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夢を叶えるために…スペシャル短編集!
1,約束
著 : トーカ@浮上停止
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ー形だけの“愛”なんて、いらないよ
ー誰か、私をみて
「うん。えっとね…ここは、こういうこと。」
あれから私はエクリとも話せる仲になり、ダイアにたくさんのことを教わった。エクリと初めてやって来た、大きな木のある丘で。
「ありがと、ダイア。」
「ううん、何か困ったことがあればまたここへ来てね。」
さて…今日も色んなことを教わったし、家で本でも…
「フィーースッ!な〜にやってんの?あ、ダイアに勉強教えてもらってたのね!」
「…ねぇ、急に話しかけられるとビビるんだけど。」
「あっ、ごめーんごめん!」
「ハァ…何の用?」
マジで何しに来たの。暇だからとかやめてよ…
「暇だから来たの!」
うわぁ、やっぱり。単細胞なヤツって、目的もなく他人呼びつけるよな。
「さー、遊ぼう!」
「マジかよ…。」
何だかんだ言って、エクリが来てくれるのは嬉しかった。
これが私の日常になり、同じように独りで本を読む日々が変わってきた…
そんなある日。
「旅?」
「うん、出ようかと思ってるの。」
ダイアは一つの提案をしてきた。それはどうも、旅に出ようかというものだった。
「でも…何で急に?」
すると、ダイアは言った。
「今、フィースにたくさんのことを教えてる。誰かに何かを教えるなら、私自信もたくさんのことを知らなきゃと思ってね。」
「へぇ…」
「ああでも、他にも理由…あるんだけどね。」
「そうなの?」
「大切な人を…守りたいから。」
「えっ?」
「ううん、何でもないわ。」
ダイアは少し暗い顔をしていた。その後悲しげに苦笑いしたの、私はみたよ。
ー何かあったの
「私はそろそろ行くね。」
「あ…うん。」
「フィースは?」
「私はまだここにいるよ。」
「そっか。また明日ね!」
「うんっ」
そして一人、丘に残っていた。
『大切な人を…守りたいから。』
ダイアは確かにそう言っていた。昔、何かあったのかな…。
「あっ、フィース!ここにいたの!」
「わっ…って、エクリか。急に話しかけないでって前言ったじゃん…。」
ねぇねぇ、くらい言えよ…。
「あっはは、ごめん!隣、座るよー。」
「ああ、うん。」
「よっこいしょっと。どーしたの?そんな深刻な顔して。」
「いや、ダイアのことなんだけどさ。昔、何かあったのかなって。」
「あ〜。私、前ネクスに聞いたことあるんだ。何か昔ね、仲が良くって付き合ってたコを、事故で亡くしちゃったんだって。」
「えっ…」
「ダイアはいつも、自分のことより他人を第一に考えるの。だからきっと…フィースに同じような思いをさせたくないんじやんないかな?…まぁ、私に詳しいことはわからないけどさ。」
「そっか…。」
きっとダイアだけじゃなくて、みんな昔に色々あったんだろうな。
それでもみんな前を向いてあるいてる。
そんな力、私にはあるのかな。
「ああ、そういえばダイアは旅に出るのよね。」
「えっ、もう決まったの?」
「うん、ネクスに伝えにいったみたいよ。」
「そっ…か。そうよね。」
じゃあダイアは旅に出ることを決めた上で、私に相談したんだ…。
「すごいよねっ。私も旅、出てみたいなぁ。」
「いいんじゃない?」
「うん。まぁでも他にもしたいこと、いっぱいあるからさ。」
「へぇ」
夢が、あるんだ。ダイアも、エクリも。
すると突然、エクリはこんなことを言い出した。
「フィース、見送りに行こうよ!」
「えっ…?」
「いつ出発するかはまた聞いて。でも、近いうちに行くと思うからさ!」
「そうだね。」
「それにダイアは、過去に行くみたいよ!」
「え、そうなの?つか、何でそんなに知って…。」
「さっき会った時にね。色々…って言っても長くは話さなかったけど。」
ダイアは、私をはじめてきちんと見てくれたヒト。たくさんのことを、教わった。
旅に出てほしくない、って思ってる私もいる。でもそれは、私のワガママでしかなくって。
大事なことを教わった。
誰かに見てもらうことがこんなにも嬉しいものなんだって知った。
なら、私のするべきことはー
ダイアが旅に出る日。私はエクリとダイアの元へ走った。
「はっ…はっ…間に合ったね!」
「うんっ…。」
「あら、エクリにフィース。見送りに来てくれたの?」
「うんっ!そうだよ!」
「そう、ありがとうね!…あっ、そうだ。フィースにお願いがあるんだったわ。」
「…?何…?」
「私がここに、いつ戻ってくるかはわからない。でも、いつか必ず戻ってくるわ。だからそれまで、私のかわりにネクスの手伝いをしてほしいの。」
「えっ、わ…私が?無理よ、ダイアのかわりなんて…。」
「やる前から諦めてどうするの?」
するとダイアは「手を出して」といい、私の手のひらに小さな淡いピンク色のダイヤモンドをつくった。
「それを、持っていて。私との約束の証よ。大丈夫。フィースなら出来るわ。」
ダイアが私に自分の役目を任せること。
私はその意味を理解した。そして、頷いた。
ダイヤモンドを握りしめた。
「じゃあ、頼んだわよフィース。いってくるね!」
「いってらっしゃーい!」
私は、変われた気がする。
貴女のおかげで。
これからも、変われるといいな。
大変だと思う。辛いことも、あると思う。でもその分だけ大きく変われるって、私は信じてるから。
感謝の気持ちを込めて、笑顔で。
「いってらっしゃい!フィース!」
私はダイアにそう告げた。
2016.8.13 15:40:35 公開
■ コメント (2)
※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。
16.8.22 18:08 - トーカ@浮上停止 (0914) |
トーカ@元はるりん さん こんにちは、あすぺふです。 この夢かなも、今までも見させて頂いていたのですが、コメントは今回が初めてですね。 大切な人、というところで、あの作品を思い出しました。あれもいい話だったなぁ。 どの作品も練られていて、文章の作り方も上手で、読みやすいです! これからも頑張ってください! 16.8.14 17:16 - (rev01cni) |
夢かなでも大切な人がどうとかこうとか…(←おい)が、結果重要なんですね。友情展開好きなんで(笑)
うわぁ、そんなことないですよ…!私何てまだまだ…。これからも応援してくださると嬉しいです!ではー!