ポケモンノベル

ポケモンノベル >> 小説を読む

dummy

その色が奏でるストーリー.

著編者 : 

1 color. pure white & jet black

著 : 

ご覧になるには、最新版の「Adobe Flash Player」が必要です。 また、JavaScriptを有効にしてください。









その色を、その音を、その物語に。



染める、奏でる、物語。



さあ、ストーリーにのせて―――





「おまえはさ、俺と違って綺麗すぎるんだ」
 褐色の肌の少年が言う。
「…そんなことないよ」
 純白の肌の少女が言う。
「……あのな、俺………おまえが好きだ」
 少女はパッと顔を上げる。少年は笑っている。
「一緒にいようよ…」
 泣き出しそうな顔を少年に向ける。少年は首を横に振る。
 木造の床を軋ませ、戸を開け放つ。

 群青の森に、少年は消えた。



 少女を残して。










「怖がらなくていいよ。」
 少女は”それ”に近づく。
 手を差しのべ、”それ”の頬に触れる。
「ほら」
 ”それ”に少女は笑いかける。優しく笑いかける。

 ―――その時だった。”それ”が自分の存在に気づいたのは。
 寒さのせいで、少女の手は冷たかったけれど。少女の手のぬくもりを感じた。
 そうか、自分の頬の方が温かかったのか。

 そして知ってしまった―――。
 少女が手を離した時。
 相変わらず少女は笑顔を向けてくれた。だけど、―――その手は汚れていた。
 自分の頬が汚した。純白の少女を。

 ―――汚れた自分を―――。










 昼下がりの薄蒼い空を見上げる。雲が点々と流れている。草花がサラサラと優しい音を奏でる。
「キキッ」
 鳴き声がして振り返ってみると、サンドパンがこっちに駆けてきていた。
「スウ、ご飯だよー」
 草原にぽつんとたたずむ一軒家のバルコニーから、少女が乗り出して少年を呼ぶ。
 少年はサンドパンを撫でながら立ち上がる。
「フィア! 今行く!」








「あたし、フィア。あなたは?」
「………」
「名前だよ?」
「………」
 少年は膝を抱えたままうつむく。
「…ないの……?」
「………」
 こくりと、うなずく。
「そっか。じゃあ、スウって呼んでいい?」
 少年は顔を上げる。
「……なんで」
 少年は小首をかしげる。
「そう呼びたいの。理由はないよ」
「…わかった」
 少女の顔に笑みが広がる。つられて、少年も笑う。
「あ、…笑ってくれた」
 急に少年は顔が熱くなった。
 少女がそれに気づく。
「笑うのは恥ずかしいことじゃないよ。ね、もっと笑って!」
 そう言われ、少年はもう少しの間笑っていることにした。
 …そうか、顔が熱かったのは、恥ずかしかったからなのか。そうか。








 風に、桜色の長い髪が揺れている。
 フィアは、スウがあとから入ってこれるように、戸を閉じずに家に入っていった。
 スウがサンドパンと駆けてくる。ひとつに束ねた黒髪を、風が通り抜ける。
 スウよりも先にサンドパンが家に駆け込んだ。
 あとから入ってきたスウを見て、フィアが笑う。
「スウ、びりっけつ。お皿洗いはよろしくね」
 スウは口を尖らせた。
「俺が先に着いてたらどうしたんだよ」
 フィアはすり寄るサンドパンを撫でる。
「トトは負けないもんね」
 トトと呼ばれたサンドパンが、答えるように鳴いた。
「結局俺かよ…」
「うん」
「はいはい、りょーかいっ」
 スウが席に着く。フィアが向かいのもうひとつの椅子に座る。テーブルには、ミートパスタにきのみの付け合わせ、ハーブのスープがふたり分。
「「いただきます!」」








 スウがフィアに出会ってから、フィアがスウに触れてから8ヶ月。





 その日、少年は………










 ―――――バタン。




















 トントン。
 ガチャ。
「こんばんは」
 戸から顔を覗かせたのは、綺麗な桜色の髪の少女。
「一晩、泊めてくださいませんか」
 少女は足下にサンドパンを連れていた。
「ありがとうございます。あたし、フィアっていいます。こっちは、サンドパンのトト」








 スウがいなくなってから一週間が過ぎた。そのうち帰って来ると、…帰って来てほしいと、フィアは一歩も家の外に出なかった。
 だけど、スウは帰って来なかった。
 その一週間は、フィアにとってはあまりに長すぎた。今まで、それほど長い間離れたことがなかったから。それが当たり前だったから。



 だから、少女は旅に出る。





 幸せを探しに。








 ―――ううん、幸せを見つけに。















 この世界には、大きく分けてみっつの種族があります。
 人間、神獣、そして半獣。


 人間は、神獣と"印結び"をすることにより、神獣を従えることができます。



 神獣は、聖獣と魔獣のニ種類に分けられ、それぞれ特殊な能力を持っています。



 半獣は、人間から突然変異で生まれる、神獣の能力を宿した人間です。





 知っています。世界は平等でないことを。
 わかっています。幸せは続かないことも。

 でも、信じています。あなたのことを―――誰よりも。


 信じてるから。



 だから、あたしは求め続けます。




 もし、あなたがそれを望まなくても。





 だって―――本当は、一番あなたが願っているから。










     1 color. pure white & jet black


⇒ 書き表示にする

2008.12.4  19:52:17    公開
2009.2.1  06:47:19    修正


■  コメント (11)

※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。

ほあああすいみいもどきさんおがようございます!!
仁は先程長文のコメントをポケモンオレンジに残してきたばっかりです!!

イラストかわいいって・・・!すいみいもどきさんのほうがかわいい件について・・・!!胸キュンっ・・・><**嬉喜嬉

ふわわあフィアもスウも応援していただき仁が血涙しております!(ふけ!!
これでバッドエンドになろうもんなら私が命と引き換えに(Σなにをするきだ

元気な感じもだいすきですが切ない感じもだいすきなのです!
切なさを目指して書き始めたのをわかってくださったんですね!!それではじんがもう一度血涙ショーを・・・(やめ!!!

楽しみで仕方がないってないっておおっとここで仁が舞い上がったアアア!!←スタジアム風に(しるか

09.1.6  05:24  -    (1z0i3n1)

素敵なイラストに導かれて再びすいみい現る!!
(来なくて良し☆ミ)

冒頭を読んだだけで、胸キュンしてしまい
そのままコメントを残してしまいました!

あー!!フィアが可愛すぎる件について!
\(^O^)/スウがまじで切ないっ!
これはもう、幸せになってもらうしかない!

そして、優しく切ない文に引き込まれて
しまいました。面白そうな設定にも期待!

いやはや続きが楽しみで仕方がないので、
これで失礼します!ではでは!

09.1.5  22:03  -  不明(削除済)  (omusuke)

すみませんご迷惑をおかけしました><
説明足りなすぎて・・
謝ることありませんよ煉杜さん!
私が謝らなきゃいけない方です!

どうもすみませんでしたあああっ!!!!orzzzzzzz

08.12.7  12:03  -    (1z0i3n1)

はっ・・・!年齢とかも必要だったんですねっ!
すみません書いてなくて・・・!!
レイは十代後半・・・大体18くらいです・・・!

すみません;;;失礼しましたノシ

08.12.7  08:16  -  煉杜  (ゲスト)

はじめましていちごみるくさん!!
きょああありがとうがざいますっっっ!!
コメ返し遅れてすみません><

アスカちゃん!!ありがとうございます!!うはあああ!!
瓦割りと空手・・恐ろしいwwww
ただいま文字通り舞い上がってます!!うひょーーー!!

2話目執筆中です!
ぜひぜひ!またよろしくおねがいします!!
あ、あれ・・いちごみるくさまに後光がみえる・・・(崇

08.12.7  07:05  -    (1z0i3n1)

はじめまして!西条流月さん!!
コメ返し遅れてごめんなさいっ><
そしてコメントありがとうございますっっ
ほほほんわかした雰囲気!漂ってますか!うはー!
あああありがとうございます!ううう嬉しすぎますようううっっ!
すみません読みにくいですね!(

半獣もおーけーですよ!そこの詳しいところも書いておきますね

?マークどんどん使っちゃってください!むしろたくさん使っていただいて嬉しいです!

エイルちゃん!ありがとうございますあああ!
ポニテメガネ!しかも黒縁!うおおおお!!((
ちょっと嬉しさのあまり隣の公園のブランコ引っこ抜いてきます!!(なんで!?

ひあああっまた来てくださるのですか!!ああっっ目から鼻水が!
ぜぜぜぜひ!お待ちしておりますご主人さ((殴

08.12.7  06:49  -    (1z0i3n1)

ほあ!!
お久しぶりです煉杜さん!
真っ先に来ていただいて感謝感激です!
コメ返し遅れてごめんなさいっ><
最近なかなかPCを開けなくて

コメント&レイくん!ありがとうございますううう!!
行き倒れた人を拾っwwかわいいですw
嬉しすぎてもう空も飛べる気がします(

ただいま2話目を執筆中です♪
ではではっ煉杜さま(天使さま)!ありがとうございますっっ!!

08.12.7  06:31  -    (1z0i3n1)

はじめまして、ですね。

名前:アスカ
性別:女
ポケモン(神獣):エルレイド(グラン)
備考:特技は瓦割りで趣味は空手・・・恐ろしい
茶髪ロング、瞳は黒 眼鏡使用

08.12.6  17:41  -  不明(削除済)  (013133)

はじめまして西条流月と申す者です
なんだかほわんとした雰囲気が漂っていていいと思います
これからの展開が気になりますね
聖獣と魔獣の違いとかも気になりますしね
これからも更新頑張ってください
キャラ募集って半獣もOKなんでしょうか?(何だか?マークが多いな)
という訳でキャラ投稿を【人間】でやらせていただきます
名前:エイル
性別:女
ポケモン(神獣):ジュカイン(ソウマ)
備考:現実的でクール。しかし、妙にお節介。他人を見捨てるようなことはしない。ただ厳しい口調なので誤解されやすい
黒髪のポニーテールで黒縁めがねがトレードマーク
ちなみに眼鏡は伊達
パートナーであるソウマにはお節介な所をよくからかわれる
投稿してみましたがなんだかちょっと長すぎるので無視してもいいですよ(変更もOK)
それでは更新されたら懲りずにまた来ます

08.12.5  21:40  -  不明(削除済)  (rutuki)

今晩は仁さん^^
少しお久しぶりです!
ゲストですが・・・僕は僕ですので!

新連載ですね!おめでとうございますww
自分、キャラ投稿してもよろしいしょうか?(どーん

名前:レイ
性別:♂
神獣:ラグラージ(ラグ)
備考:黒いバンダナを巻いた銀髪の青年。紅い瞳。
人当たりがよく、お人よし。
よく行き倒れた人間を拾ってしまう。

・・・・こんなんでいいのでしょうか・・・?
変更してもおkです!使わなくても構いません;;;

それでは失礼しましたノシ

08.12.5  21:05  -  煉杜  (ゲスト)

もっと見る >>

パスワード:

コメントの投稿

コメントは投稿後もご自分での削除が可能ですが、この設定は変更になる可能性がありますので、予めご了承下さい。

※ 「プレイ!ポケモンポイント!」のユーザーは、必ずログインをしてから投稿して下さい。

名前(HN)を 半角1文字以上16文字以下 で入力して下さい。

パスワードを 半角4文字以上8文字以下の半角英数字 で入力して下さい。

メッセージを 半角1文字以上1000文字以下 で入力して下さい。

作者または管理者が、不適切と判断したコメントは、予告なしに削除されることがあります。

上記の入力に間違いがなければ、確認画面へ移動します。


<< 前へ戻るもくじに戻る 次へ進む >>