、フィアは忙しい。










「お待ちください!どこへ行かれるのですか!?」
「わわっやべ!」
 一人の少年が、高い柵を乗り越える。
 少年はラフな格好に、耳まで隠れる帽子をかぶっている。眼は、瑠璃色だ。
「大丈夫だって!陽が暮れるまでには帰るからさ!」
「いけません!お戻りください、ルリ王子!」
 そんな言葉には耳も貸さず、少年は城下町へと駆けていった。










 俺はどこへ行けばいいのかな。あてもないし、金もない。
 だけど、俺はどこかへ行かなきゃいけないんだ。
 あいつのために。

 シオンは王宮の前に来ていた。
「ここがラピス城かぁ。ま、用事はないけど」
 王宮のところどころに、三日月と露草をモチーフにした紋章が金碧で描かれている。
「きれーな紋章だな。初代王のやつかな…」



 その時、紫苑の風が舞った。
 凄まじいエネルギーだった。

「な、なんだっ…!?」

 一瞬の出来事だった。何が起こったのか、シオンは理解できなかった。だが、確かに何かがいた。





ドクン!





 鼓動が、ひとつ打った。
 急にシオンの胸に刺すような痛みが走る。


 なんだ?胸の奥が苦しい…!



「―――っ!」


 シオンは痛みに顔を歪め、胸を押さえながらその場にドサリ と倒れ込んだ。










「なんとか逃げきったかな…」
 路地裏に辿り着いたルリは、膝に手をつき、少し息を切らしながら後ろを振り向いた。誰もいないことを確かめると、大きく伸びをする。
「くーっ、やっぱ外は気持ちいーなっ!」
 ルリはまた歩き始める。その姿からは信じがたいが、ルリはグレンピアの真ん中に位置する王宮、ラピス城の王子だ。町にはそうそう出させてくれないので、こうやって抜け出して来ているというわけだ。

 路地を抜け、町の一角にさしかかった時、突然ルリの頭上から魔獣が現れた。
「…げっ!?」
 気づくと魔獣は、鋭い爪をルリ目掛けて突き立て、急降下してくる。
「それはちょっ!だめだって!!」
 するとその時、何かがルリと魔獣の間に割って入った。
「…アスカっ!」
 ルリがその女性を見上げる。アスカは体勢を固く構え、

「ハッ!!」

魔獣の爪を拳で突き弾いた。
 そして、重力に逆らい、ふわり とルリの前に着地する。それは、アスカの神獣、エルレイドの”ねんりき”だった。
「ありがとグラン!」
 グランと呼ばれたエルレイドが こくりと頷いた。今度はグランが魔獣と対峙し、アスカはルリを振り返る。
「王子?また抜け出したんですか!」
 にっ と笑うルリに、アスカは呆れた顔をした。
「お父様が心配しますよ!」
 そう言うと、アスカは魔獣に向き直る。
「…なんでこんなところに魔獣が…」
 しかしその飴色の神獣は、魔獣にしては動きが鈍い気がした。
 アスカはかけていた眼鏡をルリに預けると、胡桃色の長髪を揺らし、身構えた。










「お嬢ちゃん、寄ってかないかい?」
 グレンピアにはかわいいお店がたくさんあった。フィアの興味をそそられるような、見たことのないものも売っている。
「あ、あとで寄りますっ…!」
 しかしフィアは、そんな好奇心になんとか打ち勝ちながら必死にトトを探した。

「あの、サンドパンを見ませんでした?左耳の後ろに、こんな模様がある…」
 フィアは左肩の紋様を見せるが、店の人は首を振るばかりだった。
「…トト、どこいっちゃったの…?」















 左肩のそれ
 波紋の剣。


 左耳の後ろのそれ
 波紋の剣。


 流れに逆らわず、飛沫などあげず、優しく水面に触れるそれ。


 そう、その剣は、波紋をうつして。










     6 color. azure

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2008.12.18  06:26:14    公開
2008.12.18  17:25:17    修正


■  コメント (7)

※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。

こんばんはドルフィノさん!
うららーっ!!><またきてくれて嬉しいです!!

ほぁ・・><
残念なお知らせが・・・今回は瑠璃色じゃなくて碧色なのです・・・!(あんまかわんねえ
瑠璃色は次回です!!(Σねたばれ!!
グレンピアを象徴する色として”碧”を選んだわけです*・ω・ノ
それにしても碧い花を探すのに労力がっ・・けっきょく露草にしてみましたが

天然フィア大人気♪
絶対サンタさんとか信じてますね!!
きっとクリスマスにサンタがこないから
 「あたし・・いい子じゃないんだ・・・」
って落ち込んでそうですw
しょぼんりぃフィア・・・(・ω・`

帽子とその格好と・・・名前がルリときたら・・・ふっふふふ・・・(だれ
どっかで出そうと思ってはいたのですがまさか王子になるとは(
どうしようかと思った←

グレンピア編長くなりそうなかんじです
ぜひ楽しみにしててくださいっ!!><*))

08.12.19  20:03  -    (1z0i3n1)

さざ波の如く現れるドルフィノです。(何だそれ
また来ましたよ〜。
おっ!今回の文字は瑠璃色ですな?
てかフィアかわえぇホントww
やっぱり良いですね…天然キャラ(落ち着け
トトがいなくなる→フィアが慌てる
良いぞトト!その調子でもっと勝手にいなくなってくれ!(お前少し慎め

ところで少し気になったことがあったので一つ。
ラフな格好…耳が隠れる帽子…ってまさか!!

い、いや、気のせいですかね。

以上でっす(

08.12.19  07:25  -  不明(削除済)  (Mariner)

おっはようございます西条流月さん!
フィアは天然です!!たぶん・・><
いにの文章力でテンネンシーンがいくつできるかみものですな(

Σ・・!!いいいいい・・・嬉ぴすぎてにゃみだで前が・・(いにの口が回らなくて口調がうざいw
それフィアに言ったら真っ赤になって戸惑いながら
「・・・あ・・・ありがとう・・ございます?」
とか言うんじゃないでしょうかww

ポケモンの戦闘シーンは書くのだいすきなんですけど人間の戦闘シーンは絶望的にニガテでへたくそなのです・・><ぎゃぁぁ
いにのない頭でどう動かせるかこれもみものですな(せめて・・・せめてあたたかく見守っていただきたいっ・・・(((><

ぽおお応援ありがとうございますっっ!!
いにの原動力なのです!!でも更新いつも遅いのです・・申し訳ありませんすらいでぃんぐ土下座アアア!orzzzzzzzzz

(Σいには土下座で終わらせた!

08.12.19  05:49  -    (1z0i3n1)

くにゃああくぁああ!!((ぴかりさんはしななくていいけどいにはもうしにそう
おはようございますぴかり師匠ううぁ!!!

さっそく舞い上がってます!トルネードジンスプラッシュ!!((???

内容はいきあたりばったり←
表紙は知ってのとおり(?)スッポン←
スバラシーとかテンサーイとか嬉しすぎていにの目から華厳の滝が・・・><*ふぉぅあ
そんな言葉私には遠縁すぎるのですよぴかりさんっっ!!

ああぁシオンめちゃくちゃ心配されてますよシオーーーン!!ちょっ起きろよてめっ><
しかも好みでしゃ!?(かんだ!
もう私立ち直れませんが((なんでだ

ねんだかグレンピア編長引きそうな予感です・ω・
今までだいたい明るかったのでここらで・・・*−ω−かな?(

よーしぴかりさんの予想を一ミリでも裏切れるよー頑張りましょっ!!(

08.12.19  05:34  -    (1z0i3n1)

なんだかトトの性格ってせっかちな気がしてきた西条流月です
そしてフィアは天然ですね
なんだかそんなところもフィアのいいところですね
そして、アスカとグランはなんというか武闘派ですね
どっち主体で戦うのか、気になります
これからも更新頑張ってください

08.12.18  21:53  -  不明(削除済)  (rutuki)

フィアは俺の嫁!(コメントの最初がこれとかぴかりはしねばいい

こんにちはぴかりです><**

最初見た時から素晴らしすぎて憤死してました(
表紙が綺麗で・・!その上内容も素晴らしいとか仁さんは天才なんだと改めて感じました・・!

んでシオンが・・!シオンがああああああああ(ry(何こいつうるさい
シオンの性格が凄くめちゃくちゃものすごく好のみなのですが・・!

トト脱走事件でトトが見つかるか不安ですがそれよりもシオンが不安です。
ちょ・・!シオンが・・!
この後を勝手に予想しながら待ってます・・!

ではでは!失礼します><*

08.12.18  19:59  -  ぴかり  (pika)

おはようございます仁です!
なんだか今回はつなぎのような話です
次回へ続く!!

今回はいちごみるくさまが提供してくださったキャラクタアア!
アスカとエルレイドのグランを登場させていただきました!
まこまこまことにありがとうございますっっっ!!
でも活躍は次回の予感です!お楽しみに!!

色を考えるのが楽しい仁です♪
でも間違えて入れるのわすれたまま書いちゃうとあとで修正が困難なのです・・><ふぉぉ
でもポケ譚に比べて題名に法則があるから考えやすいwというメリットが(知るかい

まずい!時間が!!
あああ書きたいことあったのにばれるうっ・・・
ていうかこの時間に投稿してるいにはどんな生活を送っているかまるわかりですね。こええええ・・・←

しし仕方ない・・・><ではっ!

08.12.18  06:35  -    (1z0i3n1)

 
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